わたしは人が好き

Greenfields I'm in love #12

わたしは人が好き

Contributed by Aya Ueno

Trip / 2020.07.24

直感を信じ、ドキドキするものに向かって走り続ける神戸出身の大学生、Aya Uenoさんの連載「Greenfields I'm in love」。自分探しも兼ねたロンドンでの留学生活で、自分の目で見て、肌で感じたありのままの日々の記録をお届けします。

#12

最初の記事にも書いたけど、わたしの一番の自慢は、周りの人達の存在だ。つくづく、出会いに恵まれてると思う。わたしの大切な人たちは、共通点を多く感じる人も、片やまったくタイプが違う人もいる。偶然というか、奇跡みたいなタイミングで人と出会っては、やがてみんな私に必要な人になる。今日はロンドンで巡り合った大切な2人の話(出会い編)をしたい。

まずはきょうこさんファミリーだ。ロンドンに駐在中のご家族で(現在は日本に帰国されている)当時親しい友達も家族もいなかった私にとって、本当に大切で、ずっとずっと仲良しでいたい大好きな人たち。

ひょんな事から、ベビーシッターを始めることになった。子供が大好きなわたしにとって、思っても見なかったチャンスだった。いうまでもなく、そのお母さんがきょうこさんだった。
はじめる前に、ご自宅の最寄りであるスローンスクエア(ロンドンでも有数の、とても品のある素敵な街!私の大好きな場所のひとつ)にある、デパートのカフェでお茶することになった。

「どんな方かな」。ドキドキしながら学校から向かった。最上階のフロアに到着し、周りを見渡すと、ベビーカーを押した、綺麗な人をみつけた。きょうこさんだ。
学校帰りだった私にランチをご馳走してくださり、お話しした。とても気さくで、エネルギッシュな方! 出会った瞬間、「この人好きだ!」って思った。
また、彼女は並外れた経験をたくさんされていた。なんでも、ついこの春までは日本で市議会議員としてバリバリ活躍していたらしい。家族に政治家がいるとか、政治にずっと携わっていたとかじゃなくて、やってみよう! というチャレンジ精神がきっかけだったという。

そんな彼女は青二才な私のことも1人前の女性としてまっすぐ、対等に接してくださって、目上の人にこんな風に扱ってもらった事がなかった私は、すごく嬉しかった。
その日からほどなくして、たまにおうちに行って、お子さんのさくちゃんとみれちゃんのシッターをするようになった。私は2人のことが実の妹みたいに大好きだ。ベビーシッターの思い出はたくさんあるからまた別の機会に書きたいと思う。

2人が人の上に乗らなくても良いようにと買ってもらったポニー!(笑)



今日はきょうこさんへの愛をもう少しだけ(笑)。
さっきも少し書いたような華麗なキャリアだけではなく、まっすぐで、笑顔が素敵で、知識も、人生を楽しむパッションも、気遣いも、思いやりも富んだきょうこさん。「美しい人ってこういう人だ!」って本当に魅力を感じたし、今もそれはずっと変わらず、女性として、人生の先輩として彼女が大好きだ。

もう1人、この時期に出会った大切な人は、もっさん! ビデオグラファーとして活躍している、骨の髄までクリエイティブな人。
わたしももっさんも寅年だ。同い年、ではなく12個も上なのだ。でも、遊んだり飲みに行ったり、もっさんも、人生の先輩であり、大切なお友達(とわたしは思っている!笑)だ。

初めて会った日、私たちは大英博物館の近くにあるパーク横の出店で売られたファラフェルラップを手に、カジュアルなピクニックをした。
彼はこの時お家探しに苦労していて、この日もちょうど内見の予定があり、あまり時間はなかったけど、たくさん映像作品を見せてくださった。彼は大手ブランドや会社、イベントをクライアントに映像のお仕事をする傍、様々な感性あふれるアーティスト(歌手、作家など幅広い)を撮って彼らを魅せるという形で、素敵な作品を生み出している。元々グラフィックを学んでいたけど、映像の専門スキルは独学で身につけ、人とのコネクションで徐々に形にし、今に至るという。専門学校に行かないと、専門職にはつけないと思い込んでいた私は、そんな彼のかっこよさに衝撃を受けた。
彼は仕事の話を終始すごく楽しそうに話す。ロンドンにきた理由も、ロンドンのカルチャー、アート、ミュージシャンがすきだったから!「行くなら今しかない! という直感でやってきた」と笑って言う。

彼とのランチは短かったけど、本当に濃くて刺激的だった。またねー! といってお別れしたあと、謎に涙が出そうになり、自分でも驚いた。
私は写真や動画を撮って、発信することが好きだ。大切に思うものや瞬間を形にして、それを大好きな"人"に見せるのが好きだ。そしてそれでもし、人にいいなって思ってもらえたとしたら、すごく幸せなのだ。だからクリエイティブに生きたいと思っていたけど、同時に、現実的には厳しいんだろうな〜って諦めかけていた。彼との出会いは、そんな私が自分に、いやいや挑戦もしてないのに何言ってるの! と思い直させるきっかけであり、だからきっと涙が出そうになったんだ。

このラップを買ったお店は、赤い電話ボックスを改造してその中でファラフェルを揚げていた。



もっさんのインスタは@naotosakamoto。もっさんが撮ったアーティストのビデオはプロフィールで見られる。
https://instagram.com/naotosakamoto?igshid=v8g0r2hw8dry
https://vimeo.com/naotosakamoto

わたしは良くも悪くも影響を受けやすい。だからこそ、この2人の幸せとか楽しさを追い求める(勿論、その為にたくさんの苦労をして)姿に心底憧れ、なんでもまず、やりたいならチャレンジしなきゃ!! と思うエンジンがついた。
きっと2人に出会ってなかったら、いまこうして大好きな雑誌でWebの連載を書かせてもらえる機会だって、逃していたと思う。

今、私は大学4年生で、就職活動に難航している。弱い弱いメンタルは、今までにない不安で押しつぶされそうになる。こうして2人との出会いを振り返ると、ああ、諦めちゃいけない! と奮い立たされる。

最近、ランニング中に撮った一枚。見えにくいけど、うっすら虹がでていた!




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