Mimu Note #7
キューバへ。
Photo & Text: Mutsumi Mimura
Trip / 2018.10.29
同じフロリダでもこんなに遠いなんて……。
ロードトリップが始まって1ヶ月。
運転の疲れもそろそろ限界だったけれど、そんなことも言っていられない。
(しっかり寄り道もしながら)とにかく前に進む。
マイアミまで急いでいるのには理由があった。
せっかくマイアミまで行くのなら、目と鼻の先にあるキューバに行きたかった。
というわけで、思いつきで
キューバ行きの航空券を買ってしまった。
なんとかフライトの時間には間に合ったけれど、
キューバのことを何も調べる時間もなく飛行機に乗った。
この先はもうネット環境のない国。
どんな旅になるんだろう。
ハバナに到着して空港を出たら
噂には聞いていたカラフルなクラシックカーがたくさんある。
本当にキューバに来ちゃった……!
クラシックカーのタクシーに乗り込んで旧市街まで行く。
キューバといえば、モヒート!
とりあえず適当なお店に入ってモヒートを頼む。
暑くてジトジトしている気候のせいで、一瞬で飲み干してしまった。
その日の宿も決まっていなかったので、まずは宿探し。
アンナマガジンで見た「ヨハンナの家」を探して歩く。
やっとの思いで見つけて宿にチェックインする。
ちょっと想像と違うなあと思っていたら「ヨランダの家」だった。
間違えてしまった……。
でも部屋はとても綺麗だし、シャワーはお湯が出るし、オーナーは優しい。
2泊3日ここでお世話になることにした。
それから日本人の旅人たちが書き残した情報ノートがあるという宿「ホアキナの家」を目指した。
聞いていた住所のまわりをウロウロしたけれどいつまでたっても見つからない。
ネットが繋がっていてグーグルマップが使えたら、こんなことにはならないのに。
歩いていた日本人の旅人に声をかけたら、一緒に探してくれた。
彼も何の下調べもなくキューバに来てしまったらしい。
すんなり宿は見つかって、情報ノートを読んで何をしようか決めた。
ハバナからバスで20分のコマヒルという漁村に、ヘミングウェイが行きつけだった海沿いのレストランがあるので行ってみた。
キューバで食べるご飯は正直あんまりだったけれど、ここのレストランはとても美味しかった。
騒がしいハバナとはまた違って、静かでのんびりとした村だった。
ハバナに戻ってからは、
仲間が増えたり減ったりしながらモヒートを飲み歩いて過ごした。
社会主義国キューバ。
声をかけられて一緒にご飯を食べたキューバ人は「早くこの国を出たい」と言っていた。
アメリカとの国交はまだ回復していないけれど、やたらと星条旗の服を来ている人を見た。
「アメリカのことは好き。アメリカに行ってみたい」
そうヨハンナも話した。
ネット環境はほとんどないけれど、Wi-Fiが繋がる場所が少しだけあって、そこにはスマホを持った人たちがたまっていた。
キューバの陽気で優しくてスローな豊かさは、私を幸せな気持ちにしてくれたけれど、
何だか2泊3日では整理しきれないことがたくさんあった。
また来よう。今度はゆっくり。
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Mutsumi Mimura
1991年 茨城県生まれ。大学卒業後、看護師に。 社会人3年目のときに写真の道に進むことを決意。