About Time #18
NYC4日目
Contributed by Sho Mitsui
Trip / 2021.12.01
#18
今日もCafe Integralから1日がスタートする。毎朝大体7:30起きで、8時頃ここには着くのだが、Helviaは今日もいない。あと一回位会えると良いなっ!
さて、今日も今日とて「頼まれて」いる。しかも、帰国まで72時間を切ったので、PCR検査を受け、陰性証明書も受けとらなくはならない。これが結構クセモノだ。日本でも高額だったこのシステム、アメリカでも同様に高級だ。きっと現地のローカルクリニックに行った方が安いのだろうが、予約オンリーとか、証明書が間に合わないとか言われたらたまらないから、安全策で日本人のドクターがいる『安心メディカル』へ。
"頼まれて"会う人も僕のいるチャイナタウンよりはるか上の方に住んでいるし、「安心メディカル」はタイムズスクエアの真隣なので、都合が良い。もちろんサブウェイで向かう。
地下鉄でちょうどこんなサインを見つけた。"Masks speak louder than words"(マスクは言葉よりも雄弁だ)
とりあえず、マスクを着けろってことだろう。
左下には"Stop the spread. Wear a mask."(蔓延を防ごう。マスクを着けよう)
イラストもキュートで何かイイw
"Everyone smiles when you wear a mask"(マスクを着ければ皆んなが笑顔)。
これは別バージョンで、絵のキャラも笑っていてほんわか。
"I take care of you. You take care of me."(お互い思いやりを持ってマスクを着けよう)バージョン。
"Don't be that person."(こんな奴にならないで)
"It's a sign. Of respect."(マスクは敬意の印)
僕は大の方向音痴で、Google Mapを用いても迷うという特殊能力の持ち主だ。NYCの地下鉄でも何度か失敗しているので、つい乗車するとスマホに釘付けになって、降りる駅まであといくつかカウントダウンに入ってしまう。しかし、4日目にもなれば、段々と慣れてきて視野も広がってくるというものだ。こんなにも地下鉄内に注意喚起のサインがあって、さらにイラストもバラエティーもスローガンも素敵だ。写真でもご覧の通り、地下鉄内の人々はほとんど皆んなマスクを着用していた。
マンハッタンの摩天楼エリア、所謂「行政地区」に入った。高層ビルが立ち並び、LES(Lower East Side)とはまるで別世界。朝のニューヨーカー達は早足だ。
安心メディカルに到着。思った通り受付の方もドクターも日本人で、ネーミング通り"安心"だ。予約制かも? と、診療開始時間と同時にクリニックに入る。
案の定、予約制だったが、PCR陰性証明書の患者は上玉の客だ。もちろん都合をつけて下さった。
「本当は予約制ですが特別ですよ」皆さん、行く時は予約を忘れずに。
「$300になります」
!!!!!
皆さん、探せば$100〜$150くらいの所はあるそうですorz。まあ、でもそれもこれも覚悟していた事だ。日本でも¥36,000を払って来た。本当にこの陰性証明書のぼったくり商法、どうにかしてくれないのかな、政府は。検査は皆さんご存知の通り、30秒で終わる。問題ない。
外に出て、1分歩けばタイムズスクエアだ。一応、見ておこう。
ザ・ニューヨークといったところだろうか。僕が写真を撮るまでもないスポットだ。
ここで気がつく。
あれ? ロッカフェラーセンター近くなかったっけ???
実はロッカフェラーセンター限定のスノードームをお土産に頼まれていたので、本当にちょうど良い! 今日はツイている!(というか、タイムズスクエアに行くなら付近にロッカフェラーがある事くらい覚えておけよって話だ。お分かりいただけるだろうか?僕の深刻な方向音痴具合がw)
ロッカフェラーセンター付近は大規模な工事中。
名物のアイススケートリンクにも顔を出す。クリスマス〜ニューイヤーズ辺りは人がパンパンで滑るどころではないが、平日のこの時間(9時半とか)は流石にガラガラ。
皆さん、ゆったりと心ゆくまでスケートを楽しんでいる様子。
クリスマスに向けて花壇の手入れが進んでいる。
さて、ロッカフェラーセンターのどこでスノードームが買えるのか? とりあえず、ビルに入り受付っぽい所でお兄さんに聞くと、
「スノードーム...そうだな、ちょっと一緒に来て」
と、一緒に持ち場を離れてくれて(後ろを3度くらい振り返ってかなり持ち場を気にはしていたが)。
「あそこの帽子を被った男がいるだろ? 彼はCJって言うんだけど、その手のエキスパートさ。彼に聞きな!」
めっちゃ優しいお兄さん! スーツでバッチリ決まっていて、イケメンで写真を撮らせて貰えば良かったと今になって後悔している。
CJは女性と世間話に勤しんでいたので、しばし待つと
「おお。スノードームならあそこのビルの地下のロッカフェラーギフトショップに売ってるけど、今年のはまだ入ってないぞ。店に行っていつ入荷するか聞いてみな」
えー。そ、それは困ったなぁ...
