プロスクラッチャーにおれは、なる!

えもーしょん 高校生篇 #12

プロスクラッチャーにおれは、なる!

2013〜2016/カイト・高校生

Contributed by Kaito Fukui

People / 2020.02.11

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#12
「プロスクラッチャーにおれは、なる!」
(2013〜2016/カイト・高校生)

「あー、お金ない」

と、ケン

「最近、どうなの?」

と、ボク

「んーーーーーー、やっぱこの前はラッキーパンチだったかもなぁ」

「凄かったもんね…」

「やばかったよな。」

「結局、なにに使ったの?」

「彼女と、ディズニーランド行って〜
かいとと、焼肉行ったじゃん?
コンビニのエクレア在庫切れにして〜
新しい、バイク買って〜
欲しかったスニーカー買って〜
もう、なくなった!笑」

「やっぱり…」

「また、来月かな!」

ハマったなこりゃ。

あれは、ちょうど1ヶ月前のこと

「あーお金ない。やばい!」

と、いつものようにケンが

嘆いていた。

「働きなさいよ」

と、ボク

「いや、働かないでそこそこのお金が欲しい」

と、自慢気にケン。

「もう、宝クジじゃない?少し、働いて全力で使ったら?笑」

と、本当に、何も考えず

言ったこの言葉が、

まさか、まさか、のことになるとは…。

それから数日後

ボクは、家のソファで

ドラマの再放送を見ながら

うとうとしていた…。

ちょうど、寝落ちするかしないか

そんな境目をウロウロしていると

〜♪〜♫〜🎶

携帯の着信音が鳴り、少し目がさめた。

見てみると

「ケン」

あぁ、いいや。

どうせ、「今日、学校こないの?」

とか、そんなもんだろう。

そう思い、マナーモードにして

電話を切った。

すると、その5秒後

また、携帯の着信音が。

見てみると、

「ケン」

またかよ…!

渋々、出る

「はーい、どうしたー」

と、ボク

「やばい!やばい!きた!!!」

と、やけに嬉しそうに興奮しているケン。

「なにが、どうした」

「当たった!!!宝クジ!」

聞きなれない、その言葉に

ボクは、一気に目が覚める。

「え!!!!!!!」

「やばいよ!」

「落ち着こ、1回、落ち着こう。」

「いくら、当たったの?」

「10万円!」

「10万円かい!!!!」

「何億かと、おもったわ!」

「いや、違う!!!」

「10万円が、2枚!」

「あぁ、そうか…」

「おやすみ〜」

10万円かよ。

10万円なんて、一瞬だろう。

なんだよ。

と、少し期待して損したように

眠りについた…

気持ちよく、寝ていると

ピーンポーン、ピーンポーン

家の、インターホンが鳴った。

いや、まだ寝る。

と、居留守を使っていると

ピーンポーン、ピーンポーン

ピーンポーン、ピンポン、

ピンポンピンポンピンポンピンポン

んだよ!!!うるせーーーー!!!!!

寝ぼけながら、はーい

と、玄関を開けると

そこに、いたのは

ケンだった。

はぁ。

こりゃ、もう寝れないな…。

「なに、どうしたのよ」

「当たったんだよ!宝クジ!!!」

「うん、知ってるよ。さっき聞いたよ」

「違うよ!当たったんだよ!」

「いや、だから知ってるよ!!!」

「聞け!!!!!!」

「お、おぉぉぉおぉぉ」

「当て方が、わかったんだ。」

やばい、やつが来た………。

続く


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