interview: Pojo

About Time #27

interview: Pojo

Contributed by Sho Mitsui

Trip / 2021.12.14

1年9ヶ月ぶりにアメリカに旅立った通訳・翻訳家&カルチャーコーディネーター兼英語教師の三井翔さん。著名人からアップカマーまで、アメリカ国内に謎のネットワークを持つ彼にしか見えない、コロナ禍以降のアメリカの「リアル」を毎週お届け。今回はモデルでありインフルエンサーであり、モデル×食について話し合うスペース「Models That Eat」をつくるPojoにインタビュー。

#27

Pojoには今回の旅で初めて会った。彼女はSNS上で圧倒的なプレゼンスを誇るインフルエンサーで、僕の妹の「頼まれ事」が理由で会う事になった。Pojoと僕の妹は、PojoがMcNally Jackson Book Storeで妹のzineを見つけた事がきっかけで出会ったそうだ。妹の"Food on a Photograph"のプロジェクトに感銘を受けたPojoが妹に連絡を取ったところ妹がたまたまアメリカにいたため実際に会い、意気投合したことからPojoのプロジェクト"Models That Eat"とのコラボレーションが決まり、日本での"Food on a Model"の展示が決定したそうだ。今回、妹が大量の荷物をPojo宅着にして僕に託すという、なかなかワイルドなお願いをしたためにこうして待ち合わせだのだが、少し話してみたら凄く楽しかったので、取材をしてみる事にした。きっと面白い話が聞けると思ったし、何より彼女の人となりに興味を持ったからだ。

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ハーイ! Pojoよ! Pojoはニックネームで本名はPhoebe Josephだけど、中学からずっとPojoって呼ばれてるの。なんで、Pojoかって? ミドルネームとラストネームの短縮バージョンね。お母さんの旧姓とお父さんの苗字をあわせてPoter-Joseph → Pojoって感じ。最初、インスタグラムのアカウントを立ち上げた時はPhoebe Pojoっていう名前で始めてて、友達が皆んな"Pojo"を面白いと思ってくれたのね。それで、私も"Pojo"って良いなーって思ってさ。

13歳の頃からニューヨークでモデル業をやっていて、それがきっかけでファッション業界に興味を持ったの。私の友達のほとんどがソーホーキッズで私はVFILESでインターンしたり、面白い事をマンハッタンで色々やってたのね。で、18歳の時"Models That Eat"を自分のプラットフォームとして始めたの。モデル達に食と体の関係性についてインタビューをして、今やポッドキャストになったんだけど。他にはサスティナブルでヴィーガンベースのクールかつエシカルなブランドと一緒にSNS上でコラボして、マーケティング戦略とかコンサルティングを手掛けているわ。もはや、自分が何屋さんなのか分からない状態だけれど、楽しんでるわ!

もちろん機会がある時はモデル業もやってるけど、所謂「専業モデル」ではないの。私の友達の多くはプロのモデルよ。別次元のライフスタイルで皆んな頑張ってる。私も最近新しい事務所と契約したし、楽しみながらモデルを出来てるのは幸運だわ。でも、今1番やりたい事はブランドや起業家のスキルの向上を手助けする事なの。所謂、裏方の仕事だけれど、凄く楽しいわ。私はインターネットが大好きだし、まあ、インターネットは中毒性があるから気を付けなきゃだけどさwww

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Pojoは笑顔を絶やさず、ハッピーなバイブスで話してくれる。そこから感じるのはGen-Z特有の新しい才能、創造性そしてヴィジョンだ。インターネットをプラットフォームとして、自分の才能を最大限に活かし、ライフスタイルを作り上げる若者が多いが、彼女もそんなクリエイターの1人であることは間違いない。そんな彼女の"Models That Eat"ってなんなんだろ? 詳しく知りたい。

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(写真はModels That Eatインスタグラムより)

"Models That Eat"では本当に色々な事を扱っているけれど、最初はフードアカウントとして始まったのよ。私や友達の所謂モデルが食べるものを投稿していたの。「モデルは食事制限がハンパない」っていう一般的な偏見がウケるなってずっと思っていてね。「私達だってハンバーガー食べるし!」みたいなね。でも、少しずつ現実を知るようになって、私は食べ物によって自分がより自分らしくいられていたのだけれど、そうじゃないモデル達が沢山いるという事実に直面したのね。多くのモデル達は食べる行為がトラウマみたいになっていて、それっておかしいでしょ? 業界からは「痩せてなきゃいけない。食べちゃいけない」って言われ続けてさ。そんなセリフが頭から離れられなくなっちゃうのよね。で、多くの人はそれが原因で病んじゃうし。だから、私はモデル達がその様な事に関して自由に話し合える場を提供したかったの。事務所やクライアントとかを一切気にせずにね。「私が一切の責任を負うから、正直に話して!」ってさ。だって、これは私が作ったもので私のプラットフォームだから。ただ、みんなに食べ物に関して気持ち良く話し合って欲しかった。それに、"Models That Eat"はモデルとファンのギャップを埋める役割もになっているわ。多くのファンはモデルをメディアを通して鑑賞するでしょ? で、「あーあ。私もこのモデルさんみたいな外見だったら良かったのに」って自己肯定感を下げてしまうのよね。でも、ファンはモデルがその外見に至るまでの地獄の様な過程を全く理解していないのよ。だから、舞台の裏側について明らかにすることによって、ファンがよりモデルの事を理解できるきっかけになればと思ったの。それで、自分とモデルを比べるのではなく、親近感を持ってもらえればなって。