でも、言われた通りギフトショップへと足を運ぶ。
さあ、着いた。TOP OF THE ROCK SHOP。スノードームはあるにはあったがどうやら2018年バージョンらしい。仕方ない。あるものを買おう。店員さんがていねいに、
「飛行機に持ち込む荷物の中に入れちゃダメよ。捨てられちゃうから」
と注意してくれた。妹が一回まさにそれをやって大切なスノードームを取り上げられていたので心得ていたが、この様な注意喚起はトラベラーにとってはとても有り難い。
皆さんも海外でスノードームを買う時はチェックインする荷物に入れましょう。
近くにあるRadio City Hallもパシャリ。数々のレジェンドがここで公演をしてきた。今年の6月まで15ヶ月間ずっと閉まっていたが、コロナ禍以降初の公演を僕が敬愛するDave Chapelleが行い、リオープンした。
さあ、約束の時間は11時。妹から会うことを"頼まれて"いるMaronさんの家まで向かう。
ここはセキュリティーがめちゃくちゃちゃんとしていて、簡単には中に入れてくれない。
「Maronさんに渡したいものがある」
とコンシェルジュに伝えると
「分かった。置いていけ」
と言うので、
「いや、会いたいんだけど」
と伝えると
「それは出来ない」
の一点張り。
Maronさんとのテキストのやり取りを見せても、全く効果無し。
うおー!!! エイジアンヘイトきたーーーー!! とか思って諦めてMaronさんに
「ごめんね。受付が入れてくれないから、カオルと母からのギフトを受付に渡しておいたよ」
とテキストすると、
「何故?!おかしいわね。まだ近くにいる?今下に行くわ!」
と、すぐ返事が来たので、去りかけていたがすぐ引き返す。
しばらく待つとMaronさんが降りて来てくれた。歩行器を使いながらかなりゆっくり、しかも歩き辛そう。
めちゃくちゃ悪いことをした。
「ダメじゃないか、ちゃんと会いに来たと言わなきゃ!配達員かと思ったよ」
とコンシェルジュ。いや、会いに来たって言ったし、本人とのテキストのやり取り見せたじゃん! と思ったけど、素直に「ごめんね」と謝り、Maronさんと一緒に彼女の部屋へ。
「今日は忙しくてね。あまり時間が無いのよごめんなさいね」
と言いつつ招き入れて下さったMaronさんに感謝。
「あなたのお母さんからも素敵なメールをいただいてね。まだちゃんとは読めていないのだけれど、すぐに返事を出すわ。カオルは元気?あなたは今回はどんな用事でNYCへ?」
一通り近況を報告し、Maronさんに母と妹からのギフトを手渡し、失礼する。
Maronさんの亡くなってしまった旦那さんは本屋さんを営んでいて、妹の写真集を最初に扱って下さった方でもあるのだ。妹がアメリカで食の仕事に関わるきっかけを下さった方の1人だ。つまりは恩人というわけで、そんな彼の奥さんには感謝してもしきれないし、僕も実際、2017年に妹とお邪魔してディナーをご馳走になっている。思い出深いお家だ。
さて、せっかくこんなマンハッタンの上の方まで来たんだ。もっと上まで行こう!
そろそろお腹も減ってきたのでカリビアン料理を食べに、SupremeスケーターのTyshawn Jonesがオーナーでありその母がシェフである、Taste So Goodへ。以前行った時は、少し怖い地域な気もしたが、最寄り駅までは地下鉄で行き、そこからはUBERを使うことにした。
駅を出ると大規模な工事が行われていた。
ここのロゴのフォントがとても好き。時期によってハットやTシャツ等のマーチがあるんだが、前来た時も今回も売り切れ(泣)
店内には当然Tyshawnのポスターも。
Thrasher Magazineの表紙を飾った時の写真や、Supremeのフルレングスビデオ"BLESSED"のものなどがフィーチャーされ貼られていた。
マックンチーズを食べたかったし、確かジャークチキンが名物だったからそのコンボをオーダー。
どう? めっちゃ美味しそうでしょ? 実際美味しかった。次来た時はラスタパスタが食べたい。
Tyshawnとは一回日本で食事したことがあるのだけど、全く日本食が口にあっていなかったw やっぱり自分の郷土料理が1番なのであろう。
取材を申し込んだが、「今は無理よ。これから暫くずっと料理しっぱなしなんだから」とTyshawnママ。そりゃそうだよな。
「メールをくれればインタビューに答えるわ。このメアドに送ってくれればTJ(Tyshawnの愛称)も読むし」
という事て、リモートインタビュー決定!!! テンションガチ上がり!!!
