日常に花が咲くかもしれない

ビールとウーバー #36

日常に花が咲くかもしれない

Contributed by Kaito Fukui

Trip / 2022.03.04

どんな時も、どんな場所でも。頭の中身はいつだって「旅」そのもの。アーティストKaito Fukuiの日々と、旅のこと少し(おさんぽ)。

#36

AM 6:00

作業がひと段落したので、椅子に座る。

コップに残った冷めたいコーヒーを飲む

ふぅ、、、

背もたれに寄りかかり、このまま眠ってしまえ

と、思うけれど意外と眠れない。

机の下に積まれた本から

4冊取り出し、1章ずつ読む

AM 7:00

とても静かな朝だ

風がない、無風の無音の朝

鳥すら鳴いていないことに気がついたのは

家を出て一つ目の信号あたり

あれ、もしかしたら自分だけが何か聞こえてないのか?

思わず、「あ」と言ってみる

うん、気のせい。

少し歩くと、バスの停留所がある

終点なので、5分ほどバスが停まるようだ

2台、バスが停まると

前方のバスに後方のバスの運転手さんが

「よ!おはよう」

と、話しかけている

この光景を見ると、暖かくなったんだなぁと

毎年この時期に思う。

寒い時期、運転手さんはなかなか出てこない

ちょっと顔を出して、すぐにバスへ戻って行ってしまう。

「これで今日終わり?」

後方のバスの運転手さんが言った

「終わり終わり〜」

前方のバスの運転手さん

「おーいいねーお疲れ様〜」

運転手さんは僕に気がつき、僕は会釈する

2人を横目に通り過ぎる

2人はまだ何か話している。

そのまま、進むと

ポストがある

郵便屋さんが、回収に来ている

ネックウォーマーを着けてない

本当に暖かくなってんだなぁと思う。

そういえば、鼻水が止まらない気がする。

目も少し痒い気が…

もしかしたら…。

桜が咲いたら、桜の木の下でうどんを食べたい

綺麗な景色の下で、暖かい食べ物を食べたら

なんだか、全部が暖かくなって

日常に花が咲くかもしれない。




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