物語は突然に。

Own Beautiful Adventure in CA #1

物語は突然に。

Contributed by Nachos

Trip / 2020.01.21

世界中の国々をサーフトリップしながら、女性にフィーチャーした"saltybabe photo"を撮り続けている、フォトグラファーNachosさんの旅連載「Own Beautiful Adventure」。シリーズ3回目となる今回は、California弾丸トリップの模様をお届けします!

#1

LAXのArrival出口のドアから勢いよく外にでて、待ち合わせの7Cの柱を目指しスーツケースをガタガタと勢いよく引きながら歩く、いや、小走りする。

数日前、意思とは裏腹にネガティブな事態に陥ったとはいえ、来週にオーストラリア行きを控えているのに。明日ランチの約束があるというのに。ヘアカットする予定もあったのに。今まさか成田空港へ向かう新幹線の中で飛行機のチケットを取るという行動に出るとは想像もしてなかった。

でもこういうのは嫌いじゃない。むしろワクワクする。
(と言いつつ先ほどまでESTAがちゃんと降りるかどうかドキマギしてテンパっていた小心者は誰でしたでしょうか…)



急いで家を飛び出してきたのだから靴のチョイスを間違えて履いてきてしまったのが気になって仕方がない。朝から頭の中が少しコンフューズしてたなとクスッと思い出し笑いをしてしまう。

”暮らすように旅をする”と”冒険心をくすぐられるような旅”がしたい。
となんとも欲張りな考えを持っている私。

LAXについてまず現地の携帯電話のSIMを買いに行く。(私は現地のSIMを買って入れ替える派!)
大きなスーパーやモールにあるモバイルショップに行けばすぐSIMを変えてくれてアクティベートまでしてくれるんだから本当に便利。
この無意味な感じの浮かれ具合といったら!



携帯も無事にセットアップが完了し密かに心の中でガッツポーズをしたところで、友達が「お気に入りのお店があるから行こうよ!」と連れてきてくれた。
お店の駐車場につき、お店まで歩き始めると誰かが友達を呼び止めた。
どうやら友達らしい。当たり前だよね。うん。
「初めましてー!!」とハグをする。
「◎△$♪×¥●&%#?!今から近くの公園に移動するからもしよかったらハングアウトしようよ!」(最後のこれくらいだけ私の頭で理解完了。それ以外はビタ一文聞き取れなかった。いやもっと頑張れ私)
と言って颯爽と自転車に乗って、彼は去っていった。

お店に入ると中の様子が少しおかしい。
よく見るとお店が棚卸し作業中ー!!ズコーッ!
さっきの彼が言っていた意味を今更ながらに理解し、飲み物だけ買って彼のいる公園へ向かった。

公園はとても広く、立派なパームツリーが立ち並び、中央にある大きな池にこれまた大きな噴水があり、青々と茂った芝生の上には思い思いに過ごしている人たちがいた。



昼間からビールを飲んでチルしている彼らを見つけ、仲間に入れてもらう。
もちろん私も彼らに習ってペーパーバックにビールを忍ばせているんだ。へへへ。



少しジェットラグで頭がボーッとしてるけれど心地が良い。
目の前にはドラゴンボールのファンで悟空になりたいであろう青年が必死に修行をしている。しばらく彼を眺めていると通りすがりのおじいさんが青年に真剣にアドバイスをし始めた。悟空はそんなおじいさんに困惑しながらも修行を続ける。やはり精神と時の部屋は必要な所だったと今更納得。
そんな彼らを見ていたら「私もさ、もっと自由にいていいんだね…って。
数日前の落ち込んでいた私に見せてやりたい」と真剣に思った(切実)
でも、このタイミングで彼らに出会ったことは意味があるんだろうな。きっと。とこういう変な所だけ無駄にポジティブに考えてしまう。

ラージ缶も空になり、少し日が陰り始めて肌寒くなってきた。「みんなにまたね!」といい、近くのコインランドリーへ。



コインランドリーでは定番の写真を撮ってみたり、車のトランクを開けて座り街の様子をボーッと眺めたり。トイレに行きたくなったら近くのカフェに堂々とお客さんのように振る舞ってそっと行ってみたり。

LAXにきて最初の行動がこの流れ? はて? と思う人もいるんだろうけど、私にとってはこういうのが心地良くて楽しい。



「海でサンセットを見よっか」ってことになったんだけど、夕方の渋滞で間に合わなかった。けれど、途中の車の中からこれぞLAXっていう帰宅ラッシュのフリーウェイの景色を見ることができて、満足したところでベニスビーチにたどり着いた。



「私ディズニーランドに来たんだっけ?」と勘違いしてしまうような電飾がキラッキラしているお店に入る。



お店の女の子が「このカクテルが美味しいわよ!」と勧めてくれたものを頼んでみた。
ちょこんとチェリーがついた可愛らしいカクテルが登場。



どれどれ。

「!!!!!」
一口目を飲んだ瞬間トムとジェリーの猫さんがよくやるビビビって奴みたいに体中に衝撃が走った後、思わず「濃!!!」と大声が出た(笑)
想像以上にお酒が濃くて笑うしか出来なかった。
でもかき混ぜたらそうでも無くなって、「あぁそういう仕組みね」って納得して
(ちゃんとカクテルなら混ぜてから出そうよっていう話なんだけどそれがまたいいのかな? なんて思ったり)

すごく美味しいパスタを頬張って満足していると、さっきの女の子が「カクテル美味しかった?」って聞いてきたので、「Yes!」と答えたらまた同じカクテルが出てきてしまった。仕方ないので、またカクテルが届き、ひと口飲んで「!!!」と同じリアクションをとる謎のループを繰り返してお店を後にした。



アーカイブはこちら

Tag

Writer