
About Time #31
Wanto in NYC
Contributed by Sho Mitsui
Trip / 2021.12.27
#31
日本でもアメリカでもきっと世界どこでも。ストリートには無数の楽しみ方があって、僕にとってその1つは街中のグラフィティに注目する事だ。残念ながら(言って良いものか正直分からないが)日本の景観の多くがグラフィティにそぐわないし、そもそもグラフィティを描く事は万国共通どこでも違法行為なわけで、それを愛でるなんて、「お前は何事だ!!!」なんてお叱りのお言葉が読者の皆様から聞こえて来る気がしないでもないが、「面白いな」と魅せられてしまったのだから仕方がない。もちろん、気分を害されるグラフィティはこの世にごまんとある。それを僕はグラフィティだとは思っていない。ただの落書きだ(これは全て個人の意見です)。だけれど、世界中の人々がBanksyのグラフィティを「アート」として愛でるのと同じ様に、

僕にも街の中で、「アート」としてつい鑑賞してしまうグラフィティがある。
それは、ufo907かもしれないし、

Invaderかもしれないし、

Neckfaceかもしれない。

いまや、現代美術家として誰もが認めるKawsだって元々はグラフィティライターだったわけだし、

もっと遡れば皆んなが大好きなJean-Michel Basquiat(SAMO名義で活動していたのは有名な話)だって、Keith Haring(サブウェイドローウィングのはしり)だって元々はグラフィティライターだ。
近年はグラフィティライターが自己表現の場をストリートからキャンバスに移し、芸術家として活動を始めることも珍しくなくなった。
僕が今回、NYCのストリートで夢中にスマホを向け続けたWantoもその1人だ。2021年は成山画廊にて既に2回の個展を開催している。


日本人グラフィティライターをNYCのストリートで見つけるとやっぱり心が踊る。今回の旅では時間の関係上、わざわざグラフィティを探索する動きはしなかったが、歩く時は常に辺りをキョロキョロと見回し、面白いグラフィティはないか? Wantoはないか? と悟空ばりにグラフィティの気配を察知しようとしていた。(な〜んとなくありそうな場所って勘が働いたりするものだ)
それでは、僕のWantoコレクションご堪能いただこう。

白いアウトラインに黒抜きのスローアップ(2色使い)。上に多少タギングされているものの、圧倒的な存在感。

黒いアウトラインにターコイズのスローアップ。スローアップの上には基本タギングをしないのがストリートのルールで、礼儀正しいライター達(wantoのスローアップの上にタグしている人達)の中にも、お構いなしにステッカーをボムしている奴らがいるため、この状態。シングルのメールボックスの2面をうまく利用している胸熱バージョン。Aの真ん中が★になっている所もポイントが高いw

これはミラーバージョンのスローアップで面白い。左上に「19」と書いてあることから、2019年以前に描かれたものである事が分かる。上にタギングされているのは多少ムカつくわけだが、青いグルグルがちょっとキュートで嫌いじゃない。

ストリートを歩いていれば、スローアップやタグだけではなく、wantoのステッカーだって目に留まる。黄色いロゴが緑のボックスによく映える。



上の「ZIPGUN生活の為」が気になるw おそらく"ZIPGUN FOR LIFE"(ZIPGUNよ永遠に)をGoogle翻訳にでもかけたのだろう。ウケるwww






Wanto 346はあまり見かけない。深い意味は分からないのだが、赤いアウトラインが、緑のメールボックスに映える。
この様な感じで、ほぼメールボックスシリーズとなった今回のwantoコレクション。以前耳にしたのだが、メールボックスへのボム(グラフィティを投下すること)は意外と残るそうだ。
ちなみにメールボックスのあるべき姿がこちら。

NYCのストリートのあちらこちらにダークグリーンの姿で凛とたたずむニクメナイ奴だ。グラフィティまみれになった彼をこうやって綺麗なダークグリーンに塗り直している方がいると思うと、グラフィティを見つけて心を躍らせる自分に罪悪感を抱くのも事実だ。が、ライターが確固たる意志とメッセージ性を込めて、然るべき場所(その昔、Jason Dillに他人の家と教会だけには絶対ボムってはならぬと教わったw)にボムれば、僕みたいな者にとって、それは単なる落書きではなく、世界中のストリートをたちまちアートギャラリーに変えてしまう、立派な芸術作品になり得るのだ。
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Sho Mitsui
元英語教師、現カルチャーコーディネーター。チャンネル登録者121万人越えのYoutuber、PDRさんと一緒に隔週で放送している「痛いおじさんズPodcast」が大好評。いつかはプロPodcasterとして生きていくことを夢見つつ、世界中のセレブにご飯を食べさせて貰いながら、どうにかこうにか息をしている。
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