両替

unusual #3

両替

Sri Lanka

Contributed by YUKA

Trip / 2019.11.28

東京で暮らす日々の中で、心に少しでもゆとりをもって生活できるように、刺激を求めて世界各国を旅してきたYUKAさんの旅連載「unusual」。“非日常生活での経験は、わたしの暮らしへのスパイス”と語る彼女が旅の中で見て、知って、感じたことをフィルムカメラで撮りためた写真とともにお送りします。


#3

レートが悪い空港では必要最低限の両替しかしなかったので、地元の両替所で持っている円をスリランカルピーに変換する必要があった。

レセプションの人に場所を教えてもらって、Maps.meというアプリを頼りにその辺りへと向かった。
Maps.meは事前にその国をダウンロードしておくと、GPS機能でオフラインでも地図上で自分の居場所がわかるという優れもの。

場所は確かにここであるはずなのに、電気屋とジュエリーショップとカフェしかない? 電気屋さんの奥にあるのかな?

お店が少なすぎて、逆に難しい。

しびれを切らして電気屋の店員に聞いてみると「うちの隣だよ!」と教えてくれた。

まさかここが両替所とは到底思えない。


(フィルムカメラで丁寧に撮っている余裕なんてなかったとっさの一枚)

小さな黄色い文字でMONEY TRANSFERと書いてあるのを見つけた時には、おもわず笑ってしまった。

銀行のような、ATMのような、そんなイメージを勝手にしていたわたしが悪い。

この店は、質屋兼両替所だ。

恐る恐る店内に入ってみると外国人が珍しいのか、頭のてっぺんからつま先まで舐めるように見られ、店員に円をルピーに変換したいと伝えると、「ジャパニーズイェン」とだけ復唱し店の奥に案内された。

奥の部屋には小さな小窓があって、そこからおじいちゃんがひょっこりと顔を出した。

おそらく彼はガンジーだ。紛れもなく。

英語が堪能なおじいちゃんが慣れた手つきで、円をルピーに変換してくれた。そして、最後に思い出したかのように飴までくれた。

なんだか独特のピリピリ感が病みつきになる飴だった。

***

スリランカに到着してからはバスとトゥクトゥクしか乗っていなかったので、電車に乗るのは初めて。

Weligamaというサーフポイントが隣町にあるらしく、電車に揺られ行ってみることにした。





時刻表のなんとまぁクラシックなこと。

電車は等級ごとに値段が分かれていて、1等は一人一人の席が確保されていてエアコンもついる快適車、2等はエアコンは付いてないけどファンが回っていて、3等はエアコンもファンもついていない。

まずは3等車から試してみることに。きっと窓を開ければそんなに暑いことはないはず。





1等車はやっぱりツーリストが多いみたいで、地元の人たちの日常を垣間見たいのなら3等車に乗るのがオススメ。

ローカル列車だったからか、そこまで混雑していることもなく、家族連れや1人で乗っているおじさん、お姉さんがちらほら。

この人にはどんな日常があるのか、じっと観察しては想像するのが電車に乗っている間の楽しみになった。

薄紫色の厚紙でできた切符がなんとも可愛くて、改札を出る時に「もらってもいい?」と駅員に尋ねると物好きだなぁという顔で見られた。

Weligamaに到着した。





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