Jean Jullien installation<br>“The Departure”

Jean Jullien installation
“The Departure”

Contributed by anna magazine

Local / 2022.10.28

PAPER PEOPLE物語 第3章のはじまり!


10月26日、GINZA SIXを象徴する巨大な中央吹き抜け空間に新たに登場したのは、世界各国で展示をしながらイラストから千変万化に作品を制作し続けるビジュアルアーティストのジャン・ジュリアンのインスタレーション“The Departure”。

老若男女を問わず、つい見入ってしまうジャンのカラフルなキャラクター“PAPER PEOPLE“の物語は、2021年に渋谷PARCOでの個展をきっかけに始まった。今回の展示は物語の第3章で、紙ではなく金属製の素材を使用したPAPER PEOPLEがGINZA SIXの空間で自由自在に飛び回るインスタレーションとして発表された。
今回のテーマ”The Departure”は、『出発』を意味する。ジャンの分身でもあるPAPER PEOPLEは、自分を生み出そうとしたクリエイターに見捨てられたことに気づいて、心細さを感じて、紙で仲間を生み出そうと閃く。そして、空飛ぶ紙の絨毯に乗って、世界を探検する旅へ出発するという、ストーリー性のあるメッセージが込められている。

コロナ禍によって、世の中は明らかにオンライン社会にシフトした。そんな中、作品をダイレクトに感じることができるこのインスタレーションはとても貴重な「体験」である。PAPER PEOPLEが乗る絨毯の裏には、ジャン自身の頭の中を可視化して、完璧なものはなく失敗したものも含めて、PAPER PEOPLEが出来上がるまでのプロセスが描かれている。まるで日々成長する人間のように。また、キャラクターの表情にも注目してほしい。例えば1番最初に生まれたという少し不安げな表情をしている青色のキャラクターは、「決してネガティブな不安を抱えているのではなくて、またここから出発して飛び立っていこうというポジティブな気持ちを持っている」のだという。PAPER PEOPLEは、物語によって、主役になったり脇役になったりする。現実の世界とは違い、紙の中はリミットのない世界。だからこそ実際の人間を見てPAPER PEOPLEが生まれ、逆に紙の中からも生まれる。PAPER PEOPLEは、失敗することを恐れずに、自由自在に表現することができると言う。漫画から強くインスピレーションを受けているというPAPER PEOPLEの物語誕生の背景には、ジャンらしいユニークで厚みのある文脈が存在しているのだ。
今回のインスタレーション「The Departure(出発)」の展示は、GINZA SIXにて2022年10月26日(水)〜2024年春まで予定されている。

©Jean Jullien courtesy of Nanzuka


ジャン・ジュリアン/Jean Jullien
ビジュアルアーティスト


2008年にロンドンのセントラル・セントマーチンズを卒業した後、2010年にロイヤル・カレッジ・オブ・アートにて修士号を取得。イラストレーターとして、New York Times、National Geographic、RCA Records、Le Centre Pompidou、Hermès、Petit Bateau、Vogueなど様々なクライアントに作品を提供する傍ら、ペインティング作品の製作も精力的に行っており、これまで世界各地で展覧会を開催。闘士星矢やドラゴンボール、シティハンターといった日本の漫画作品の数々や、フランスのバンドシネと呼ばれる漫画作品、フランスのポスターアーティストであるサヴィニャック、絵本作家のトミー・ウンゲラー、イラストレーターであり漫画家でもあるジュアン=ジャック・サンペなどからインスピレーションを受けている。ウィットに富んだ作品は、幅広いカルチャーから自然と育んだ創造性から生まれている。


Information

ジャン・ジュリアン インスタレーション
"The Departure"

展示場所 GINZA SIX 2F 中央吹き抜け(〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目10-1)
展示期間 2022年10月26日(水)〜2024年春(予定)
サイズ 高さ8メートル

主催:GINZA SIX リテールマネジメント株式会社
協力:NANZUKA

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