「パティ・ケイク$」

TYPE OF MOVIE-映画を観る男と女-#2

「パティ・ケイク$」

Illustration:TOMIMURACOTA

People / may.23.2018

同じ映画を観ているのに、男と女で楽しみ方が全く違うことがある。印象に残っているシーンも、心に刺さったセリフも、劇中の曲に対する評価も違う。それなのに、意外と同じ場面で一緒に涙を流していたりして……。コンテナー初の映画レビュー企画「TYPE OF MOVIE」では、そんな男と女の感性の違いにフォーカスを当てながら、今注目の映画を紹介していきます!

【今回の映画】
「パティ・ケイク$」愛憎、野望、差別、貧困、葛藤、嘆き、愛、全てを詰め込み魂の叫びを歌う女性ラッパーのパティ(ダニエル・マクドナルド)。彼女はラッパーとして大成功する日を夢見るが、現実は……。そんなにうまくは進まない。金ナシで、職ナシで、しまいには周囲から「ダンボ!」と嘲笑されてしまう。そんな女性ラッパーが、人生の一発逆転を狙いオーディションに出場する。劇中音楽は全てオリジナル楽曲で構成され、圧巻のラップパフォーマンスがみどころの作品。

【映画を観た男と女】
男(27歳)/年間100作品近く観るほど、映画好きな男。休日は映画をひたすら観続けるか、日中から飲み歩くか、だいたい選択肢は2択。その生活ぶりから、本当に20代なのか? 実は中年ではないか? 周囲ではそんな疑問が起きている。ラップであれば、NasやPUNPEEなどの音楽が好き。

女(28歳)/「フィッシュストーリー」「アフタースクール」など、最近はテンポのいい”実はこうだった”系の邦画がマイブーム。シモキタ在住ゆえか、少しクセが強めの女。音楽の趣向に関しては、ゆったりしたい時はJAZZY HIP HOPが心地よいため好きで、気合いを入れたいときは強めのリリックものを好むそう。

【男と女の映画レビュー】
Q.「パティ・ケイク$」の魅力は?
/RAPのシーンはどれもかっこいい。ただそれだけではなくて、家族愛なんかも感じられるのが魅力かも。

/「家庭環境」「友情」「恋愛」「夢」、誰もが一度は頭を悩ませるであろう問題の中でもがくパティにいつのまにか感情移入してしまうところ。

Q. お気に入りのキャラクターは、だれ?
/母のバーブ。

/友人のジェリ。

Q. その理由と印象的だったシーンを教えて?
/決して良い母親ではないけれど、親子が通じ合っていることがよく伝わりました。パティの働くバーで歌うシーンが印象的だった。

/いつも最初は乗り気じゃないパティに自信をつけさせる彼のパフォーマンスがすごくいい。いつのまにかノリノリにラップをするパティを見て嬉しそうにする彼にほっこりする。個人的に性別を超えた友情がとても好き。車をとめて、パティと一緒にフリースタイルをするシーンが印象的だった。

Q. 劇中のラップで、あなたのNo.1パフォーマンスは?
/メンバーが揃って初めてのレコーディングシーン。これからすごいことが始まる。そんな予感がしました

/映画の中でも空気が変わるシーンでのリリックで、「チャンスがドアをノックしたら、力いっぱい開ける」。この言葉から自分で道を切り開こうとする強い意志となによりも緊張感がすごかった。

Q.「パティ・ケイク$」にキャッチコピーをつけるなら?
/「レペゼン負け犬。人生に食らいつけ」
どんなに最悪な状況でも、受け入れて、乗り越えていく。そんな強い気持ちをキャッチコピーにつけました。

/「諦めないってやっぱり強い」
”私は最高”と呪文のように自分に言い聞かせるシーンや、どんなにけなされても自分のラップに自信を持ち、諦めかけてもやっぱり諦められない、そんな葛藤しながらラップをし続ける彼女が最後に歓声を浴びる姿に、やっぱり諦めない人が最後は勝つんだと勇気をもらえた。

Q. この映画、どんな人におすすめ?
/音楽が好きな人、口喧嘩に強くなりたい人、現状に満足していない人。

/女性ならではの悩みも描かれているので女性に。パティとバーブの娘と母親の関係どころにはなにかと考えさせられます。

【そして、3人目(男)の映画レビュー】
「不甲斐ない現実から、早く脱却したい!」。この作品は、そんな若輩者ゆえに抱えてしまうような悩みや葛藤をベースにした青春ストーリー。主人公のパティは23歳。現状に不満を持ち、今の自分の姿に納得できていない。そんな彼女が腹の底に溜め続けている“鬱憤”を吐き出すように歌うラップは、どれもストレートで正直で力強い。そのパワフルなリリックは、観ている者の気持ちをスカッとさせてくれる。きっと男とか女とか関係なく、もっと頑張りたい! もっと自信を持ちたい! といった若者ならではの情熱に訴えかけてくるはずだ。その昔、とある著名な教育者が「少年よ、大志を抱け」と若者たちにエールを送り、野心を焚きつけた。「パティ・ケイク$」にも、そういった若い人たちの志を鼓舞するような力強いエネルギーがある。友だちでも、同僚でも、恋人でもいい。何かに向かって一緒に頑張っている“同士”と呼べる人と一緒に、この映画を鑑賞するといいかもしれない。鑑賞後にはきっと、お互いの団結心が以前より強いものになっているはずだ。個人的には、クライマックスのラップシーンの本当に最後の部分、じわっと鳥肌がたつほど興奮してしまった。

「パティ・ケイク$」
公開日:4月27日(金)
監督・脚本・オリジナル音楽:ジェレミー・ジャスパー
出演:ダニエル・マクドナルド、ブリジット・エヴァレット、シッダルタ・ダナンジェイ、ママドゥ・アティエ、サー・ンガウジャ、MCライト、キャシー・モリアーティ
提供:フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
原題:PATTICAKE$
© 2017 Twentieth Century Fox
http://www.patticakes.jp

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