Between the waves #5
変わらないもの
Contributed by Miki Takatori
Trip / 2021.10.18
#5
1日の食事で一番好きなものは朝食。
特にサーフィンした後、空腹で食べる美味しい朝食ほど最高なものはないんじゃないかと思うほど。
世界各国から人々が訪れるバリでは、どこの国のレストランだって見つかる。
どうしてもアサイーボールとベーコン&エッグが食べたかったこの日は、私が住んでいるチャングーエリアでお気に入りのお店「Copenhagen Canggu」に。
名前の通りデンマーク出身のオーナーが3年前にオープンした北欧風の料理、ケーキ、コーヒーが楽しめるお洒落なカフェ。
お目当ての朝食を注文。
いつもナシゴレンやナシチャンプールで安く済ませる私たちにとってはちょっとした贅沢。
この落ち着く空間と、美味しいご飯と、長居したくなるような快適なスペースが人気の秘密なのがよく分かる。
ゴールドのカトラリーまで可愛さが溢れてる。
美味しい匂いにつられてやってくる看板犬。
初めてバリのチャングーという街に出会ったのは2018年。そして初めてこのエリアに来たときに訪れた場所がこのカフェ。
王道の観光スポットであるクタやスミニャックを通り越し、今ではバリで最も栄えている街のひとつ。この街に住み着く人も多く、好きになると離れがたい場所でもある。
バリの風景と世界中のサーフタウンを融合したようなこの街に恋をし、
サーファーチックな雰囲気に馴染みたくて通い詰めた思い出もある。
そんな思い入れが強いカフェだからこそ、大切な友達だけに教えたいような場所。
このエリアはここ数年の発展が著しくて、嬉しいような悲しいような...。
どんどん新しいカフェやお洒落なお店が出来て嬉しい一方で、手付かずの自然が残る昔ながらの静かなバリがもう見られなくなると思うと複雑な心境。
20年前、30年前のチャングーはどんな感じだったんだろう。
きっと、最高の波を見つけるためにサーファーがでこぼこで整備されてない道をバイクで走りながら冒険したのだろうか、なんて考えていた。
新しいものが入ってくる中で、昔から変わらないバリの文化も毎日の生活の中で見ることが出来ることをここに住み始めて知った。
道端や寺院、海やお店、見渡せばどこにでも置いある色とりどりの花やお菓子、線香が入っているこの置き物。
実はこれチャナン・サリと言って、神様に捧げるお供物で、毎朝欠かすことなく置かれている。女性が伝統的なバリの衣装に身を包み、静かにお供えする姿は私のお気に入りの風景。
今までは気にすることもなかったけど、文化を知るとその国についてもっと愛着が湧いて好きになる。
そして、こういう風景にこそ”神々の島”と言われるバリが象徴されている気がする。
Miki
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Miki Takatori
1996年福岡生まれ。旅のマストアイテムであるサーフボード、ビキニ、ウクレレをスーツケースに入れ海沿いの街を旅する。現在はオーストラリア人パートナーとバリの小さなサーフタウンに住みフリーランス通訳・翻訳・ライターとして生活している。サンセット、サーフィン後のお昼寝、抹茶をこよなく愛する。