TRAVELER’S CONTAINER #25

TRAVELER’S CONTAINER #25

「何もしない」を実行する旅

Contributed by Lina Nishida

Trip / 2019.11.21

“TRAVELER’S CONTAINER”は、旅の途中で手に入れたいろいろな物を詰め込んで思い出をパッケージする箱。100人いれば100通りの旅があるように、思い出も中身も様々だ。この箱は、その人の旅を映し出す鏡。箱を覗けば、再びあの光景がよみがえってくる。思い出の品々を通して、旅人の足跡を辿っていく。


TRAVELER’S CONTAINER TRIP STORY
Oct.19-23.2019
Bali Island,Gili Meno Island,Indonesia
Lina Nishida



1:コンビニで見つけた現地のポテチ(左:タロ芋、右:キャッサバ芋)
2:ウブドのマーケットで見つけたガウン
3:2人でお金を入れあって管理していた共通財布
4:インドネシアのルピアと乗換時に使ったフィリピンのペソ
5:バリのオーガニックコスメ「ウタマスパイス」のリップクリーム
6:旅先にも持っていける小さな香水
7:移動中に聞く用のイヤホン
8:バリの香りがするルームスプレー
9:バリ島っぽい場所で撮影したチェキ
10:バリ島のマーケット「LOVE ANCHOR」で買ったお揃いのブレスレット
11:ヴィラの近くのコンビニで売ってたビーサン
12:ギリ島の海辺から持って帰ってきたサンゴ
13:ギリ島のヴィラで受け取った支払い伝票

<About Trip>
①旅した場所と期間を教えて。
インドネシアで4泊(バリ島2泊/ギリ島2泊)
Bali Island 2019/10/19~20
Gili Meno Island 2019/10/21-23

②今回の旅を一言で表すと?
「何もしない」を実行する旅。
休みの日に「今日ゆっくりできたな~」と思える日って時計をあまり見ない日だと思っていて、今回の旅で「それは旅でも一緒だよな」と思った。スケジュールに左右されず、思うがままに行動する。やっぱり旅行へ行くと「どうせなら、こっちもあっちも行きたい」って思っちゃうけど(そういう旅行も好きだけど)、今回は予定を決めすぎない旅行を実行。ヴィラで音楽聴きながらゴロゴロして、お腹減ったら近所でごはん食べて、お散歩しながら帰って。旅先で「特になんにもしない」って、こんなに贅沢な時間なんだなぁと知ることができた。特別なアクティビティもしてないし、インスタ映えなお店にも行ってないけど、日常に近い平凡な旅がすごく楽しかった。これって28歳の今だからこそ思えることなのかも。

③旅に欠かせないものは?
音楽。
飛行機に乗るのがいつも怖い…。「今落ちたらまだ骨折ぐらいで済みそう、あー、この高さまで来たらもう助からないな」とか考えてしまって。でも音楽があればその怖さが和らぐ、というのが一つ目の理由。あともう一つは、旅先のBGMを楽しみたい!という理由で音楽が欠かせない。旅先のイメージや気分にマッチした音楽を友達とかけあって楽しむのが◎。起床時、メイク中、ナイトアウト前、寝る前とか、シーンごとのお気に入りの音楽を一緒に聞くと、帰国後もその旅をレぺゼンする曲として残っていくのが好き。今回の旅で一番聴いたのは、バリ島(チャングー)だけにFKJ 「Canggu」、ギリ島ではHAIM「Summer Girl」かな。この曲を聴くたびにバリでの色んなシーンが頭に浮かんでくる。たぶんこれは5年後聴いても同じのはず。

④旅先でお気に入りのスポットは?
ギリ島の海辺。
ひとつに絞れない…!そこで見たサンセットは写真のように記憶に残っているし、海辺にあるレストランでの思い出もたくさんある。レストランのお兄ちゃんは日本語の歌を歌って楽しませてくれて、夜は地元バンドのライブがあって、お客さんで来ていたスーパー元気なマダムやカップルたちと一緒に踊った思い出を全部含めて「ギリ島の海辺」がお気に入り。やったら私たちのご飯を奪いに来る猫ちゃん、元気かな~。

⑤どんな人々との出会いがありましたか?
見ず知らずのアジア人を信用してくれるギリ島の人たち。
「バリ島」→「ギリ島」の移動のどこかで、スーツケースに入れていたお金が盗難に遭ってしまって。ギリ島のヴィラで支払う予定の宿泊代が消えてしまうという事件が発生しました。(支払いは現金only)空港に着いて「よーし!これからヴィラに行くぞ!」というテンションの中そんなことが発覚して、気が動転。そしたら空港にいた地元のタクシードライバーのおじちゃんたちが集まってきて心配してくれて。とりあえず現金がなく、タクシーに乗ることもできない、ヴィラの宿泊代も支払えないということをヴィラのオーナーに電話しました。そしたらオーナーが「No problem, It’s ok.」って、何の躊躇も怒りも疑いもなく言ってくれて、それが本当に嬉しかった。「本当に?」って疑うのが普通なのに、会ったこともない私たちに「お金は大丈夫だから。とりあえず今日はもう夜が遅いから、明日朝ごはんを食べてから一緒に解決策を考えよう」って仏様みたいな優しい声で安心させてくれて。地元のタクシードライバーさんたちも一緒に喜んでくれて、最悪な出来事が一気に幸福感のある旅の始まりに変わりました。

