To Me, Somewhere in the World #7
長野、2021、運命、未来
Contributed by Yoko
Trip / 2021.12.29
未知なモノすべて知らないことを知りたい、欲望に忠実に生きるフリーランスのWebライター・編集者Yokoさん。日本国内の旅の話をリアルタイムで、時に振り返りながらつづる旅連載。
#7
友達と散歩をした。
具体的に言うと、友達の女の子がちょっと元気がなく、夜に連絡をとっていたけれどやっぱりちょっと心配で、「明日一緒に朝ご飯食べようか」って提案したら、「じゃあ私が作るよ!」となんと作ってもらえることになった。楽しみにして寝て、起きて、朝その子の家まで歩いて行って、家に上がって、料理を作る背中を見ながら話して、食べながら話して、食べたあともだらだら話していたらお昼になって、「じゃあ散歩しようか」ってなったので、足元に雪が残る街を「寒いね」と言いながら一緒に歩いた。
散歩をすると気持ちが整理される気がする。
人に作ってもらう朝ごはんはとても美味しい。
年々保守的になっているなと思う。
旅行に関しては「明日札幌行くか悩んでる」と、東京でも神奈川でも長野にいても真剣に言えるくらいには攻めの姿勢。
ただそれ以外の、何か新しいことを始める時の一歩を踏み出す感度が鈍っている気がしている。仕事にしても、引越しにしても。
結局、一時的にでも関東を出るまで10年かかった。
オーストラリアに住んだり、東京を出たりしたことはあったけれど、どうも東京バイアスみたいなものが心にあったみたい。
ここを離れたらもう何も残らないんじゃないか、みたいな漠然とした不安。
上京する前のずっと昔、つまり最初はそこにいなかったはずなのにね。
けれど始めてみれば(引っ越してみれば)そんなことはなかったし、そういうことって本当によくあるな、と思う。始めてみないと、わからないこと。
大好きなゲストハウス・玉村屋の最寄、今庄駅。反対は「いってらっしゃい」。
去年仕事をやめて「月〜金曜日に働いて暦通りの休み」というサイクルが崩壊して以来、動けるときは動けるだけ、動きたいだけ自由に動いて生きてきた。
2020年よりも2021年の方が旅の頻度は落ちているのだが、それでも合計140泊(1年の約4割!)くらいしていたらしい。数字にすると恐ろしい旅マニアである。
旅の道中は、未来を考えているようで考えていない、考えていないようで考えている、そんな日がたくさんあった。いろんな人との距離感をあえて変えたし、変わった。でもたくさんの新しい場所をみつけた。大切な場所や大切な人たちに出会えた。
沖縄・名護のブセナビーチ。
旅は自分が今いる位置から少し離れて思考できるから好きだ。
心の距離だけではなく物理的な距離も大事で、非日常であることに意味がある。
離れた瞬間にふと気持ちの余裕が生まれるからこそ、この先やりたいことが見えてきたり、人を俯瞰して見られたりする。そして好きな人に好きだよと、大切な人に大切だよと、思うし伝えたくなるし、実際に伝えることもある。いつもではないけれど。
本当に近くにいる人にこそ、伝えたいはずなのに伝えられないことが多いから。
長野に住みたいと思えるきっかけをくれた優しい人たち、いつもそばにいてくれる人たち、離れていてもつながってくれる人たちに心から感謝。
みんな大好き。ありがとう。
長野のゲストハウス・ピセで季節外れの花火。楽しい。
今がどんなに幸せでも、忘れたい失敗やつらかった過去に対して「点と点がつながったからこれでチャラ」とは思えないし思ってはいけない気がするけれど、いろんな分岐で選択してきた過去があるから今があることは事実。
だからそれぞれの決断自体には、意味があったと思いたい。
少なくとも今長野にいること、ここに来たことは自分にとって幸せだ。
運命なんて後付けの言葉。
でもそれを作り出すのが自分なら、2022年は望む未来を生きていきたい。
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Yoko
長野在住、北海道出身。世界一周予定が新型コロナウイルスの影響で中止に。東京から葉山、長野へと拠点を移しつつ、国内外を自由に旅している。レバンガ北海道(#11)とアイスが好き。フリーランスのWebライター・編集者。