旅先の朝は日常の発見

To Me, Somewhere in the World #13

旅先の朝は日常の発見

Contributed by Yoko

Trip / 2022.02.09

「世界一周がしたくて、思い切って会社をやめた」
未知なモノすべて知らないことを知りたい、欲望に忠実に生きるフリーランスのWebライター・編集者Yokoさん。日本国内の旅の話をリアルタイムで、時に振り返りながらつづる旅連載。


#13

朝一番の散歩が好きだ。

通勤通学の人に溶け込むフリをして乗るバス。
人がたむろする様子を見ながら横切る駅前広場。

街の空気と温度を感じて、日の光を浴びて。
朝に街を歩くと、少しだけその土地の人になれる気がする。

ヴェネツィアの朝。

水の都、イタリア・ヴェネツィア。
まだ朝の早い時間に、寝ている友達を部屋に置いてホテルを抜け出す。ヴェネツィアは、考えれば当たり前なのだが、どこもかしこも水を避けて渡るための橋だらけで本当にびっくりした。
朝に街を歩くと、同じように散歩やジョギングをしている人を見かけるが、ヴェネツィアの朝ランはなかなかハードそうだったのがとても印象的である。

そういえば、同じイタリア・ローマではコロッセオの周りを朝ランしている人たちがいた。東京だと皇居ランが定番なように、ローマに住んでいたらコロッセオ・世界遺産ランが定番なのかもと思うとちょっと驚いた。

でも住人たちにとってはただの日常の延長。コロッセオが日本にあったら驚きはないし、自分がイタリア在住者だったら皇居ランに驚いているかもしれないな、と思うと心底不思議な気持ちになった。

ローマの朝。

さて、朝は人が少ないので、観光名所に行くのも楽しい。

5年ほど前に母と参加した、添乗員さんつき1週間以上の団体イタリアツアー。南イタリアから徐々に北に向かう行程で、最後にローマという旅だった。
最終日、ホテルを少しだけ抜け出して朝食前に市内観光へ。迷わず向かったスペイン階段、昼間の喧騒からは考えられないくらい人がいなくて感動した。帰りはUber。

全食事つきのツアーだったので、ホテルに帰ればもちろん朝食も他のツアー客のみなさんと一緒(それに正直少し疲れていた……)。コミュ力おばけの母がすっかり仲良くなったおばさまたちに、さっそく嬉しそうに「スペイン階段に行ってきたの」に話すと、みなさんも添乗員さんも心底驚いていた。懐かしい。

時間にすればほんの1時間ちょっとの出来事だったけれど、なぜだかとても満たされた朝。ずっと行きたかったアマルフィにも感動したのだけれど、ローマの朝散歩もちょっとした冒険みたいでなかなか楽しかったし、印象的である。

*

朝、朝、朝。

他にも楽しいことはたくさんある。



朝の上海での食べ歩き。



朝のマリーナベイサンズの屋上プール。



夜行バスで向かう京都、朝の静けさ。



朝の土手で食べる、大好きな出町ふたばの大福(いろんな意味で至福……)。

朝は何だか特別だ。
一人で歩く朝の街は、その土地のリアルな日常と自由と発見が待っている気がする。

とりあえず、次の京都の朝は、清水寺からの出町ふたばコースではなくて、伏見稲荷からの平等院コースにしようと思う。うん、最強。


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