丘登り

unusual #10

丘登り

Contributed by YUKA

Trip / 2020.07.27

東京で暮らす日々の中で、心に少しでもゆとりをもって生活できるように、刺激を求めて世界各国を旅してきたYUKAさん。“非日常生活での経験は、わたしの暮らしへのスパイス”と語る彼女が旅の中で見て、知って、感じたことをフィルムカメラで撮りためた写真とともにお送りします。


#10

旅に出ると普段ならしないようなことに挑戦してみたりするのは、旅あるあるな気がする。

スリランカの中央部に聳えるアダムスピーク。

標高は2,238メートルとそれほど高くはないが、三角錐の凛とした山容は、昔から人々に敬われ、信仰の対象とされてきたそうだ。

仏教徒、ヒンズー教徒、キリスト教徒、イスラム教徒にとって共通の聖地であるその理由は、頂上付近にある足跡のような形の穴。

この穴をそれぞれ、仏陀、シヴァ神、聖トマス、人類の始祖アダムの足跡に見立てているのだとか。

参拝登山のハイシーズンには食堂や茶店が山道に出店するなど、賑わうらしい。

そんなアダムスピークより少し小ぶりなリトルアダムスピークという丘が、近くにあるということで、登ってみることにした。ボロボロのコンバースで。

アダムスピークじゃないんかい!山じゃないんかい!というツッコミはさておき、山登りはそんなに得意ではない私にとってはプチチャレンジ。



木々の隙間から見える空や向こう側の山の山肌の緑の色は日本のそれと少し違って見える。

お茶の葉が風に吹かれてキラキラと光っていて、標高が高い山の上の木にはなぜかラベンダー色の可憐な花が咲いていて、片道小一時間の山登りは(本当は丘)なかなか気持ちが良かった。

コンバースも思ったほど悪くない。









トレッキングから帰ってからカフェで一息ついて、絵葉書に手紙を書いた。

これだって普段やらないことのうちの一つ。すでにArugam bay でも普段はやらないヨガのクラスを何コマか受けてきたしね。

旅に出るとよくやる手紙書き。その国の郵便局にも行けるし、家に届くハガキにはその国を通過したスタンプが押されていていい思い出になる。

実家と、職場と、おばあちゃんと、仲良しの友達に。



Ellaは街が小さかったので、1泊早めに出ることにした。

明日の朝一番で街を出る。最後の街Kandyに向かって9時間の電車旅がわたしを待っている。


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