それ以外にも、楽しい企画を沢山しているわ。カオルやanna magazineとやった"Food on a Model"もその内の1つよ。それがきっかけで、2週間半日本にも行けたし。間違いなく"Model That Eat"のハイライトだったと言えるわ。ちょうど、昨晩友達と話していて「他人に人生を変えられたことある?」って聞かれて。「うん!カオルに変えられたわ!」ってね。見ず知らず、全くの他人だった私達が彼女の作品で繋がったの。運命よね!全てが上手くいって本当に感謝しているわ。日本に行った時は、Shoのご両親の家にも泊めてもらったのよ!(マジで知らなかったw)ゴールデンウィーク中だったからShoには会えなかったのかもね。あなた達のご両親大好きよ! また、日本にも行きたいな! 京都にも行ってみたいしさ。前回は東京で手一杯だったからw 美味しい東京のレストランや居酒屋横丁にも沢山行った! すごく楽しかった。

今や"Models That Eat"も大きくなっちゃって上記の活動にとどまらないのね。多くのモデルをインタビューしてきたおかげである種のコミュニティーが出来たの。だから、ポッドキャストのスタジオとそこにいるチームと一緒にする仕事が今はメインかな。昔は1人でソニーのA65カメラを使って全て撮影していたんだけれど。ポッドキャストを録音する時は動画も一緒に撮るし、"Dine N Dash"ていうインタビューシリーズがあるんだけれど、そこでは食にまつわる話とか、モデルと食との関わり方とかについて話すの。インタビューするモデルが指定したレストランでね。凄く楽しいのよ。そして、それらの全てをドキュメンタリーとして残しておいたの。“Models That Eatをやっていたから雇われたキャンペーンもいくつもあったわ。アウターのキャンペーンをやった時はハッピーにパスタを食べるセットで撮影したし! 楽しかったわ!

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すごい! 10分弱話してみてPojoのハッピーバイヴスと、本当にこの子良い子なんだなーっていう印象に包まれ、めちゃくちゃ楽しい時間を過ごしていたのだが、ある事が気になった。Pojoは食べ物が大好きだ。恐れなく、バンバン食べるようだ。しかし、Pojoのスタイルは抜群だ。一体どうやってそのプロポーションをキープしているのだろうか? 何か個人的に気を遣っている面などがあるのだろうか? 聞いてみた。

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「インテュイティブ・イーティング」(自分の直感で食べるダイエット方)が私のポリシーなの。だから、自分の体をそれに適応させる訓練も必要だったし、自分の体に耳を傾ける事も学んだわ。あとは、食べ物に優先順位をつける事ね。今、何を食べたら気分が良いか、ということ。ジャンクフードを常に食べる事は私にとって気分の良い行為ではないの。だから、それはしない。でも、今日みたいに美味しいドーナツは気分良く食べられる! だって、自分が食べたいと望んでいるドーナツを自分で選んで食べているからね。さっき、私が行ってきたヴィーガン中華料理店で食事した時も気分が良かったわ。私があまりにも注文するものだから、店員さんが「君お腹減ってるねー」って。「うん!腹ペコよ!」っていうねw 私は頼んだ物は全て平らげるし、幸福感に満たされたいの。自分の体に耳を傾けて、自分の気分に正直でいたからね。多くの人は自分の体の言う事を聞いていない気がするのよね。ニューヨークに住んでいると常に様々な刺激を受けっぱなしなの。忙しく走り回って、呑み回って...ファッション業界の人達も食べ物のことを考える暇なんて無いわ。健康に気を遣っている暇もない...カオルとのプロジェクトで食べ物のデリケートさについても学んだわ。あのプロジェクト以降、私の食に対する視点が変わったの。食をより楽しめる様になったし、モデルの子達もそんなにケチケチしなくて良いんだって。私の"Models That Eat"での目標は人々に「食は気分の良いものであるべき」っていうコンセプトを伝える事かな。「あれ食べちゃダメ。これ食べちゃダメ」っていう風には考えて欲しくないの。こういうベーカリーに入店して「ダメダメダメ砂糖も、あれもこれも入ってるし...」ってペイストリー見た後に罪悪感を感じて何も買わずに帰っちゃう人もいるのよ。私はヴィーガンだけど、ヴィーガンだからって健康な食生活を送っているとは限らないわ。オレオを一日中食べてたってヴィーガンだからね。でも、私はバランスの良い食生活を心掛けてるわ。植物由来の食べ物が大好きだし...本当に腕の良い料理人とは植物由来の素材で美味しい料理を作れる人の事を指すのよ。世の中には「俺は宇宙一のシェフだ!」とか豪語しながら、ナス1つろくに調理出来ない人もいるからね。だから、自分がシェフや食界隈に良質なネットワークを持てて幸運だと思っているわ。彼等のお陰で食が楽しいって事に気付けたし、食を制限する必要なんてないのよ。もちろん、私はヴィーガンで食制限を設けているわけだけど、それは私が動物を愛しているから。大切なのは食を愛し、食の愛し方を学び、体の声に耳を傾け、冒険して自分の好みを見つけることね。週2日でジムに通ってるけど、一般的には少ない方よね。こう見えて、ウェイトリフティングをやってるのよ。まあ、今言った全ての事で体調を整えてる感じかな!

