HERSELF #1

あのこのなかのわたし

Contributed by anna magazine

People / nov.20.2018

キャラクターやアイデンティティは大切だ。
でもその“自分自身”は、誰かから無意識に押し付けられたものになっていないだろうか?

いま当てはめられている社会のカテゴライズから離れて「自分ってどんなひとだっけ?」と考えてみる。自分で自分をまっすぐに見つめ直すのは難しくても、大好きな“あのこ”のなかにだったら見つけられるかもしれない……。

ここでは、自分が気になる作品のヒロインや、作中のセリフを通して浮かび上がる、いろんな“Herself”をご紹介します。

 

>>「Herself」についてもっと知りたい方はこちら<<


 




case.1
鈴木かれん(ヘアメイクアシスタント)
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いち子(映画『リトル・フォレスト』)
 

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Q1. あなたのことを教えてください。

鈴木かれんです。大学卒業後にファッション系のECサイトに就職したのですが、そこでヘアメイクという職種に出会って……「これが私の進みたい道だ!」と思いました。それで今のヘアメイクアシスタントにつながります。性格は良くも悪くも純粋だと言われます。でももともとは少し気が強くて……、今も時々出てくるのですが、この前は銭湯で知らないおばさんと喧嘩しましたね(笑)。

Q2. あなたのヒロインは?

映画『リトル・フォレスト』の主人公、いち子です。


いち子
いち子は20代半ば、逃げるように東京から、
生まれ育った東北の小さな集落に帰郷。
田畑を耕し、魚を捕り、時には自ら鴨もさばき、自然の中で生きるなかで、自らの道を模索する。
 

Q3. いち子とあなたは似ていますか?

いち子は東京から逃げたくて、でも他に逃げ場がなくて仕方なく故郷の小さな村に戻ってきたんですね。でも最後、もう一度ちゃんと前向きな気持ちで生きる場所を見つけるためにもまた東京に出て行くんです。そうやってまわり道をするけれど、最後は自分の道を決めるところ。決断したらすぐに行動できるところは似ています。

Q4. まわり道をしてきたんですか?

まわり道というか、前は道すら決まってなくて、なんとなく勉強して、なんとなく興味あるところに就職したので。でもそのときがなければ、いまやりたい仕事にも出会えてなかったので、振り返れば必要な回り道だったんだなと思います。

Q5. 作中で心に残っているセリフはありますか?


Q6. なぜそのセリフを選びましたか?

これはいち子の言葉ではなく、いち子の友人の言葉で。いち子は東京から故郷の小さな村に戻ってきて、スーパーもコンビニもない場所で、自然の中から日々の糧を得て生きている。その姿をひとつひとつ丁寧に描いた映画が『リトル・フォレスト』なんですね。わたしはその暮らしに憧れがあるんです。といっても、田舎で暮らしたいわけではなくて、東京にいるとなにも考えないで消費してしまったり、その何も考えていないということにすら意識がなかったりするじゃないですか? 自然と共存するためには感覚を研ぎ澄ませて、自らの経験と行動が重要であるように、都会の生活でもいつもちゃんと意識的でありたいと思うんです。何年か経った後に、中身のある言葉を言えるように。

 

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movie data

『リトル・フォレスト』
五十嵐大介による人気コミックを原作とした、都会では自分の居場所を見つけられなかった女の子が、全てを自分でやる自給自足の暮らしの中で、自分と向き合い、成長していく姿を描いた映画作品。主人公を演じたのはNHK連続テレビ小説「あまちゃん」などの橋本愛。監督は『重力ピエロ』などの森淳一が務めた。東北の四季の移ろいに合わせ夏編・秋編、冬編・春編の2部に分けて公開された。

 

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profile

鈴木かれん


1992年生まれ。ヘアメイクアシスタント。
Instagram:@karen___lemon


 

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