始まりの日④

CIRCULATION #5

始まりの日④

Contributed by ERI

Trip / 2021.07.16

「もしかしたら奄美大島の島んちゅたちは、世界が丸ごと見えているのでは?」とアーティストERIが特別なパワーを感じた奄美大島。彼女がナチュラルでいられるセカンドホーム・奄美をスタート地点に、世界中で暮らす人々の生活を詰め込んだ”CIRCULATION”。



#5

人生初のヒッチハイクを、

初めて訪れた土地、奄美大島で成功させ、

ノリにノっていたエリでした。

が。

ローカルの人たちに拾ってもらって30分後、

そのままサーフィンしに海に入った私達は

盛大にビキニがはずれて丸出しになっていた。


奄美に来て30分で、

全てをさらけ出したタカギ エリ。


これが奄美大島との出会い。



「あっははっはは!!!!!! 本当最高だよお前ら!!!」

と、りょうへいさんたちはお腹抱えて笑っていた。

私たちも、これ以上出すものないし、笑

もうどうにでもなれ!!!!!

とやけくそになって懲りずにまた海へ飛び込んだ。


何度も何度も板に乗ろうとしては落ち、

転がり、

ビキニが取れ、

たまに鼻水も出てるし。


あーなんかいらないもの全部海に流れた気がする。

心も体も全部洗い流された。

心からはしゃいだのはいつぶりかな?

小学生の夏休みのように

ぐったり疲れるまで、

日が暮れるまで、

遊び倒した。


空の色がオレンジ色になってきて、

そろそろ上がることに。


手広海岸の駐車場には、公共の更衣室がある。

そこでシャワーを浴びて、潮水でベトベトになった身体を流した。

更衣室を出ると、他のサーファーたちも上がってきていて、

駐車場は地元のおしゃべり場となっていた。

中には奥さんや子どもも一緒にお迎えに来ていたり、

すごく、暖かくて、賑やかだった。


完全なるスタートダッシュを決めた私たち。

さて、この後どうする?

と話していたら、

なんとこれまたタイミング。

今日は大浜海浜公園で夏フェスがあるとのこと。

年に1回しか開催されないこの夏フェスのタイミングに当たるなんて、

本当不思議な巡り合わせだ。

さあ! そうと決まったらいざ! 行こう!

再びりょうへいさんたちの車に乗って、私達は大浜海浜公園に向かった。

向かう途中の道でコンビニに寄って、

自分の好きなお酒を買って、

フェス会場に着く前に気分はフワフワでルンルンだった。


大浜海浜公園に着くと、そこはたくさんのお客さんで賑わっていた。

大人から子供まで。

裸足で芝生を走り回ったり自由気ままだ。

出ているアーティストは、地元で活動しているアーティストたち。

アコースティックからロックバンドまで様々。

ネタに走る面白いバンドで涙が出るくらい爆笑したり、

渋い声の弾き語りにグッと来たり。


今でも記憶に残っている演奏が、

Mr.Big/To be with you

この曲をフェスの終盤に聞いたら、

自然と涙がぽろっと出てきた。

なんでだったんだろう?

理由はわからないけど、

今でもすごく心に残っているし、

思い出の曲になっている。


その日はもうヘトヘト。

お酒も飲んでしまったし、

たくさん動いたし、

HPはゼロ。

そんな私達をりょうへいさんたちのシェアアパートに泊めてくれた。


旅は続く。

大浜海浜公園のフェスで出会った子。今は何歳になったんだろう。


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