思い込みに縛られるな!

Let's travel freely!

思い込みに縛られるな!

Photo & Text: 坂下 巴那

Trip / 2022.01.29

Luke magazine special contents #7
今この時代に、僕たちが「旅」について、思うこと。


海外はもちろん国内さえも自由に移動することが難しくなって、どんどん曖昧になってしまった「旅」という行為の価値。 そんな時代だからこそ、僕たちは「旅」について改めて考えてみたい。旅の経験値の少ない、20 歳前後の若者たち10人が語る「旅」についての自由な考察。

旅がしたい。今、無性にどこかへ行きたい。

世界にコロナウイルスが蔓延してからというもの、誰もが“旅”というものから離れざるを得ない状況になってしまった。むしろ世間は、旅をすること自体が傲慢だと言わんばかりの雰囲気だ。最近は、どこかコロナ禍の現状に慣れてしまったような気もするが、とはいえ迂闊に旅に出られる状況ではない。

しかし、だめだと言われると余計にしたくなってしまうのが人間の性。私もただの人間なので「旅に行くな」と言われると逆に、無性に行きたくなってしまうのだ。というか、もう今すぐにでも旅に出たい。

いつでも準備はできているのだけど。

私のような人、特に若者には多いのではないだろうか。だいたい学生なんて、いろんな場所に行き、いろんなものを見て、いろんな人に出会い、学び、楽しむのが醍醐味みたいなものではないか。とにかく社会に出るまでのこの貴重な時間に、“旅”は絶対欠かせないと私は思う。

それなのに“これ”だ。コロナは未だ収束の兆しが見えない。しかし、出来ないことばかり嘆いているのもなんだか悔しい。

そもそも“旅”ってなんだろうか。
飛行機で海外へ行くこと? 観光名所を回ること? 自転車で日本一周すること? 絶景を眺めること?

よく考えてみたら、そもそも“旅”の定義って曖昧なのだ。これといった決まりはない気もする。遠くに出かけることが必須条件ではないし、特別な景色や場所に行くことが絶対でもない。

でもそれでいいのかもしれない。その「曖昧さ」がむしろいいのかもしれない。いかに自分が楽しいと思えるか、極論を言えば、それだけでいい気がする。刺激的でもそうでなくても、何か感じるものがあれば、その正体がはっきりせずとも、自分の中に何かが生まれていることは確かなわけで。

結局、“旅”って自分次第なのだろう。

自分の行きたい場所に行く、見たい景色を見にいく、会いたい人に会いに行く、食べたいものを食べに行く、思い出を一緒に作りたい人と共に行く。何かその場所に、あるいはその時間に魅力を感じられたら充分なのではないだろうか。

私も今まで、というかついさっきまで“旅”は遠くへ行くもの、つまり、お金と時間が必要だと思っていたが、“旅”へのハードルを上げていたのはこのつまらない固定概念だったようだ。魅力を感じられれば充分だ。そう柔軟に考えれば、“旅”はそう難しいものではない。極論、近くの小さな喫茶店でも、新しく出来た服屋でもいいのだ。

案外、すぐそこに“旅”はある。あなたの生活の中にも、小さな“旅”を。

石垣島・川平湾にて

石垣島・スキューバダイビング

竹島


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