たりないくらいが丁度良い

To Me, Somewhere in the World #10

たりないくらいが丁度良い

Contributed by Yoko

Trip / 2022.01.19

「世界一周がしたくて、思い切って会社をやめた」
未知なモノすべて知らないことを知りたい、欲望に忠実に生きるフリーランスのWebライター・編集者Yokoさん。日本国内の旅の話をリアルタイムで、時に振り返りながらつづる旅連載。


#10

旅で訪れる場所は、離島や辺鄙なところが好きだ。
住むことは難しい(苦労がある)とわかっているからこそ、一時的な滞在地としての不便な場所は好ましい。

今回は沖縄市の沖縄アリーナに用があったので、なるべく近い宿を選んだら「陸の孤島」みたいな場所になった。SPICE MOTEL OKINAWA。2022年最初の旅の宿だ。

目的に近いコザはあまり治安がよくないイメージがあったのと、北谷は泊まるつもりだったがコロナ禍のご時世でも賑わっているイメージがあったので直前で変更し、静かそうな場所での連泊を選んだ。
初めて泊まる場所、北中城(キタナカグスク)。ライカムと、ローズガーデンが近い。沖縄好きにはこれで伝わると思われる。

モーテル外観。到着時は小雨。

場所はバス停から徒歩10分。登りは想定外。ちょっときつかった。そして現役のラブホと「日本人向け」風俗の看板を抜けた先にある風変わりな立地。びっくり。
モーテル自体も、昔そのような使われ方をしていたとわかる内装だった。夜は歩きたくないなと思ったけれど歩かざるをえず、それでも何も怖いことは起こらなかったので日本は大丈夫なのでしょう。

フロント兼カフェバー。

着いた瞬間は雨。
コンクリート打ちっぱなしの雰囲気と、フロントの「自動車」のネオンが目をひいた。コンセプト通りのちょっと変わった場所に来たなと思ったけれど、思ったより綺麗だったのでホッとする。1Fの部屋は車から降りて1秒で部屋。モーテルでは一般的なのかもしれないが、初めて見るタイプだったので驚いた。便利。車でも来てみたい。

目力の強い綺麗なお姉さんに2Fの部屋のキーと超軽朝食(サーターアンダギー1コとドリップコーヒーのパック×2泊分)をもらったものの、入口がわからずに荷物を持ったまま外の螺旋階段を往復。困惑しながらも、1Fのラウンジを通らなければ部屋に行けないことに気付き、なんとか中に入れた。

1Fラウンジ。奥にキッチン&ランドリー。この手前に2Fへの階段がある。

2F廊下。

印象はまるで沖縄北部の「ヤンバルホステル」。そこにちょっと似ているなあと思いつつ、ということはきっと好きだなと予想しながら外を見やるとパラソルセットがある。廊下を進み、一番奥か〜と思いながら部屋に到着。部屋に入ると知らない洋楽が流れるスピーカー、ベッド、簡易的な机、印象的な大きな鏡とハンガーラック、1ドア冷蔵庫があるのみ。でも十分。テレビのない部屋はいい。
ただ夏はきっと虫やヤモリという名の侵入者に多く出会いそうなので個人的には厳しそう……。とはいえ、冬は快適に過ごせたのでよしとする。

シンプルな部屋。

サーターアンダギー&セルフでコーヒー。

この部屋でコーヒーを飲んで、パソコンで仕事をしてからそのままの画面で駅伝を見て、外出して、ごはんを食べて、バスケを観て、日が暮れた頃に帰路につき、途中のサンエーでオリオンビールとさんぴん茶を買って、部屋に帰って音楽を聞いたり本を読む。そんな3日間を過ごした。部屋の明かりが漏れていたので他にも宿泊者がいたようだが、誰にも会わない3日間。

コザのサンエーで買ってバスに乗って帰った。大荷物で坂を上がって宿まで。

旅程を立てる時、大体めぼしい行先は決めてしまう。このご時世、行先の営業時間次第で旅程変更もあるので、きちんと考える時は候補もいくつか。でもそんな計画作りにちょっと疲れてもいて、今回はあえて余白をたくさん作った。そうしたら宿自体も余白があるような場所からのスタートに。こういう日を重ねるのもいい。

自分では選ばない音楽を聞いて、何もない部屋でぼーっとする。綺麗な景色もない。
トータルでも海を観ない沖縄滞在になったけれど、それでも満たされた。

ただコロナの影響で親友には会えなかったことだけが心残り。そのうちまた。

2Fベランダ。

2Fベランダ。夜。

*

SPICE MOTEL OKINAWA
https://spicemotel.com/

YANBARU HOSTEL
https://yanbaru-hostel.jp/


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