This Time Tomorrow #15
仲間探し
Myanmar / Hpa-An
Contributed by Natsumi Chiba
Trip / 2019.06.18
ドライバーが降りて彼女と何やら話しているようだった。
私はこの道中を共にできる仲間が増えたことに嬉しくなった。
ドライバーが席に戻り、車を出した。彼女はまだ外にいる。
「彼女乗らないの?」と聞いてみると、「ノーマニ―ノーマニ―」と言っていた。
どうやらこれはあくまでタクシーであってお金を払う人のみ、ヒッチハイカーは乗せないみたい。すこしがっかりするも、パアンに行けば彼女のようなバックパッカーも居るのかとなんだか安心した。
ミャンマーの道路状況はかなり激しく、デッコボコの道に濃い砂埃が舞う。右ハンドルで右側車線を走り、ウィンカーの出し方も私たちが普段しているやり方とまったく違い意味不明。道幅がせまいところも多く、なのにがんがん追い越しをしていくものだから本当に恐ろしい。
途中ドライバーがお菓子を買いに寄り道をしたり、チェックポイントと呼ばれる警察(?)が居るところでパスポートのチェックをされる。1時間も走っているとおしりがかなり痛くなってきた。
途中でまたドライバーが車を停めて今度は洗車を始めた。砂埃を浴びた車体をホースで洗っている。まだこの先も砂埃だらけになりそうな道が続いているけどそれでいいんだ、きっと。今洗いたいんだろう、とにかく自由だ。
ふと、後ろに停まっている軽トラをみると、あのヒッチハイカーの彼女が乗っていた。
荷物を下ろし、このミニバンへ向かってくる。
彼女はフランス出身のマノン。友達がミャンマーでヒッチハイクをしてすごく楽しかったと言っていたから自分もやってみたかったんだと話していた。さっきまで乗っていた軽トラは途中までしか行かず、タイミングよく来たこのミニバンに結局乗ることになったみたい。
彼女はミャンマーに来る前にインド、ネパールを旅していたそうで、特にネパールを物凄く気に入って半年くらい居たらしい。そういえばパイで会ったアッシャーもネパールは最高だったと言っていた。いつかエベレストをこの目で見てみたい。東南アジアの次はネパールに行きたいなと頭にふんわりと浮かぶ。彼女と今までの旅の話しをして暑いミニバンの中を楽しく過ごしていたら、あっという間にパアンに着いた。
チェックインを済ませ、来る途中で見かけたマーケットへ行ってみることにした。
ナマモノもたくさん並んでいて、もちろん氷で冷やすなんてこともせず、気温も日本の夏並にあるし大丈夫かな?と思ってしまうけど見応えは抜群。何より人が本当にフレンドリー。私が「ミンガラバー(こんにちわ)」と話しかければみんなニコニコして返してくれる。
ビニール袋をつけた棒を振り回してハエ除けする
辺りによどむ生臭い匂いは、「ミャンマーにきた!」という名前で私の頭のなかにある香りの引き出しに仲間入りした。きっとこの匂いをどこかで嗅ぐたびに、ミャンマーを思い出すだろう。
さて、明日はどうしようかと鼻をつまみながらマーケットを後にした。
To Be Continued.
BGM : Cock Mouth Kill Cock / Justin Hinds & The Dominoes
アーカイブはこちら
Tag
Writer
-
Natsumi Chiba
神奈川県茅ヶ崎在住。20歳のときにいったオーストラリア留学がきっかけで旅にハマる。最近はジャンクのフィルムカメラで写真を撮り始める。好きな音楽はレゲエなど。