REI NOTE #5

思えば想いは伝わるもの

Contributed by Rei Honma

Trip / 2019.04.08

新卒で働き始めて約10年。結婚という人生の節目を迎えるタイミングで旅に出た本間怜さん。
彼女が目的地に決めたのは憧れのサンフランシスコ。旅連載「REI NOTE」では、その模様を月1回のペースでお届けします。


今でもその時の興奮を思い出せる程、鮮明に覚えている時間がある。それはNBAを観戦下絵時のことだ。

サンフランシスコにはゴールデンステートウォーリアーズというチームがある。どうしても生で試合を観戦したかったので事前に日本から予約してチケットを購入。日本の旅行代理店を経由して買うと手数料が発生しまうので自分で購入することにした。それでも今まで払ったことのない金額だったので少し躊躇したけど、思いきって購入することに。それ程見たかった。席は前から5列目程。選手が目と鼻の先に見える距離だ。

大学の専攻がR&Bやhip-hopなど、いわゆるアフリカ系アメリカ人をルーツとする音楽の研究だったので、それらの音楽と密接に関係のあるNBAを好きになるのは私にとってはごく自然なことだった。

電車でアリーナまで移動し、会場に到着。



周りはどこも地元のウォーリアーズのファンばかりで、お祭りみたいに賑わっていた。



グッズやご飯を売店で買い、席に向かった。隣はアフリカ系アメリカ人の男性。席に着いてから目が合いニコッとしてくれたので「ここには初めて来たの!そして私日本から来たの!」と話しかけると「おめでとう!よかったね!」と言ってくれた。途中で彼の友人も加わり、そこから日本の事、今日の試合のことを話していたらあっという間に試合開始の時間に。





試合の最中は夢の中のようで、あっという間に過ぎてしまった。試合の途中、フリースローが決まれば知らない者同士、前後左右でハイタッチ。試合に勝った瞬間は、何人とハイタッチしたかわからない。皆で1つのチームを応援し、チームの応援歌を一緒に歌ったり、こんなに一体になれたりするものなんだと思い、感動で胸がいっぱいになった。あの会場の一体感はずっと忘れないだろう。

試合が終わった後、隣の席の男性達と記念撮影をした。自分の知っている日本語で一生懸命に話そうとしてくれる彼らの気持ちがとても嬉しかった。その場で別れたと思ったらもう1度戻って来てくれて日本語で話しかけてくれたりと、とってもキュートな人達だった。

言葉の壁は当然あっても、お互いが伝えたいと思えば想いは伝わるもの。ただ、やはり母国語とは違い、歯痒さは感じるからこれからも外国語は勉強し続けたい。

旅に行く前と行った後では確実に自分の中に変化があって、成長できたと実感する。だから私は旅が好き。また一歩、自分の理想とする女性像に近づけた気がするから。新しい自分を見つけるために、これからも私は旅を続ける。


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