This Time Tomorrow #9
Thailand / Chainmai
Thailand / Chainmai
Contributed by Natsumi Chiba
Trip / 2019.03.25
チェンマイに着いた翌朝、旧市街内へ散歩にでかけた。チェンマイはタイの第2都市と呼ばれており、四角に区画された旧市街内に観光客が集まってくる。
朝はとても静かで、観光地であることを忘れてしまうくらい。慣れてくると何でもない風景だけれど、道端に無造作に干された誰かの洗濯物や、大きな荷物を抱えながら走るおじさんに東南アジアにいることをリマインドされる。
てくてく歩いていくとローカルの人が集まるお店を発見し、朝ごはんを調達。カメラを向けると静かに笑う優しい彼女の笑顔にほっこり。それだけでもうチェンマイが好きになる。
もう使われていないであろう公衆電話やローカルハウスの古びた佇まいに、「旧市街」の時間の経過を感じる。 おしゃれなカフェやレストラン、ホテルなんかもたくさんあるけれど、新しいものと古いものがバランスよく共存できているのがこの街のいいところ。
「チェンマイはまぁまぁだったよ」と言う旅人には会ったことがない。行く人行く人みんな好きになる街だという。都会すぎて忙しいわけでもなく、田舎すぎて不便なわけでもなく、全ての人のちょうどいいポイントを押さえているのが、みんなを魅了する理由なのかも。
オーストラリアに1年間ワーキングホリデーで住んでいたときのことを思い出した。
仕事をしながら色んな場所を転々と移動して、バランスをとることってとても難しいと感じていたのだ。
私にとってのバランスというのは、好きな場所で好きな仕事をして、好きな人達と一緒に居ること。
シンプルで簡単なことのようだけど、なかなかパーフェクトなバランスは見つけられなかった。
自分が好きだなと思った場所にずっと居続けることももちろんできたけど、せっかくオーストラリアにいるのだからと新しい出会い、新しい場所を求めて旅をした。行ったことのないところへ行きたい。
その気持ちは今も変わらない。
旅の仕方はそれぞれで、お気に入りの場所へ何回もリピートするタイプの人もいる。正直今までは、リピートばかりする旅は勿体ないと思っていた。もっと新しい場所へ行けばいいのに、と。でもチェンマイに来て、気に入った場所があるならそこへ素直に戻るのもいいな、と思えるようになった。
一回行っただけでは知ることのない、その場所の素敵な秘密や場所、出会いがリピートすることによって、そうしたものが、ゆっくりと自分のものになっていくはず。帰る場所が増える感覚を味わってみたい。
この旅が終わっても、心が赴く方向へただ身を任せるだけ。それが新しいところへ進むのか、戻るのかはまだ私にも分からないけれど、私にとってのバランスの良い場所をゆらゆらと探し求め続けたい。
みんなのスイートスポットである、チェンマイの街のように。
To Be Continued.
BGM: Take Me Home, Country Roads / John Denver
アーカイブはこちら
Tag
Writer
-
Natsumi Chiba
神奈川県茅ヶ崎在住。20歳のときにいったオーストラリア留学がきっかけで旅にハマる。最近はジャンクのフィルムカメラで写真を撮り始める。好きな音楽はレゲエなど。