SEASON 2 #7

家探しの旅

Contributed by Yuumi Saigusa

Trip / 2021.08.17

25年越しで「NYに住む!」という夢を果たし、理想と現実の生活に日々苦戦しながらも、今まで感じていたNYCのイメージとは違う、新しいNYCで自分の現在地を探すYuumi Saigusaの旅連載!

#7

自主隔離の期間を終えると次は、仮住まいをしながら「家探し」の旅が始まった。
家探しは楽しさもあるけれど、実際は身体的にも精神的にも大変なもの。特に NYCでは自分が希望する物件に出会えるのはミラクル中のミラクルで、最初から覚悟はしていたけれども、さっそくそれを目の当たりにするなんて。もちろん住むエリアや広さによっても違うけれど、現地の人でも「NYは家賃が高い」と言っているほどだから、映画で見るような素敵な家に住むのは夢のまた夢。東京の家賃の2倍から2.5倍以上の家賃が相場なんです。だからこちらではほとんどの人が「シェア」というスタイルをとっている。

NY暮らし1年目は学生だったし、現地生活に慣れていなかったこともあり、裁判でもお世話になった信頼するデボラさんのお宅に厄介になっていた(ブルックリンにある高級アパートメントで、正に映画に出てくる様な広々とした理想のお家でした!)
けれども今回は独り立ち。東京ではずっと一人暮らしをしていたから、やっぱり一人暮らしの癖がついている。なにより「一人暮らしをする!」というのもこちらでの目標のひとつだったので、まずスタジオタイプの(日本でいう1K)の部屋から探し始めました。ネットや色々な広告から情報を拾い集め気になる物件に片っ端から連絡する。返信がこないこともあったり、サウンズグッドな物件だったものは「もう決まってしまいました」との返答。だんだん分かってきた事は、すでに借り手が決まってしまっている物件でもサウンズグッドなものはそのまま掲載しているという事。その事を知らなかった私はまんまと漁師の網に引っかかる魚のようにその甘い罠に掛かっていたわけです。実際はそこから「こういう物件ならありますよ」という具合に先方の営業が始まるのです。けれどもホントに良い物件を紹介してくれるところはなく、まずは行ってみないと始まらないと実際に行ってみると「こんな感じでこの値段?」とか「部屋の広さは良いのだけれども水回りがちょっと、やネズミが出そうだ…」とか、中には「これで??」とびっくりするほど高い部屋もあったりしたのだけれど、だんだん相場が分かってくるとネットで見ただけで目利きできるようになっていました。


NYらしい外観のアパート。


3件目に内見した部屋は明るくて良かったけれども。。。

長期戦を覚悟していた家探しでしたが、いい物件との出会いは意外にも早く到来したのです! 100%ではなかったけれども「こんなもんかな」と思った物件と契約を交わす2時間前に、例の漁師の網方式に引っかかってしまった別の不動産屋の人から連絡があった。私が問い合わせをした際にはもうすでに他の人に決まってしまった同じビルに空室が出たと。ギリギリだったけれどすぐ内見ができるという事だったのでこれは「もしかして!」とすぐさま見に行った。一瞬で「ここだ!」と思った。まぁ部屋は狭いけれども、館内の感じは明るくレントも契約しようとしていた所より安く、すべてのバランスが良かった。諦めなくて良かった!! あとは入居の審査のみ。この物件はco-opと言って普通のアパートと大家さんの所有形態が少し異なり、審査が少々厳しいのです。もしここで審査に落ちてしまったら契約しようと思っていた所も断ってしまったし、また振り出しに戻ってしまう。そして仮住まいの契約も間近で終了予定、「申し込む」という選択しかない私は、神頼みで結果を待つ事にしました。が、しかし入居日2日前になっても審査の結果が来ず、不動産屋さんに連絡しても「まだ結果が来ないのです。もう少し忍耐強くお待ちください」との回答。もしダメだったら他の所を探さなくてはいけないと思ってる間にとうとう退出前日に。不動産屋さんに連絡するとまだ結果はでていなく午後になるという返答。こんなギリギリでも結果がまだなのに何故か妙に落ち着いている自分がいました。滞在1年目の経験などが私を強くさせたのか、これがNYスタイルという事が普通に思える様になっていたからなのか。やがて4時くらいに不動産屋さんから連絡が。
「おめでとうございます!」
「ありがとうございます!」
思っていた以上の驚異の速さ、トータル2週間くらいで家探しの旅を無事に終える事ができたのでした。なぜかといえば、大勢の人がコロナの影響で郊外や国に帰ってしまった為、良い空き物件がたくさん出回って値段も下がり、普段は住めない様な物件にラッキーにも入居する事が出来たのです。こんな状況だけれど、こればかりはありがたかった! 来年一気にレントが上がりませんようにと願いつつ。


部屋からのお気に入りの眺め。



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