⑥このBOXにタイトル又はテーマをつけるなら?
Meets “Summer Girl”
バリにいた私たちは、水着の上に1枚ビーチガウンを羽織って、ビーサン履いて、チャリでプラプラしてポテチ買って、、すごく“Summer Girl”っぽい気がするから。

⑦旅するとき必ず毎回持ち帰ろうと決めているものは?
ご当地マグネット。
冷蔵庫に増やしていってます。マグネットいっぱいにしたい!

⑧旅のだいごみはなんでしょうか?
人との出会い。新しい気付き。
やっぱ小さな島国に留まってたら視野が変わらない。それはそれで悪いことじゃないけど、自分が知っている範囲の世界しかないってちょっと寂しい。同じ時間を共有している別世界ではこんな生活スタイルで時間が流れているんだな~って思うと、ちょっと自分の中の世界が広がった気がする。

⑨目的地を選んだ理由を教えてください。
「Back to the Nature」
今回の旅のテーマは「Back to the Nature」。
文字通り自然を感じる旅にしたいね、と話していて、日本では見ることができない大きな葉っぱが付いた熱帯雨林があるバリ島の景色に惹かれて、バリ行きを決めた。

⑩旅先で印象に残っているアイテムのエピソードを教えてください。
ウブドのマーケットで見つけた10万ルピア(約700円)のビーチガウン。
前述の盗難が起きる前から、他のトラブルもあってショッピングに対してはかなり保守的になってた。でもウブドのマーケットで売られているものは「買ってもいっかな」って思える金額感で、道端に並べられていたガウンが気になっちゃって、一人10万ルピア(約700円)まで値段交渉してゲットしました。縫い方とかすごく雑だけど、それがバリっぽくて気に入っています。約700円のガウンだけど、これのために散々2人で小さーい鏡を見ながら、「この色は私たちに似合いすぎてて逆にダメだよね」みたいな会話をしながら、いつもは着ないけど自分たちっぽいデザインのガウンを2人で決めたから、すごく愛着があります。また違う旅先でも一緒に着たいな~。

⑪感動したことや衝撃を受けたことなどがあれば教えてください。
ポテチが衝撃おいしい。
バリのコンビニでもスーパーでもどこでも売っている「キャッサバ芋のポテチ」がめちゃめちゃ美味しい。キャッサバってタピオカの原料になっている芋というのは知ってたから、タピオカ好きの自分はコンビニでこれ見つけて即買い。そしたらめっちゃめちゃ美味しくて、2日で5袋ぐらい食べてた…。日本のよりも歯ごたえあって、お芋の甘さを感じるテイスト。「ハッピーターン」のハッピーパウダーみたいな甘じょっぱさがやばい。タロ芋チップスもあったし、もっと買って帰れば良かった案件。

⑫今回の旅はあなたにとってどのようなものになりましたか?
やさしさのループに入った。
トラブル続きの旅だったからこそ沁みてくる、人のやさしさを感じる場面が多かった。たぶん同じようなトラブルが日本で起きても、自分でどうにかできちゃうから、ここまで優しさが染みていないはずで。バリでは「私たち日本に帰れるの?!」レベルまで陥ってた。そんな誰にも頼れない状況って日本でなかなかないし。そんなときに受けた優しさとか信用だから、自分も同じことをしてあげようって気持ちになれたと思う。なにか困ってそうな外国人観光客がいたら、声かけたいなって思ったり、バスの運転手さんには「ありがとう」って言いたいなとか。。ありがちな話だけどやっぱり自分の経験として腑に落ちた感がある。旅先で私たちに優しくしてくれた人たちも、同じように誰かからの優しさを受けたのかな、と思うと”優しさのループ”みたいなものに入った気がする。このバトンは繋がないとなぁ。


ウブドにあった手作りジャム屋さん。@Confiture de Bali


ヴィ―ガンなバリ料理が詰まったランチプレート@Earth Café&Market Ubud


バリ島のサンセット。時刻は17:55。地元の人も集まってた。


目覚めてヴィラの外にあるソファで一息。そこからの眺め。


噂のキャッサバチップス。こんなに買ったのに飛行機に忘れてきた…涙


100年前にタイムトラベルしたかのような別世界。ギリ島。


チャリ爆走したあとに飲むコーラとポテチが最高にうまい。

Profile
Lina Nishida
1991年生まれ。エンタメPR。月曜日の楽しみは「しいたけ占い」。この旅に行くために節約したもの:新しい水着。冬の音楽フェス。
IG: @linaaayy


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