ネロとパトラッシュ、<br>ワッフルとベルギービール

Mamma mia! #91

ネロとパトラッシュ、
ワッフルとベルギービール

Contributed by Aco Hirai

Trip / 2022.01.18

イタリアに活動の拠点を移し、フリーのエディター・ライターとして活躍するAco Hiraiさんの生活をパーソナルな視点で綴った連載「Mamma mia!」。今回は、12月に行った旅の続き。アントワープの写真いっぱいでお届け!

#91

帰りのエアチケットを取らずに出発した今回の旅。
アムスの次は、アクセスが楽ちんなベルギーの首都、ブリュッセルへ向かおうと決めていた。
そんな矢先のこと。
ブリュッセルで「グリーンパス」を巡って抗議デモが暴徒化する事件が起きたことを知り、急遽行き先を同じベルギーでも、ちょっと手前のアントワープへ変更。
列車のチケットを取る前で本当に良かった〜。

訪れてみたいって言う欲望を満たすことも大事だけど、危険から身を守ることはもっと大事なので、すぐさま目的地を変更。「もしものこと」が起こるのが良くも悪くも旅だもんね。

アムスで友人とバイバイしたら、一人列車に乗りアントワープへ。

アントワープまでは列車でたったの1時間15分。激近なのだ。
ちなみにアムスって近隣国へ行くのに本当にアクセスがよくて、ロンドンまでも飛行機ですぐ!
到着するまで観光地のリサーチでもしながら妄想にふけようと思っていたのに、1時間15分の移動はあまりにも短くて、ふける暇なく、はい到着(笑)!

まず着いてやることは決まっていた。
駅内にあるショップに入って、店員さんに

「今ってロックダウンしてませんよね?スーパーやレストランは通常営業ですか?」
と聞くこと。

アムスで学んだけど、今の時期は現地でこれを確認することが大事(笑)。もちろん調べてロックダウンでないことは確認済みだけど、一応現地でも情報収集!

幸い、アントワープはロックダウンしてなかったので、
今夜は何を食べようかな〜
って考えながら、駅を出ると雨だった。
「さむっ!」
雨は絶対降らない! という根拠のない自信と一緒に旅に出るので傘は持っていない。(←これ、荷物が増えるって言うのもあるんだけど、運試しも兼ねて。きっと晴れていい時間になるよね、って言う)

駅からホテルまでは歩いて8分なので、近くで傘を調達してホテルまで足早に向かった。
ちなみにアントワープは、街自体がコンパクトなので、どこへ行くにもほぼ徒歩でOK!

雨降りアントワープ。ミラノにもありそうでなかなかないのがこんな感じのポップなサイン。



今回のホテルは、エントランスにある機械でデジタルチェックインができるという画期的なシステム。1Fには共有スペースのキッチンがあったり、卓球スペースがあったり、東京のシェアハウスみたいな雰囲気だった。

チェックインが終わったらちょっとゆっくりして、腹ごしらえ。
ホテルのスタッフに色々アドバイスをもらって、来た駅とは反対方向のグローテマルクト広場という飲食店が立ち並ぶエリアへ向かった。

心配していた雨もすぐに止んだので夜の街へ。アントワープ市庁舎のクリスマスイルミネーション。



とりあえず飲むでしょ、ベルギービール!



さて、アントワープと言えば、「フランダースの犬」らしい(私も知らなかった)のだけど。
どの辺が「フランダースの犬」かというと、主人公のネロと愛犬パトラッシュが天国へ旅立った大聖堂があり、ネロが最後に見たかったルーベンスの祭壇画が飾られているのだ。
ストーリーは、ざっくりと悲しい話ってことぐらいしか知らなかったので、ホテルに戻ってからYouTubeでチラ見しながら予習?復習? することに(笑)。

翌日。
ワクワクしながらやってきた噂の? ノートルダム大聖堂。

中はこんな感じ。ただただ、美しかった。この神聖な空気感に少しでも長く触れていたいって思ってゆっくり、ゆっくり回った。



ルーベンスの祭壇画。ネロはこれを見たかったんだ〜と、昨晩の復習の成果があらわに(笑)。



心地よい陽射しが差し込んで白壁がより一層美しく見えた。ちなみに世界遺産です。



大聖堂を出るとネロとパトラッシュのモニュメント。「フランダースの犬」って世界的に有名なわけじゃないから日本人以外にはきっと謎!そしてかなり唐突なモニュメントだけど、私はこの安らかな表情に癒されたな〜。



ファッションが盛んな街って知ってたけど、至る所に量り売りのヴィンテージショップがあるなんて知らなかった!



観葉植物が置いてあってなんだかセンスが良いお店!!



昼間のアントワープ市庁舎。



「世界一美しい駅」にも選ばれたことがあるらしいアントワープ中央駅。



お目当てのブックストア、@boekhandel_stad_leest。ここ良かった〜、もう1回行きたい!



そこで見つけた、ウィスキーポーカーが気になる。ウィスキー好きなもんで(笑)。



ノートを持ってないときは、ベルギービールのコースターの裏がメモ帳がわり。いろんな思いを書き留めておくのにすごくいい!



とある美術館。誰かの旅記事(新しめ)に入館無料と書いてあったので、何も疑わず料金を払わずに鑑賞してたら、スタッフに「あなた、入館料払ってないですよね?」と呼び止められることに。みなさん、誤報には注意しましょう(笑)。



「ワッフルってこんなに美味しかったっけ?」ってぐらい美味しかったベルギーと言えばのワッフル。これでもう満足だ〜!



ベルギービールが飲みたくて、通りまで聞こえてくる心地よいジャズに誘われて入ったら、ワインバーだった。びっくり!でも、オーダーしたのはベルギービール。



こんな調子で、あっという間に帰国日。

アントワープからミラノへの直行便は出ていないので、翌朝ホテルを出発してアムスのスキポール空港へ。

スキポール空港からは1時間ちょっとでミラノに到着。

ミラノに着いたら空が綺麗だった。空港で受けたPCR検査が陰性だったので、無事に自宅へ帰れることに。(EU内の旅行でのPCR検査は義務ではないけど、一応安心したいので)。



ただいま、ミラノ。


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