ショップとローカリズム。

THE NORTH FACE #4

Contributed by anna magazine

Local / 2018.04.05



「NEVER STOP EXPLORING」。
”飽くなき探求心”がブランドの理念であり、「都市と自然をつなぐ」を共通コンセプトに個性的なショップを全国各地に展開している『THE NORTH FACE』。同ブランドは、出店するエリアに合わせて“店づくり”のアプローチを変えています。メインカラー、インテリア、BGMなど、“店づくり”に必要不可欠なこれらの要素をどのように組み合わせて、地域の特徴を活かした楽しいショップを演出しているのか? これまでさまざまなショップのVMDを担当してきた駒場靖之さんに聞いてきました! “店づくり”を通じた『THE NORTH FACE』ならではのローカリズムを探る短期連載企画です。

第4回目は、3月29日にグランドオープンした「東京ミッドタウン日比谷」内にある「THE NORTH FACE PLAY」をクローズアップ。新業態となるこのお店は、過去に同ブランドが展開してきた個性的なショップと比べてもどこか異彩を放っています。“上質さ”と“遊び心”、この2つのコンセプトを基に、新しいカタチのアウトドアショップに挑戦していました。



「東京ミッドタウン日比谷」の2階にある『THE NORTH FACE』の新業態ショップ「THE NORTH FACE PLAY」。格式高いホテルを思わせる上品な雰囲気と重厚感、その店構えは一見アウトドアショップに見えません。茶、黒、紺などの落ち着いた色を基調に、アウトドアギアや植栽でところどころに明るい色を配色。内装のインスピレーションは、ヨセミテ公園にあるアワニーホテルだとか。

「『THE NORTH FACE PLAY』のテーマはヨセミテ。本格的な登山に特化したギアを中心に展開しています。ただ、『東京ミッドタウン日比谷』のコンセプトが “上質な時間”ということもあったので、例えばもしテーラー屋がアウトドアギアを取り扱ったらどうなるのか? という、普通と少し違った視点でもお店づくりをしました。ナラ材の什器や御影石の床はアワニーホテルをインスピレーションに、商品の見せ方はトラディッショナルなテーラー屋を参考にしています。1点1点しっかりギアをディスプレイして、モノの質をちゃんと伝える。そして、トレッキングやクライミングなど使用シーンでギアをカテゴリ分けし、ウエアからアクセサリーまでを一式揃えて陳列しています。イメージは、本物の価値を知っている、審美眼のある人のクローゼットです」と駒場さん。



この店の顔となるスペースには、「GORE-TEX®」のアイテムをラインナップ。1ヶ月周期でテーマを変えながら、ゴアテックス素材のさまざまなシリーズを展開していきます。

「『THE NORTH FACE』のなかで唯一、「GORE-TEX®」のポップアップストアが入っている『THE NORTH FACE PLAY』。4月7日にはこの店舗限定で、HYKEとのコラボシリーズが発売されます。第2段以降もいろいろなアプローチでゴアテックス素材の魅力を発信していきます。モノの良さを伝えるために、流す映像も工夫しながら、トレッキングやスーパーハイク(ファストパッキング)などの使用シーンがイメージできる空間にしています」



オリジナルで什器やハンガーを製作するだけでなく、トルソーにゴアテックス素材を使用したり、ところどころにヨセミテに関する本を置いたり、些細なところまでこだわり抜いてお店全体がデザインされています。また、「THE NORTH FACE PLAY」が、もうひとつ大切にしているのは“遊び心”。本物を知り尽くし、個人の価値観を持ちながらも、つねに新しいコトやモノへの要求意識が高い人たちへ向けて、“遊び心”を提案できる総合アウトドアショップを目指していくそうです。
「私たちの考えている “遊び心(PLAY)”とは『アウトドアブランドとしての本質(安心、安全、高品質)を追求しつつも、常に時流を見定めた表現(驚き)を独自のチューニングを施し発信し続けていく』という意味です。つねに新しいコトやモノへ挑戦しながら、新しい価値を発信できる場所に『THE NORTH FACE PLAY』をしていきたいです。展開している高品質なアイテム、知識や経験を備えたスタッフたちが集まりお店を運営していくことで、お客様にそういった“遊び心”を提案できると考えています」



都市と自然をつなぎ、人と自然もつないでいく。『THE NORTH FACE』は、そんなヒト、モノ、場所を結ぶ架け橋となっているアウトドアブランドです。ショップに足を運ぶことで得られる体験や知識。そして、スタッフの方々とのコミュニケーションを通じて発見した新しい価値など、ただ商品を販売するだけではない場所として、ショップの「モダンなあり方」を探求していました。「VMDを考えるときに最も大切にしているのは、お客様に喜んでもらえる場所になっているかどうかです。わざわざ足を運んで来店してくれたお客様に満足してもらうためにも、VMDだけでなく、商品のラインナップやスタッフの質など、あらゆる要素が高品質でないといけません。それに、実際にお客様とコミュニケーションをとるのは現場のスタッフ。彼らがお客様と楽しくコミュニケーションできる空間をつくることで、より充実した時間が生まれてくると考えています。また、日比谷はアウトドア、丸の内はランニング、銀座はファッションなど、『THE NORTH FACE』は地域に合わせてお店のテイストや雰囲気を変えています。それぞれのお店に行ってみたいと思ってもらえるよう、一店一店違ったカラーで演出しています」と駒場さんは言います。

また、駒場さんは「銀座、丸の内そして日比谷。多くの人たちに影響を与えて、この界隈をもっと盛り上げるような試みを今後も考えていきたい」と言います。さまざまなショップを通じて、その周辺の街全体を盛り上げていくためにも、『THE NORTH FACE』は新しいコトへの挑戦をこれからも続けてくそうです。

【profile】
お店づくりについて教えてくれた人・駒場靖之さん

『THE NORTH FACE』のVMD担当者。お店づくりの上で大切にしていることは、ストーリーがあるちゃんと中身を伴ったお店にすること。「今後、『THE NORTH FACE PLAY』でもさまざまなイベントを開催していく予定です。ご来店いただくお客様のニーズをお伺いしながら、どのような内容のイベントを実施していくか、これから決めていきます。楽しみにしていてくださいね」

【shop info】
THE NORTH FACE PLAY
〒100-0006
東京都千代田区有楽町1丁目1-2
東京ミッドタウン日比谷2階
TEL:03-6812-7144
OPEN:11:00〜21:00
無休
URL:http://www.goldwin.co.jp/tnf/special/tnf_play/
Instagram:https://www.instagram.com/tnf_play/


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