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すごく自由に、自分の感性を大切に食と向き合っている事が伝わってくる。いまや、ヴィーガンが一種のファッションとなっているが、Pojoはあくまで、動物愛ゆえのヴィーガンを貫いているという所もすごく好感が持てる。そんな、Pojoがこの世で1番好きな食べ物って何なんだろう?

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最後の晩餐に何を食べるかって? 1ヶ月前に聞かれていたら、タイ料理って答えていたと思うわ。パッタイとかさ。でも、今は四川料理が気分だわ。激辛の中華ね。麻婆豆腐とかさ。四川料理食べた後の満腹感が好きなのよ。そのまま、「バイバイ世界!」って言えたら幸せだわ! ニューヨークにスパイシームーンっていう中華料理屋さんがあるんだけど、オススメよ! イーストヴィレッジにもウェストヴィレッジにもあるの。Shoも行ってみて! すんごく美味しいから!(行けなかったぁー涙)行くならウェストヴィレッジ店がオススメね。向こうの方がメニューが豊富なの。ところで、ここのドーナツ美味しかったでしょ?(美味しかった!と答える僕w)ここのドーナツは健康的にも凄く良いの。ここの料理本を見れば一目瞭然よ。もう一つも食べてみて。私もうお腹いっぱいだから、全部どうぞ!w カオルと私が仲良い理由は同じ視点で食べ物を見られるからなのよ。彼女のおかけで、私の目が肥えたと思ってるし。本当に、カオルが私の中の食の新たな世界を開いてくれたの。安っぽく聞こえるかもしれないけれどね。食生活も変わったわ。以前はレストランで料理が出てきたら、納得がいく写真が撮れるまで永遠とスマホを料理に向けていたけれど、今は一枚サッと写真を撮ったらスマホをしまって、料理を楽しむことにしているの。もっと多くの人がそうなれば良いなと思ってる。

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Pojoはリアルなインフルエンサーだ。きっと、彼女のマインドセットが彼女のフォロワーの食への目線を新たなものにし、フォロワー達に食の新たな一面を紹介するのであろう。ところで彼女は一体何故、ポッドキャストを新たなプラットフォームとして選んだのだろうか?

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さっきも言ったけど私の番組は基本ワンマンショーなの。全部自分1人で作り上げてるんだけど、"Dine N Dash"シリーズで10分〜30分の短時間の会話エピソードをYouTubeでやったことがあって、それじゃあ全然時間が足りないと感じたの。それに、そこで行った会話はどれも重要なものばかりで、フルで流す必要があると使命感に駆られたわ。そこで、もっと長時間、自由に会話を楽しめる場を求めてポッドキャストを選んだのよ。編集も動画より楽だしね。もちろん、Youtubeで動画バージョンも見られるけれどね。でもね、私のポッドキャストの1番の「売り」ってモデルの声が聞けるところなの。皆んな、モデルの顔はインスタで飽きるほど見ているでしょ? でも、モデルが喋るところを聞いたことがある人って案外少ないのよ。例えば、Shoはシンディー・クロフォードの声を今頭に浮かべられる? 無理でしょ? そういう事なのよ。だから、ファンにモデルの声を届けたいっていう思いがあるわ。面白いわよポッドキャスト。私自身もめっちゃ他人のポッドキャスト番組を聞くもの。私達のポッドキャストは有益な情報を提供していると思うわ。もちろん、学校で習う様な内容ではないけれど、ネット上に存在している数ある情報の中ではとても有益だと思う。モデル達もリスナーと同じ「人」なんだって事が分かって貰えると思うわ。



