my shoes vol.04

山田理喜のレザーシューズ

Illustration : Tact Sato

People / 2018.07.27

シューズを見れば、人となりがわかる。
歩き方だけじゃなく、日々の過ごし方や考え方によって、
足元のスタイルは無限に変化する。
“My shoes is my life”
そう、靴は、その人の生き方そのものだ。





ハレの舞台で履いた1足
今日履いているシューズは、とても思い入れのある1足です。約1年半前に結婚式を挙げたのですが、その時に履いていたシューズなんです。かしこまった結婚式ではなく、ガーデンウェディング形式のカジュアルな式だったので、雰囲気に合わせてタキシードではなくカジュアルな衣装、合わせるシューズもドレッシー過ぎないものを選びました。“forme”というブランドのもので、クラシックなフォルムの中に、エレガントさとかわいさが共存しているところが気に入っています。田舎の人が履いているような、どこか野暮ったい雰囲気もいいんですよね。
ちなみに、妻も僕と同じフォトグラファーです。大学卒業後に勤務したスタジオで出会いました。その時から10年以上一緒にいますが、今はお互いが自然な姿でいられる気の置けない関係です。2人にとってのお祝い事やイベントごと、ちょっと豪華な食事を楽しむ時なんかにこのシューズを履くことがあります。

レザーシューズを履きたくなる理由
普段から革靴を履くことが多いのですが、以前、あるスタイリストさんが言っていた「銀座は革靴を履きたくなる街」という言葉がずっと心に残っています。その方は銀座が好きでよく足を運ぶそうです。
僕はその言葉にとても共感しました。場所やシーンによって、「その時履きたくなるシューズ」があるのだと。革靴を履いて街を歩けば気分が上がるし、普段よりも歩き方を気にしたり、背筋が伸びたり、自分を見直すきっかけを与えてくれます。大人の街を歩くからこそ、革の靴を履きたくなる。1足のシューズを履くだけで自分が変われる気がするのです。なんか、ロマンがありますよね。
革靴は履き心地では、軽くて歩きやすいスニーカーにはかないません。レザーシューズは、長時間履けば疲れるし、雨に濡れてもいけない、それに手入れの手間もかかる。でも、僕はそんな不便があるからこそいいんじゃないかって思うんです。合理的じゃない分、自分と向き合うきっかけを与えてくれるから。

僕が表現したいこと
もともと叔母が写真館を営んでいたことから写真に興味を持ち、自然とカメラの世界へ入りました。子供のころから、歴史が好きで被写体の背景にある“時間”を表現することに興味がありました。それは写真だけでなく、シューズをはじめ洋服を選ぶ時も同じです。「流行っているから」とか「デザインが今っぽいから」といった理由ではなく、その背景にある“時代感”でモノを選びます。単に見栄えだけに注目するのではなく、世界観や物語を汲み取って自分なりに表現することを意識しています。

フォトグラファー:山田理喜
千葉県出身。大学卒業後、スタジオ勤務を経て長山一樹氏へ師事。2014年独立。現在はファッション誌を中心に広告やwebなどで活動中。


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