砂漠の果てから

Own Beautiful Adventure in CA #2

砂漠の果てから

Contributed by Nachos

Trip / 2020.01.30

世界中の国々をサーフトリップしながら、女性にフィーチャーした"saltybabe photo"を撮り続けている、フォトグラファーNachosさんの旅連載「Own Beautiful Adventure」。シリーズ3回目の目的地は、California弾丸トリップの模様をお届けします!

#2

この日の朝ごはんはvenisで人気のカフェへ行く事になり、ミーハーな私の心はウキウキ模様。
静かな住宅街にあるお店は外観から「素敵でしょ」という雰囲気をかもしだしていて、入ってみるとたくさんの人で溢れかえっていた。
「ええっと何にしよう。」
とりあえずコーヒーを…と思いレジの前に行く。
「あ、オーダー順番待ちだから」
私がこのような所に慣れていないためか、オーダーのシステムがよくわからず、出だしでまずは大失敗。



ようやく順番がきたところで「foodは?」といきなり聞かれ、仕方なく目の前にあったショーケースの中のオープンサンドを指差して「これが食べたかったのよという顔で注文して窮地を免れる (笑)



頼んだオープンサンドは想像していたパンではなかった。(ヴィーガンクッキーみたいな硬いやつ)

朝ごはんを食べながら
「さて、今日は何しよっか」と話しながら、決まった行く先は、”Death Valley"。
ナビではここから4時間くらい。
長い道のりになるとは想像もしてない私はその辺のお店でスナックといつもは買わない変な甘い飲み物を買って「ゴーゴー!」なんて浮かれ気分で車に乗り込んだ。



1時間半くらい走っただろうか。
いつからか、道は周りを見渡しても砂漠と山々しか見えなくなっていた。
気がついたら携帯の電波も入らなくなっていた。
(しかし、iphoneのmapは最初つなげておけば、電源を切らない限りちゃんと目的地まで連れて行ってくれるから毎回助けられている。(神の道具と拝んでもいいぐらい、笑)
どこまでも果てしなく続く道。



見渡す限り果てしなく続く道と荒野。
建物なんてひとつも見当たらない。
窓の外をふと見ると雲が竜の形をしてて、車を止めて写真を撮る。
「ここにはきっと神様がいるんだろう。」そう思わせてくれる場所だった。



と、普段の生活の中では見ることの出来ない景色に感動。

が、はて…さて…
果てしなく果てしなく続く道。
途中やっと見えたガソリンスタンドで燃料補給とトイレ休憩はできたけど、すぐまた同じような道アゲイン。
本当に地球は広いんだ。
本当に何もない。ただただひたすら走るのみ。(笑)

ようやく目的地のDeath Valley到着!
…した訳なんだけどね、
さっきと変わらない砂漠だった。
薄々気づき始めてはいたんだけどね、国立公園の中を走っていましたからね。
だって果てしなく続く道を見ても、果てしなく道が続いているだけだったから、ナビが後5分というところでも信じたくない。でもまさか。いやきっと違う。なーんて心の中のナビダイヤルが混線状態。

こうしてこの長い旅は終わった…わけではない。



地球の広大さを痛いほど感じたところで、選択肢はこのまま進むか、来た道を戻るかの二択。
私たちは迷う事なく”このまま進む”を選択。
電波も届かない道をひたすら進み続ける。
Iphoneの大まかなmapと勘を頼りに進んでいく。

いつの間にか空の色が色づき始めていた。
「流石に山々に囲まれているこの場所で夕日は見えないか〜」なんて話しながら
バックミラーを見る。

「え、えー!」と二度見する私。
いつの間にかとんでもなく綺麗に色づいている空が後ろに広がっていて、思わず車を止め荒野に足を踏み出した。



空を見ると「わぁおー!」と声が出た。
ライトオレンジとブルーが混ざり合いそうで混ざらない微妙な関係の空にドギマギする私。思いがけない地球からのプレゼントに興奮しながら横に目をやると同じく空の美しさに驚いたキャンパーの人たちも車を止めてしばし空の色を眺めていた。
やっぱりみんな感じることは同じだよね。



そんなこんなしていたら、すっかり日が暮れて空はピンクからダークブルーへと変化していた。

車で外灯のない道を進んでいく。
お腹もぐーぐーなり出した。
「最初に寄ったお店でもっと食べ物を買っておけばよかったと」頭に過ぎったところで、きっとこの辺りに唯一のホテルが見えた。(その周辺にはお店らしきものがひとつだけあった)
電波が少し入っている。
すぐにmapにアクセスして近い街を調べるとここから2時間弱くらいでラスベガスという事で「目指すはViva! LasVegas!!」とテンションを上げてみる。
疲れと空腹の私たちはベガスまでいく途中から街に出たので「街だねーレストランもあるよーどこ行こー」と話しているうちにいつの間にかあたりはまた真っ暗になり、街を通り過ぎていた…。

それでも砂漠の中に煌々としたベガスの街の灯が見えたときの嬉しさとワクワク感は心に染み渡るものだった。



荷物をおいて早速夜の街に飛び出す。
光もあまりなく果てしなく何もない場所からギラギラとネオンがこれでもかと輝き、人の活気で溢れかえっている場所にいる。
適当にとった安いホテルも街の真ん中でプールもあって想像よりも素敵なホテル。
これで浮き足立たない人はいるんだろうか。



街を散策しながら浮き足ついでに普段では行かないだろうBellagioのカジノにも足を踏み入れてみた。
さすが高級ホテルは掛け金も半端なくてミニマムの100ドルなんて5秒で終わってしまうそう。笑(私は見ていただけ)

街を歩いていたらお洒落してお出かけをしたくなり、そのままブティックに駆け込んでお洋服とブーツを買って、その場で着替えて再度街に飛び出した。
Baliでも有名なOMNIAclubがあると知り、様子を見に行こうと歩き出す。
ここは毎週末になると超有名アーティストがゲストで来る事で有名らしい。



クラブが入っているホテルの前で「どうやっていくのかなー?」なんて思っているとOMNIAのTシャツを来ている人がいたので声をかけてみたら、なんだかよくわからないけどチケットをくれたので「Thank you!」と受け取り教えてくれた道にどんどん進んでいく。
クラブの前につき、近くにいたスタッフにチケットを見せると手にスタンプを押してくれた。なぜかエントランスに入る前の人の列には並ばずに中へ入れてもらえて、キャッシャーにも寄ってみたけどまた何故かエントランスフリーで中に入れてもらえた。(笑)
ラッキーというべきなのかなんなのか?でもラッキー!!



とりあえずお酒を頼むためにバーカウンターへ。
ジントニックを頼みレシートを見たら1杯25ドル!!!
「そういえばBaliのOMNIAもドリンクが高かったのを忘れてた!」フリーで入れてもらったけど、ここラスベガスの高級クラブだった!
「高すぎるー!!」って笑いながら高級ジントニックで乾杯。

成り行きでここまで来たとはいえ、久しぶりの夜遊びですっかり楽しくなってしまった。
とはいえ1時間半くらい楽しんだ後、いつの間にか人で溢れかえっていたホールの中を人の波に揉まれながら外へ出た。(気取ってみたものの、夜遊びに慣れていない証拠 笑)

上機嫌になりながら、ギラギラとネオンが彩る街の中を「また面白いことを思いついた」と笑みを浮かべて歩いていった。


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