これ以上バクバクさせないで。

ビールとウーバー #40

これ以上バクバクさせないで。

Contributed by Kaito Fukui

Trip / 2022.03.16

どんな時も、どんな場所でも。頭の中身はいつだって「旅」そのもの。アーティストKaito Fukuiの日々と、旅のこと少し(おさんぽ)。

#40

空に色がついて、冷たい空気もオレンジ色になった。

バスの運転手さんが、朝日を見つめタバコを吸っている。

タバコの煙も、朝日に照らされる。

この時間の運転手さんは、もうあと2、3周で交代の時間がやってくる。

家に帰って、何をするのだろうか

寝るのだろうか、ビールを飲むのだろうか

鬼嫁がソファに寝転がり、あ、おかえりー

掃除機掛けといて〜

と、言われて

「あ、うん」

って言って

キッチンの食器を洗っていそうな優しいおじさん。

「頑張れ」

僕は朝日に照らされる、おじさんのちょいハゲに向かってそう言った。

もう少し、歩くと

ゆるい坂道。

真ん中ほどの曲がり角

女子高生が、誰かを待っている。

これは…やばいな

「俺1番好きなやつです」

彼女を見た瞬間に今日はもう、全部が輝くと確信した。

もう、何もかも全てがキラキラするだろう。

朝日に照らされる、紺ブレ

真っ白のぴちぴちお肌は、うっすらオレンジ色に

優しい太陽の光が、彼女の黒髪を少し茶髪にする。

とても、とても綺麗な上品な茶色。

風よ吹け

うむ、やはり軽く吹くものだ。

ほんの僅かな風が、彼女の綺麗な髪を揺らす

そうです、そうなんです。

その後は決まって、髪を耳にかけるんですね。

僕は知っています。

もう、幸せ。

ドキドキ。

はぁ、、、、、至福。

それから公園に行く

まい泉が、友達と会って嬉しそう。

ぐるっと一周回ると

公園の角に、また誰かを待つ女子高生。

もう、やめて。

こんな小さい心臓、いじめないで。

今日は、凄くいい日。

いい天気。

春模様。




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