Mamma mia! #6
日本のお米とイタリアのお米
Contributed by Aco Hirai
Trip / 2020.04.28
#6
そういえば、先月突然家のインターフォンが鳴らなくなった、故障みたい。
なので、荷物が届いた時は、届け先の名前を呼ぶか、電話をかけてくれることになっている。
お昼ご飯の後、バスルームを掃除していたら突然名前を呼ばれ、なんだ? と思い恐る恐る玄関先に出てみると、「無印良品」と書かれた大きな箱が届いていた。日本からイタリアへの配送が禁止になる直前の4月1日に両親が送ってくれた食材たちだ。
想像していたよりあまりにも大きなダンボール箱を目の前にワクワク感が止まらない私。
中を開けてみると、日本のお米や日本の調味料がこれでもか! ってぐらい入っていた。日本で品薄のマスクと一緒に。
受け取った時は、大きすぎでしょ! と思っていたけど、両親がどれだけ心配しながらこの荷物を送ってくれたのか、中身を見てすぐにわかった。
「こんな状況やから、ちゃんと届くかわからんけど、かまへん?」と、言いながら受付をしてくれた郵便局員。
それを聞いていたので、きっともう届かないだろうと半分諦めていたのだ。
両親が送ってくれた食材とマスクと手袋たち。他に保存食用のカップラーメンやティッシュなんかも。
白いお米が恋しくなることはあんまりないけど、たまに食べたくなる。
だって、日本のお米ってやっぱり美味しいから。
人気のイタリア料理にリゾットがあるぐらいなので、イタリアでもお米はポビュラーな食材。スーパーへ行くとオリジナーリオ、セミフィーノ、フィーノ、スーペルフィーノ、他にも玄米や黒米、ワイルドライスなんかのたくさんの種類のお米が売られていて、リゾットにはこのお米、サラダにはこのお米、という感じで、作る料理によってお米を使い分けるのがイタリア流。
さすがイタリア人、食へのこだわりがものすごい!
ただ、種類がありすぎてどのお米を買っていいのかイマイチわからず、スーパーのお米コーナーを前に、数分立ち止まってしまう、私。
去年、マルタ島にいた時は一度もお米を買わなかったからわからないけど、イタリアに来てから久々に海外のお米を食べてビックリ。
味も食感も日本のお米とはまったく違う。
日本人にとって、日本のお米が一番合うことなんて知ってるけど、それ以上に久々に味わった海外のお米の味にびっくりした。でも、これでリゾットを作るなら間違いなくナンバーワン!!
もちろんイタリアのアジアンスーパーにも日本風のお米を売っている。イタリア産の日本米で、なんと名前は「イタこまち」。他にも、「ゆめにしき」とか数種類あったりする。個人的にはこのあきたこまちにかけたようなネーミングの「イタこまち」がかなり気になるので、今度見つけたら買ってみたいな、なんて。
実家から届いた讃岐のお米とあきたこまち。イタリアで買ったインテグラーレ(玄米)、黒トリュフのリゾット、一番右は、アルボリオというリゾット用のお米。
そんなイタリアのお米事情を母親に話していたこともあって、日本のお米を送ってくれた。
これであのモチモチした食感が味わえると思うと楽しみ。
そして、今日は訳あってローカルに人気の大型スーパー、エッセルンガへやってきた。家から徒歩20分くらいの距離にあるので、ゆっくり散歩しながら。
後ろに並んでいる男性がすごい勢いで電話しながら私に接近して来たので、思わず手前に持っていた大きいカートを背中の方へ移動させ、近づかないようにバリアを張る。そんな危険な時。
到着すると同時に目に飛び込んできたのは、スーパーの前にできた長蛇の列。
「げっ」と声がもれる。
間隔をあけて並んでいるけど、結構な人の数だ。
20分くらい並んでようやく中に入れた。
エントランスの前には、ビニールの手袋と消毒液が置かれ、その脇でカートを入念に消毒する人の姿。そして、入る直前は、非接触の体温計を額にかざされ検温。熱がないかをチェック。
人数制限しているにも関わらず、中はたくさんの人、人、人。
私の中では、明らかに危険区域だ。
さっさと買い物を済ませて、できるだけ早く外へ出た。
スーパーまで20分、中に入るまでの待ち時間20分、買い物時間20分、どうしても欲しいものがあって寄り道したので、帰り道60分。合計2時間。
EATALYへ寄り道して買った、トマトの種とひまわりの種。
家を出て、一つめの角を曲がった場所。緑々しい並木道が広がる。
信号待ちの時に見つけた可愛い花、なんだろう。
いつもと違う帰り道を通ったらフジのような花を発見。
大きい公園はクローズして中には入れないようになっているけど、小さい公園は大丈夫。
今週のサラミ。
SALAME DI CINGHIALEという、イノシシと豚のサラミ。大量のブラックペッパーでコーティングされている。かなりのコショウの量だけど、スライスするとコショウも一緒にパラパラと削ぎ落とされるので、口に入れる頃には半分以上コショウが落ち、ちょうど良い。程よい弾力で、ちょっぴり甘め。
どこへも行ってないのに、ロックダウンしてからの方が1日1日が早く感じる。
「あー、早く旅行したいなー。
ビーチ行きたいなー!」
やりたいことばっかりが増えていく、欲張りな私。
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Aco Hirai
2004年オーストラリア移住、2005年帰国、2019年マルタ島留学、2020年イタリア移住。 海外で活躍する日本人を取材したImhereマガジンを不定期で発信しています。(インタビュイー募集中)