日常にスパイスを。

Contributed by Miyuki Matsui

Local / sep.14.2018

ここは代官山町。目立たない小道を少し入ったところに、小さなチャイ専門店「LIFE SPICE SHOP」がある。ここでは、店主の周東さん夫婦がインドで出会ったマサラチャイを再現した本格的なチャイを提供してくれるお店だ。


店内には小さなカウンターと、座り心地の良さそうなチェアが2つあるだけのひと休みに最適な空間。

「二人でインドを旅したときに、美味しいと思ったチャイに入っているスパイスを聞き歩いて、結局7種のスパイスに落ち着いたんです。ジャンジャー、カルダモン、シナモン、グローブ、スターアニス、ブラックペッパー、ナツメグ。LIFE SPICE SHOPのすべてのチャイは、この7種のスパイスをベースに作っています。」

基本のチャイは4種類。7種のスパイスがバランス良くブレンドされた、LIFE SPICE SHOPのスタンダード「original」。ジンジャーとペッパーがガツンと香り、身も心もじんわりあったかくなる「spicy」。甘い香りのシナモンやナツメグが効いていて、秋の夜長に片手に持ってお散歩したくなる「sweet」。そしてカルダモンのすっきりした風味が飲みやすく、周東さん夫婦が「夏は自然とこれを選んじゃうんです」と話す、残暑の残る今の時期にぴったりの「relax」。ここには冷たいチャイのメニューももちろん用意されているのだけれど、暑い日でもテイストを変えてあたたかいチャイを楽しむというのが面白い。

このお店では、注文を受けてから小さな鍋でチャイを丁寧に煮出してくれる。少し時間がかかるけれど、お客様にそうした「待つ」時間もゆっくりしてほしいという。

「インドにはチャイスタンドがたくさんあって、エスプレッソ用のカップよりも大きく、マグカップよりも小さな中くらいのカップに、熱々に注がれたチャイが出てくるんですよ。熱いからゆっくりしか飲めなくて、必然的にのんびり時間をかけてチャイを楽しむんです(笑)人口も多くて毎日忙しいインドのような国でも、そうやって「のんびりする時間」を大事にしていることがすごく魅力的に思えたんです。それはどんな国でも、どんな人でもできることですしね」


インドで実際に使われていたという古いカップ。インドでは来客者に配る「ふるまいチャイ」なるものがあるそう。

さらに、周東さんは続ける。
「いつもより1時間早く起きて、仕事の前にお気に入りのお店でお茶を一杯。今日はコーヒー、明日は日本茶、週一でチャイもいいかも。そんな風に、のんびりした時間を楽しむための選択肢のひとつとして、このお店を使っていただければうれしいですね」


店内には周東さんが世界中から集めてきた民芸品がセンス良く並び、不思議と自分もどこか違う国へ訪れたくなる。

毎年、必ず店を休みにして、どこか海外へ旅に出かけるという周東さん夫婦。
「僕たちにとってチャイっていうのは、旅の途中に感じる特別な気持ちを思い出すツールなんです。人生は、特別な旅の時間よりも日常の方が圧倒的に長い。だから、僕たちのチャイを飲んで日常をひと休みする時間にしてほしいし、ここで過ごすことで旅先での特別な気持ちを思い出したり、また旅に出ようって思うきっかけになってくれたら嬉しいなと思います」

旅に出るのはカンタンじゃない。スケジュールが、旅費が、と、一歩踏み出せない理由はいくらでもある。それでも、旅先で今まで見たこともないローカルな景色を前にして、出会ったこともない人々の生活を覗いてみることで、「旅って出てみたら意外とカンタンなんだ」そんな風に思うことって、よくあること。「LIFE SPICE SHOP」に来てみると、そんな特別な気持ちを思い出せるはず。

LIFE SPICE SHOP
〒150-0034 東京都渋谷区代官山町8-3 1F
https://lifespiceshop.com/

平日営業時間 9:00 - 19:00
土日祝日   11:00 - 19:00
定休日  月曜日(不定休)
※HP・SNSで事前にお知らせします。

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