BLOWIN’ IN THE WIND

ロードトリップが教えてくれるもの

BLOWIN’ IN THE WIND

-DAY TRIPPER SOUTH CENTRAL 2018-

Contributed by anna magazine

Trip / 2018.09.25

2017年3月にリニューアルオープンしたFREAK'S STORE渋谷店。その1Fに併設されたギャラリー兼ポップアップスペース「OPEN STUDIO」が面白い。フリークスが提案する新たな価値を発掘・創造・発信し続ける独自の空間として産声をあげて以来、セレクトショップが集結する渋谷神南エリアの中でもひときわ注目度の高いスポットとして注目されてきた。有名無名関係なく、独自の視点でフィーチャーしたブランドやアーティストを通して、人と人、人とものを繋ぐプラットフォームになっている。

9月14日(金)より新たにスタートした企画は、フリークス・ストアを運営するDAYTONA INTERNATIONAL 代表取締役社長 鹿島研氏によるものだ。「BLOWIN’ IN THE WIND」、ボブディランの名曲のタイトルがテーマとなっている今回の企画は、鹿島氏自らアメリカをロードトリップした旅の模様を収めたもの。毎年恒例の企画で、今回で5回目の開催となった。実際にアメリカへ足を運び、その土地土地で出会ったヒト・モノ・コトを日本に持ち帰る。それは、フリークス・ストアの原点といえるスタイル。アメリカの豊かさ・ワクワク・ドキドキを伝えたいという思いで1986年に創業した同店だが、30年以上の時を経た今なおそのコンセプトは健在だ。社内だけにとどまらず、あらゆるお客様や関係する人々にその思いをオープンに伝える場として、この企画がスタートさせたのだという。

ロードトリップといえば、anna magazineが創刊から続けてきた旅のスタイル。会場内にある旅のルートマップを見るとanna取材班が旅したルートと重なる部分もたくさんあった。



今回の鹿島氏の旅のルートは、ジャズ発祥の地テキサス州の「ニューオリンズ」からスタートして「ヒューストン」、「オースティン」、「マーファ」を通り、アリゾナ州の「ツーソン」を抜けて、知る人ぞ知る”絶景づくしの町”「ページ」へ。感性を頼りにアメリカの各州をあえて宿も決めず、車で走り続けながら旅をする、通称"DAY TRIPPER"のスタイルで、旅を続けているそうだ。

この展示は、鹿島氏と現地の旅のパートナーとの果てしない旅の記録でもある。移動距離は、バイク1500 クルマ5000、トータルで4000マイル(6500キロ)。日本で例えるならば、北海道から沖縄までを往復してもまだ余る距離だ。旅で出会った人、もの、風景などを鹿島氏自信が撮りためた写真の中から、選りすぐりのショットが壁一面に展示・販売されていた。写真は全てモノクロ。一目見た時、そのモチーフが現代の風景とは思えないほど、どこか懐かしい印象を受けた。





これらの写真の風景や建物などは、変わりゆく最先端のアメリカではなく、変わらずそこにあり続ける昔ながらのアメリカの古き良き姿だった。見るほどに、切り取られた風景の中にどんどん引き込まれていく。

また、会場の中心テーブルには、旅の途中で鹿島氏が買い付けてきたローカル・グッズたちが所狭しと並んでいた。













男の子の永遠の憧れ、NASAグッズからバイクショップのオリジナルアイテム、カラフルなグラフィックが映えるポスターまで、いい意味で振れ幅の広いラインナップ。そのセレクトに、かっこいいだけではなく、ユーモアの効いたフリークスストアらしいアメリカの切り取り方を感じられた。

毎年アメリカの様々な地域を旅している鹿島氏。訪れる場所によって季節や時期を見定め、旅の計画を立てるとのこと。今回は、「夏のサボテンが見たい」ということで、8月の旅を決定したのだという。

「アメリカの空気、光、車、人、美しい風景、どこか懐かしい場所、知らない文化を肌で感じることができた旅で、何度訪れても新しい発見があるんだと、アメリカを旅する魅力を実感します。アメリカをロードトリップすると、単純に売るためのものではなく、自分たちが本当に好きなものをお客様にお届けしたいというフリークス・ストアの原点に立ち返ることができるんです。これからもそんな想いを大切に、旅を続けていきたい」と鹿島氏は語る。

聞くところによると、もうすでに次回の旅のプランも練りはじめているとのこと。フリークスストアの原点ともいうべきアメリカへの飽くなき探究心が、これからも鹿島氏を旅へと突き動かしていくのだろう。これからの旅、そしてその記録を、楽しみに待ちたいと思う。

展示での内容以外にも泊まったホテルやアメリカならではの食事風景など旅をリアルタイムでFacebookに更新していたそう。その記録は、ブログにもまとまっているのでこちらもチェック(http://kens-style.blogspot.com


DAYTONA INTERNATIONAL 代表取締役社長 鹿島研氏

「BLOWIN’ IN THE WIND」の開催期間は、10月8日(月)まで。写真をはじめ、現地でしか手に入らないアートやスーベニアなどを自らが編集した会場は、アメリカ好きならずとも必見だ。会場内の展示写真やアイテムは全て購入可能なので、この機会にぜひ鹿島氏の出会った旅のかけらを手に入れてみて欲しい。渋谷で買い物の際には、ぜひ立ち寄ってみてはいかがだろうか。

開催情報
「BLOWIN’ IN THE WIND」-DAY TRIPPER SOUTH CENTRAL 2018-
EXHIBITION & POP UP SHOP 9.15 sat - 10.8 mon
HOURS 12:00 - 20:00 (Weekend & Holidays - 20:30)

場所:OPEN STUDIO(FREAK’S STORE渋谷併設ギャラリー)
〒150-0041 東京都渋谷区神南1-13-1
TEL 03-6415-7728

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