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うーん! なんだか、とっても聞きたくなってきたぞ! Pojoの"models that eat"ポッドキャスト! みんなも聞いてみてね! さて、最後はもちろんコロナが彼女の生活に及ぼした影響について聞いていきたい。特に彼女の関わる、エンターテインメント業界と食業界は1番ダメージを受けた界隈なはずだ。

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コロナ禍で全てが変わったわ。アメリカで最初のコロナ感染者が発覚したのがオレゴン州のポートランドだったのだけれど、私はちょうどその時ポートランドにいたのよ! 信じられる?! ポートランド全土が大混乱して妹と一緒に行ったんだけれど、まさかそんな事になるとは思ってもいなかったわ。家に帰ってみると、そこは別世界になっていたわ。たった2日で町中がロックダウンよ?「ロックダウン」が何を意味するのかすら理解できなかったわ。え?どゆこと???っていうw 全ての店が閉まっちゃって本当にイカれてたわ。人々もパニクっちゃってスーパーでトイレットペーパーとか訳も分からず大量買いしちゃってさ(日本でもありましたね。これ)ニュージャージーに家があってラッキーだったわ。本当はコロナが始まる辺りでニューヨークのアッパーイーストサイドに引っ越そうと思ってたのよ。コロナのおかげでマンハッタン内の家賃はめちゃくちゃ下がったんだけれど、誰も引っ越したがらなかった。だって店は全て閉まっていて、生活なんて出来たものじゃなかったからね。これは政府からの命令だったしね、どうしようもなかったの。モデル界隈も仕事が一切無くなったわ。私も7月まで全くオファーが無かった。予算も削られて、倒産するブランドも相次いだの。当時は私もモデルを本業としていたから、すごく困ったわ。でも同時に、買うものも、する事も特に無かったじゃない? だから、失業保険を貰って暮らしてた。多くの人がそうだったのよ。彼氏と私は1時間半くらい離れたところに暮らしていたから、ある週は彼がウチに来て、ある週は私が向こうに行く...みたいにして暮らしていたの。アットホームでチルしよ! みたいなバイブスよ。食べる事とワインが大好きだから、飲んで、食べてたし。でもコロナ禍があって良かったなって今になって思うの。ポッドキャストだってコロナがなければやってなかったわ。コロナのおかげで、1人で全部抱え込まず、チームを持った方が長続きする事に気付いたし。コンサル業を手掛けてるPojo Studioも出来たし。そこで、自分が共感出来る大好きなブランドの手助けをしたかったの。歌手、モデル、俳優のタレント業って常に受け身で「待ち」の仕事じゃない?もう待ちたくなかったのよ。自分のビジネスを持って何事にも縛られたくなかった。事務所からの電話を待つのももうイヤだったしね。キツかったし、友達と離れ離れになって悲しかったし、カオルにも会えなかったし...でも、半年後にはもう日本にも行けるようになってると思うし、実は今後の自分の人生がどう変わって行くのか楽しみなの! この1年半ですごく人間として成長した出来たしね。私のコロナ禍のスローガンは"Life is weird but that's okay."(人生は奇妙だけどそれで良くない?)なの。Tシャツにすべきって?そうかもねw このスローガンでCarrotsとコラボしたいなーw Anwarがやってくれるなら是非!w ニューヨークはすっかり変わっちゃったけれど、それがきっかけでより結束が強まったと思うわ。食シーンもね。人々は外食の大切さを再認識したし。私もわざわざニューヨークまで外食をする為だけに足を運ぶ様になったわ。自分の好きなレストランをサポートしたいもの。それに、家賃が下がったおかげで新しいレストランも増えたしね! コロナ禍の最初は本当にどん底だったけれど、それが逆に私を奮い立たせてくれたから、今となっては全てに感謝しているわ : )

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まさか最後の最後にPojo x Carrotsコラボの可能性が浮上するとは!!! これだから、クリエイティブを繋げるのは凄く楽しいんだ。この文字起こしをするまで、この企画の事を忘れていたが、さっそくAnwarとPojoを繋げたいと思う。

Pojoがいかにクリエイティブで才能に溢れているか、そしていかに「食」を愛しているかが伝わるインタビューになったと思う。この記事が皆さんの新たな食スタイル、そして食に対する新たな視点が生まれるきっかけになったら、これ以上の幸せはない。みんな、Pojoの"models that eat"チェックしてみよう!


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