Mamma mia! #18

「困ったら英語」そんな話法は封印

Contributed by Aco Hirai

Trip / jul.28.2020

イタリアに活動の拠点を移し、フリーのエディター・ライターとして活躍するAco Hiraiさんの生活をパーソナルな視点で綴った連載「Mamma mia!」。気がつくと7月も後半に突入。最近たまに感じる違和感を、うまく伝えられない違和感を。今週はそんな思いをありのままにぶつけています。

#18

相変わらず猛暑が続くイタリア。


至る所に咲いていて、街を彩ってくれる鮮やかな花。花越しに見る街の風景や空や海が好き。

今日は、ペルメッソ(滞在許可証)のことでサレルノのクエストゥーラへ行って来た。
ミラノのクエストゥーラでは相手にしてもらえなかったので、サレルノのクエストゥーラでリベンジ。もちろん電話をしても厄介払いされるので強行突破のようだけど、直接行くしか方法がなかった。
結果、追い出されることもなく丁寧に話を聞いてくれた。幸運にも、担当になった人が親日家だったからか、日本食や観光地の話も交えながらちゃんと話を聞いてくれた。
でも、最終的には、「コロナウィルスで猶予が認められた8月31日までのペルメッソに関して、誰も詳しいことは知らないんだ。とにかく、早めに延長申請をすることをお勧めするよ」そんな感じのことを言われて、あっけなく終わった。
そんなことってあるの?
ペルメッソを管理している警察の人も分からないなんて。
やっと今日モヤモヤした気持ちがクリアになると思ったのに、その反動もあって意気消沈しながら家に帰ることになった。


カスタマイズできるハンバーガー。クエストゥーラでエネルギーを使いすぎて戦闘能力がゼロになったので腹ごしらえ。

そして、帰ってきたらLuigiからお誘いがあったので、気を取り直していつものピッツェリアへ。
南国チックなパームツリーの奥の階段を登った先にあるこのピッツェリアは、ローカルの人しかやってこない、地元愛に溢れた大衆的なピザ屋で、連日遅くまで小さい子供から大人たち、家族連れで賑わっている。
何度も来ているけど、名前は未だに知らない。


いつもここに来るのは、時計の針が夜の11時を回る頃なので、こんなに早い時間から集まるなんて久しぶり。


ピッツェリアの中にあるガーデンテラス。スラング多めでネイティブの会話がまったく聞き取れない。

もう何度も会っているので、Luigi以外の友達とも仲良くなれた! と勝手にそう思っている。
そして相変わらず、頑張ってゆっくりイタリア語を話しているんだけど、私が間違えると、会話を聞いていた数人が間髪を入れずに訂正してくる。ご丁寧に発音までしっかり反復して教えてくれる!(笑)
そして、Luigiは、「僕は君がイタリア語を話してくれるのが嬉しいんだよ、海外で英語を勉強していた時、ネイティブが会話の途中で間違った英語を指摘してくれたら嬉しかったから、僕もそうするよ」なんて言ってくれたりして。本当にいい奴だ。

そして、途中で合流した友人の一人が「僕は英語を話さないけどいい?」と聞いてきた。

こっちに来てから実は薄々と感じていた、言葉にできないこの感覚。
イタリアにいるのに、なぜイタリア人の彼が私に、英語を使わなくても良いか、と許可をとらないといけないのか。英語を使わないといけない状況にしているのは私なのに。
みんなが世界共通語のように話している英語。
ミラノにいると、英語が通じて当たり前だったから、なにか困った時は、私から英語を使うか、または相手が英語を使ってくれる。その方がやり取りがスムーズだったし、確実だとお互いが思っていたから。化粧品を買うときや、薬を買うときなんかは特にそういうシーンが多かったような気がする。
でも、ここはイタリア。英語が通じなくて当然だと思う。
もちろん積極的にイタリア語を使っていたし、できるだけイタリア語でコミュニケーションを取るようにしていたけど、困った時は英語で! と言う英語を武器のように思っていた自分が急に恥ずかしくなった。すごく失礼なことをしていたのかもしれない、と。
確かに、英語が世界共通語とされているけど、そういう問題ではない。
人に対してどう接するか、が問題。
そして、この話法は封印しようと思った。困った時でも最後の最後までイタリア語を使うように心がけようと。
たった数秒の間に色々な思いが頭の中をスッとよぎって、日常生活で少しずつ気づかされていた違和感みたいなものが繋がった瞬間だった。

そして、会った瞬間から「今日は飲むぞ!」と張り切っていたLuigiの言葉通り、飲んで飲んで、気づいたら朝だった。


いつかのピッツァ。フォカッチャのような生地でできたピッツァは、カリカリして美味しい。


近くのワイナリーみたいなところ。


ワイナリーの隣で見つけたカクタス。昔からサボテン見るのが好きなので写真を撮ってしまう。


最後は、私がイタリアで一番好きなジェラート屋さん、WE♡PURO。ジェラートのフルーツ感が他社と全く違う。まるでフルーツをそのまま食べているような感じ。って言うのは言い過ぎだけど、一度食べたら忘れられない果実感。

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