店前でママの写真も撮らせていただく。インタビュー記事の完成を楽しみにしていていただきたい。
近くにadidasが協賛したTyshawnのミューラルがあるのでそれを見に行くことに。今回ここに来たのはその写真を撮るためと言っても過言では無い。
歩いてほんの2分のところ。が...
楽しみにしていたミューラルはこの有り様...
誰だよ!こんなことした奴!許せん! 僕には今日しかこれを見るチャンスが無かったのに...(涙)
本当はこんなだったはずなのだ!
めちゃくちゃ凹んだところで、我が寝ぐらLESへ戻りスーツケースを買わなくては! なんせ"頼まれ"ものがあまりにも多く、スーツケース一個とダッフルバッグではとても間に合わない。こっちに来て追加のスーツケース一個を買うなんて馬鹿らしいが仕方ない。今度からアメリカに旅する時は最初からスーツケース二個持ちかな...
そうだ、じゃあついでにあそこにもいこう!
NYCに来たらゴールドを買うようにしてる。逆を言うとNYC以外でゴールドを買ったことはない。ゴールドって前まではちょっと品が無くてイケイケ過ぎかなーなんて思ってだんだけど、2015年くらいから付き合うアメリカ人の友達がほとんどもれなく、ゴールドを身につけてるのに気が付き、「どこで買ってるの?」って聞いたら「NYのチャイナタウンは安いぜ!」と言われ、2016年にゴールドについて教わった。初めて買った時はThe Good CompanyのKumasiに言われPopular Jewelryってところに行ったのだけど(有名なラッパーがこぞって通う名店)、その後友達からはこのNEW TOP JEWELRYの存在を教えてもらい、俄然こっちにシフトした。
初めて訪れたのは2018年だったかな? ちょっとイカつめのチェーンが欲しくて、当時一緒に彼女とアメリカを旅行していて、彼女もNEW TOP JEWELRYでの買い物をto doリストに入れていたので、ちょうど良い! と向かったのだ。その時買ったのがこのチェーン。
買って以来、身につける度にNEW TOP JEWELRYをインスタグラムでタグ付けすると、店主のJaneはいつも"イイネ!"をくれるので、ひょっとしたら覚えていてくれるかも、と遊びに行ったら、見事に覚えていてくれた。
「ギター弾きながら歌っている人じゃない!驚いたわ!」
と喜んでくれた。こんなに喜んでもらったら買わないわけにはいかない。比較的安めなものを選びキャッシュで払う。キャッシュで払うと少し値引きしてくれるのだ。
今回はちょっと変わった形のチェーンが欲しかった。色々出してもらってお気に入りを見つけると、
「ペンダントは?」
とJane。ここのオリジナルペンダントはとても可愛くて、日本のセレクトショップでも結構扱われたりしている。ただ、値段が倍くらい違うのでNYCに来たら絶対こっちで買うべし!
オリジナルペンダントの中にピザ型のがあった!
(写真は@NEW TOP JEWELRYインスタグラムより)
ので、
「この中だったら断然ピザ! でもペンダントまで買うと予算オーバーだからチェーンだけで良いよ!」
と僕。残っているキャッシュで買えるもののみにしようと決めていたのだ。
そして取材を申し込み、短時間だがインタビューをさせてもらった。Janeはインスタで見ると凛としていて格好良いストロングウーマン! 的なイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれないが、実際の彼女は物静かで優しくてシャイ。素朴な良い店主だ。
インタビューを終え、お会計をすると、「え?」
(チェーンのデザインちょー良くない?www)
いやいや、Janeはん! ピザ着いちゃってますがな! 払えませんゆうてるさかいにー!
と思わずエセ関西弁が英語で出そうなくらいテンパって、うわっこいつめっちゃ営業できるやん! 払ってまいそうや...
って思ったらなんと!
