海と人の優しさ。始まりの地、逗子

To Me, Somewhere in the World #17

海と人の優しさ。始まりの地、逗子

Contributed by Yoko

Trip / 2022.03.09

「世界一周がしたくて、思い切って会社をやめた」
未知なモノすべて知らないことを知りたい、欲望に忠実に生きるフリーランスのWebライター・編集者Yokoさん。日本国内の旅の話をリアルタイムで、時に振り返りながらつづる旅連載。


#17

海の近くにいた時は「海はもういい」と思ったのに、山に囲まれた今は「海が見たい」と時々思う。

去年まで暮らした葉山、そして隣の逗子。また行ってみようかなという気になれたので、久しぶりに向かった。海と暮らした、始まりの地。

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馬車道のホテルから。

目的地の前にまずは横浜へ。
久しぶりの大都会にすっかり萎縮しつつも、何とか友達と横浜で落ち合うという目的を果たす。彼女との約束はなぜか流れがち。なぜかというと、ちょっとしたボタンの掛け違えや、天候に恵まれない二人の運のせい。それでも今回は落ち合えた。そういえば、彼女は#14の記事で書いた「小・中学校の三人」の一人だ。この場合の三人のうちの二人で会う時、たぶんもう一人に必ず連絡するシステムが作動する。今回も、そうなった。

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三浦海岸の桜。

さて、葉山に住んでいた頃に流れてしまった「三崎へ行く」という約束に再チャレンジ。三崎というまち自体の最近のメディア露出が多いせいか、平日にも関わらずいつも以上に人が多くて驚く。目的のお店で思いがけず小一時間ほど待ってから入店。

くろば亭・まぐろの漬けトロ天丼(ごはん少なめ)。

くろば亭・まぐろのカルビ焼き(2人でシェア)。

初回以降、いつも同じものを選んでしまうほど味に感動しているまぐろ丼と、人と来たからこそ頼めるもう1品には、まぐろのカルビをセレクト。これも味がしみしみでまた美味しい。まあ、今回は向こう半年分くらいのまぐろを食べたと思う。

BAYSIDE SHARE。

店を出たら市場を少し見て、三浦海岸へ。三崎口の駅にも三浦海岸の駅前にも、桜がたっぷり咲いていて綺麗だった。海沿いのカフェでお茶をして、解散。そしてひとり逗子に泊まる。

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逗子海岸へ。

逗子の朝を堪能する。葉山側にはない、道路下をくぐって海に抜けるルートで海に行くのが好きだ。ご夫婦の散歩をかいま見て素敵、と思っているところに、ラジオ体操の群衆にも遭遇して少々びっくりする。隣のまちに住んでいたのに知らなかった。健康は大事だ。ところで、海岸というものは本当に場所によって雰囲気が全く違う。そんなに遠くない距離にある、葉山の森戸海岸や一色海岸とも違う海。逗子海岸も好きだ。

ともかく勝手知ったる道なので、朝からやりたい放題を楽しむことにする。海を離れ、適当な場所でレンタサイクルを借りたら、311号線をひたすら下る。目的地はブレドール。このパン屋さんは外せない。朝食だけゲットして(モーニングのパン食べ放題は健康のため自重した)、帰りは葉山の海沿いを通って逗子に戻る。小一時間で完結するルートだが、おすすめの過ごし方である。海沿いのルートは、下りが続くのでとても気持ちいい。

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AMIGO HOUSE。

逗子に戻ってチェックアウトをしたら、そのまま宿のコワーキングスペースに移って作業をする。いや、しようと思ったらイベントの準備が始まり人の多さにびっくりしていると、個室に案内してもらいすっかり作業がはかどる。そして不意のノックから、イベントで作ったというごはんをいただいて、とてもびっくり。

スタッフ(じゃないけど)が美味しくいただきました。

お腹が空いていたところだった、美味しい、人が作ったごはんの有り難み……のコンボで、ほとんど心の中では本気の合掌。美味しいとありがとうは正義である。

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逗子海岸で。

夕方、帰りがけに、初めて逗子に来た日のことを思い出す。最初の緊急事態宣言中だったけれど、どうしても東京のワンルームに一人で閉じこもっているのがつらすぎて、誰かと住みたい、海が見えるところに引っ越したい、と気持ちの線が切れた。そして何軒かのシェアハウスを内見するため、逗子のゲストハウスに泊まることに。言葉を選ばずに言えるほど、いろんな意味でカオスなゲストハウス。でもそこでは素朴で優しい人たちに出会えた。何気ない言葉さえ嬉しかった。誰かと場を共有できることも嬉しかった。当たり前という幸せは確かにある、という全ての再確認をした時間。

Maharita. 本当に、すごい場所にあると思う。

駅までの懐かしい道の途中にある、狭小住宅のようなカフェ。住人の間借りカレーを食べに、当時向かった。秘密基地みたいな2階に、所狭しと並べられた世界の雑貨とガイドブックがたまらなかった。

……そんないろいろを、ぶわ、っと思い出す。結局、泊まったゲストハウスには住まなかったのだけれど、自分にとっては葉山への入り口となった。葉山で海と暮らした日々の始まりの地、逗子。きっかけをくれた場所であり、いつでもあたたかい気持ちになれる場所だ。
逗子も葉山も、いいところ。



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