ジングル

えもーしょん 高校生篇 #64

ジングル

2013〜2016/カイト・高校生

Contributed by Kaito Fukui

People / 2020.12.24

プロサーファーの夢をあきらめ、今はイラストレーターとして活躍するKaito Fukuiさん。小学生から大人になるまでのエモーショナルな日々をコミックとエッセイで綴ります。幼い頃から現在に至るまでの、時にほっこり、時に楽しく、時に少しいじわるで、そしてセンチメンタルな気分に包まれる、パーソナルでカラフルな物語。

小学生篇、中学生篇、高校生篇、大人篇。1ヶ月の4週を時期ごとに区切り、ウィークデイはほぼ毎日更新!



#64
「ジングル」
(2013〜2016/カイト・高校生)

クリスマスの夜に、あま~いひと時を過ごしたい。

あま~い、あま~いひと時を

ただ、微妙にモテるのかモテないのか

モテ期なのか、どうなのかいまいちパッとしないボクは

高校3年の冬、クリスマスに備えて3人の女の子と付き合った。

クリスマスが近かったせいなのか

ちょっと気になっていた女の子に、「好きなんだ!!!」と伝えたら

3人は、すんなり受け入れてくれた。

あっちゃんは、「え、うちも」と

みっちゃんは、「わ、私も」と言い

こっちゃんは、「うん、ありがとう」と言った。

あれ、こんなに簡単に彼女って出来るんだっけ…?

もしかして、モテてる???

なーんてすっかり勘違い野郎に…

2、3日浮かれポンチで居たいけどそうも言っていられない

なぜなら、今日はクリスマスイブ

今宵のために口説き文句までしっかり考えている。

「ボクとジングル鳴らさない?」

「ジングルナイトどう?」

「クリスマス、1人にさせないよ?」

ホストも出来そう!!!

ケーキも小さいものを買ったし、プレゼントも一応

3人のうちだれに渡してもいいように買っておいた

たった一夜のチャンスのためにここまでお金と時間をかけて用意したのだ。

あぁ、どうする?

透き通るような透明なお肌、茶色い瞳、綺麗な黒髪のあっちゃん

優しくて、アイドルみたい…。

みっちゃんは、地元のヤンキー感が強く心強いお姉さん系。

こっちゃんは、全体的に雰囲気が可愛いけど性格が合わない

ツンデレなのは知っているけど、ツンデレのプロと言うべきだろうか

ツン9割、いや99%もしくはそれ以上。

うーーーーーーーん

安定なのはあっちゃんだけど…

この際、みんなで過ごすのもアリかもしれない

もれなく、ボクはリンチに合うだろうけど

でも、本当にこの案はいいかもしれない。

どうする?

ジングルナイト、どうする?

充電が切れていた携帯が復活

すると、ピロロロロロロロロロロロロロロローーーーーン

鳴り止まない、ラインの通知音

ロックを開きたいけど、通知が鳴り止まず開けない…

一瞬の隙を見て、なんとかロックを解除。

すぐにラインを開くと、まさか

3人がグループラインを作っていた…

グループ名は「殺ふくいかいと」

あぁ、サンタさん…


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