スーツケースと旅の記憶

To Me, Somewhere in the World #24

スーツケースと旅の記憶

Contributed by Yoko

Trip / 2022.04.27

「世界一周がしたくて、思い切って会社をやめた」
未知なモノすべて知らないことを知りたい、欲望に忠実に生きるフリーランスのWebライター・編集者Yokoさん。日本国内の旅の話をリアルタイムで、時に振り返りながらつづる旅連載。


#24

1週間が矢の如く一瞬で過ぎていく。誰か1週間が早く進む魔法でもかけたな。などと言い訳してみるが、とりあえず毎週水曜日になると「もう水曜日か」と毎回思うここ数か月であることを申し添えておこうと思う。

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丘珠空港。初めて使った。

さて、ついにスーツケース(大)が壊れた。おそらく10年とは言わないまでも、8年弱は使っていた赤いスーツケース。1度キャスターの修理をするくらいには、そこそこ気に入っていたもの。60リットルくらいの容量だと思われる。とはいえ高価なものでもないので、修理時には「買った方が安いですよ」と言われた。それでも新品のスーツケースを海外に持って行きたくない気持ちもあって、外側は使い古されたままに、キャスターだけを直した記憶がある。

けれども先日、数年ぶりにちゃんと旅の道中で使おうとキャスターを転がしてみたら、動きがとても悪かった。とてつもなく引きづらい。しかも発覚時、スーツケースを閉めて「いざ出発」の瞬間だった。ともかくキャスターの部分のサビが原因だろうと、緩めたり締めたりいろいろ調節した……のがよくなかったのだろう。目的地までは何とか役目を果たしてくれたが、帰りの空港までのバスに乗る直前、ついに部品の一部を紛失。一人あたふた。初めて使う空港なのに幸先が悪い(気がする)。手荷物預かりの際は、めでたく「fragile」扱いをされる運命となった。

fragileですよ。わかってます。

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思い返せば、大きなスーツケースを転がすような旅をしたのが遠い昔のことのようだ。ヨーロッパやアメリカ、ハワイやシンガポールなど、都会またはリゾート的な場所を目指す時にスーツケース(大)を使っていた気がする。

何度行っても飽きないイタリア。

買い物が楽しいシンガポール。ハワイも行きたい。

ペルー周遊。ここはクスコ(スーツケースが引きづらい街)。

ウユニ・塩のホテル(ルナサラダ)。スーツケース引くのが大変。

他にも、ゴールデンウィークに行った、グランドサークル&サンフランシスコ。
シルバーウィークを作って行った、モロッコ&ポルトガル&トランジットでパリ。

何だか遠いところばかりだ。

なぜかというと、海外でも最近はアジアくらいならトートバックやショルダーバックで旅をしていたので。レスポートサックのラージ(orミディアム)ウィークエンダーを気に入って使っていた時もあった。懐かしい。ここ数年は国内旅ばかりなので、連れていくのはもっぱらバックパック一つ。今はバックパックがかなりお気に入りのアイテムだ。

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初めて乗ったFDA(札幌丘珠→松本)。

ターンテーブルで探しやすいよう「目立つように」と選んだ赤のスーツケース。使ってみてから意外と赤派も多いことを知り、巻きつけるバンドやキーホルダーで差別化しようと試みていたこと。結局は邪魔なのでそれらの飾りをつけては取り、つけては取りしていたこと。そもそも、ターンテーブルにたくさんの荷物が所狭しと並んでいて、係の人がスーツケースがちゃんと流れるようにと交通整理のように振り分けていたこと、その全てが懐かしい。今はそんなに大量のスーツケースを整理することはないだろうから。当たり前の日常は尊い。

さて、あらためて海外に行きたくなってきた。行って何が変わるわけでも、寿命が伸びるわけでも、1週間が短く感じるようになるわけでもないのだけれど。それでも、思い返すだけで「楽しかったな」と思える記憶は良いな。そろそろ新しい景色を見に行きたい。


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