「これはプレゼントよ」
Holy!!!!! Jane本当にありがとう。一生お守りとして大切にするね。今回の旅、NYCで今日以外ピザしか食べてこなかった僕にとっては、パーフェクトなギフトだった。
こういうのが旅の一生の思い出だったりするし、だから僕はやっぱり自分の好きな人、友達にお金を払いたいんだ。
スーツケースを買い、一旦部屋に戻るとドッと疲れがw
このまま部屋に居座ると寝ちゃいそうで勿体なかったのですぐさま出る。今日はLESをブラつこう。友達のManon MacasaetとSupremeやFucking Awesomeの女性ライダーとしても有名なBeatrice Domondに取材を申し込んでいたんだけど、2人とも忙しそうで、返事待ちだ。
まず向かうは
LESのスケートショップと言えばLABOR! 小さいけど店内外いつもスケーターで賑わっている。
店内にはDylan Riederを忍ぶボードと薔薇が一輪。
5年前に他界した彼なのだが、今でも世界中のスケーターからリスペクトされている。
そのDylanと仲間が始めたThe Hunt NYCというアクセサリー兼ヴィンテージショップがLABORのすぐ近くにあったはずなのだが。Googleマップを使っても辿り着けなかったw
徒歩1,2分な筈なのに...。
LABORの目の前に設置されたこれは誰かを弔っているのだろうか。周りにはスケーター達が座ってチルしていた。
Harmony KorineがSupremeの為に撮影した"Sun Damage"の広告。
アメリカの広告ポスターのスタイル好き。適当感めっちゃあるもんねw
そのまま歩き続けると、今回の旅で初めてSpace Invaderのタグを見つける。
一生懸命いい感じの写真を撮ろうと頑張っていたら後ろから、明らかに観光客の親子が話しかけて来た。
「もしもし、良かったらこのゲームをダウンロードしたら如何ですか?Invaderを見つけるゲームで無料ですよ。NYCには50以上あって僕等は今日だけで19個見つけました!」
1日で19個はすごい! 僕も一時Invaderを歩きながら躍起になって探していた。NYCでも結構見たが、1番好きなのはWilliamsburg Pizzaの上にあるニンジャタートル風のタグだ。
(これは2018年撮影)
さて、ここからどうしようか。まだ行っていない店でも回ろうか。買い物はしなくても今のアメリカのトレンドを知るには、実際に店に足を運ぶのが1番だ。
インスタでは収集しきれない生の情報がそこには眠っている。要は百聞は一見にしかずというわけ。
LA本店には行く暇が全くなかった。NYCのVintage by Round Twoを訪れる。
Round Twoは元々Sean WotherspoonがスニーカーやSupremeの転売ショップとして始めた元祖転売ショップだ。そこから枝分かれし、ヴィンテージに特化したのがこのストア。キューレートの仕方もていねいだし、スポーツ、ロック、ラップ、映画、アメコミ、カートゥーン、アニメとジャンル分けもかなり細かかった。
こちらが、スニーカーやSupremeを始めとするストリートウェアブランドをプレミア価格で取り扱っているRound Two NYC店。ついこの前リリースされたSupremeのAir Force1のTanが大量入荷していた。
次は、Ryanに行くように激プッシュされていたAIME LEON DOREストアへ。
今回NYCのストアの中で1番カッコよかったのがここだったかな。
置いてあるアイテムのクオリティーも高いし、クリーンだ。更にはカフェまで併設されている。
その名もCAFE LEON DORE。まだ日本に店舗が無くて、WISM等が扱ってはいるけど、日本に店舗が出来るのも時間の問題かもしれない。
なんだろう、(NOAH+KITH)÷2といった感じの世界観だろうか。
写真でご覧いただいたら分かるかと思うが、入店までに結構並んだ。
外ではカフェ利用客がこんな感じでチルってる。正に「いい感じ」のショップだ。
近くのNOAHにも寄ってみよう。
元Supremeのクリエイティヴディレクターで今ではJ. Crewのメンズウェアチーフデザイナーも担っている、Brendon Babenzien率いるNOAHは店のサイズを倍にし、日本のストアに勝るとも劣らない世界観に。日本で見られたアイテムもこちらの店舗ではほぼ完売。人気の高さが伺えた。
歩き回り疲れたところで、airbnbから近所の深夜まで美味しいアメリカンパイを提供してくれるPetee's Pie Companyへ。ピザを食べるほどではないが、お腹は減った。
甘いデザートで1日を締めようではないか!
バナナクリームとチョコクリームパイを注文。ここのホイップクリームが最高なんだ!
(写真は@Petee's Pie Companyのインスタグラムより)
待ちきれず一気に食べてしまい、写真を撮るのをすっかり忘れましたw
さて、NYCも自由に動けるのはあと1日。明日は忙しいぞ。
お休みなさい。
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Sho Mitsui
元英語教師、現カルチャーコーディネーター。チャンネル登録者121万人越えのYoutuber、PDRさんと一緒に隔週で放送している「痛いおじさんズPodcast」が大好評。いつかはプロPodcasterとして生きていくことを夢見つつ、世界中のセレブにご飯を食べさせて貰いながら、どうにかこうにか息をしている。
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