「会いたい」って嬉しい

Mamma mia! #111

「会いたい」って嬉しい

Contributed by Aco Hirai

Trip / 2022.06.07

イタリアに活動の拠点を移し、フリーのエディター・ライターとして活躍するAco Hiraiさんの生活をパーソナルな視点で綴った連載「Mamma mia!」。最近、友人が「会いたい」と連絡をくれた。そして、実際に会えた。これって幸せで嬉しいこと。

#111

「Acoさんに会いたいし、あの街(ピアチェンツァ)好きだから遊びに行きたいな」
ということで、今日はフィレンツェから友人が遊びにくることになっていた。

土曜日朝7時。
いつも通りに見上げるベッドルームの天窓から「本日の天気」を確認したら、大きく伸びをしながらベッドから降りる。

今日は一段と暑くなりそうな予感。



そして、少し身なりを整えて、空気を入れ替え、エスプレッソの準備をして友人を待った。
彼女とは約2年ぶりの再会。
久々の再会に胸をワクワクさせながらエスプレッソを入れていたらインターホンが「ビビー」と鳴った。

彼女が到着したのだ。

華奢な体格に大きなリュックを背負ってアパートメントの階段を上がってくる彼女の姿は以前と全く変わらない様子だった。そして、フィレンツェから私の住むピアチェンツァまでは電車で約2時間半なんだけど、今回は深夜バスでやってきたのだ。料金はなんと、たった€5だったとか。さすが旅上手でやりくり上手!
そして、お互いの近況報告や私が住んでいた頃のフィレンツェのおすすめスポット情報を交換しながら、エスプレッソを片手にまずは家のソファでゆっくりした。
2年間も会っていないんだもん、話すネタは無限にあった。

そして、天気が良過ぎたので、ランチ前のアペリティーボへ。手前のバブリー感漂うイチゴ入りのプロセッコよりも、友人のクミよりも、後ろのちょいわるオヤジ(←今でもいうのかな?)的な人にどうしても目がいってしまう(笑)。



ランチなら予約なしでも入れるだろうと油断していたらどこにも入れず、こちらへやってきた。私の大好きなアンティパスト。



プリモのパスタ。レモン香るソースが気に入った。



アイスとケーキの食感を同時に楽しめるセミフレッドというドルチェ。真ん中のフルーツトマトみたいな黄色い実は、Alchechengiと言って、食用ホオズキらしい。初めて食べたけど、これが美味!



久々に会うクミと話しすぎたせいか、かなり食欲旺盛。人ってたくさん話すと体力を消耗してお腹が減るようだ(笑)。いつも以上に食べることができて幸せな日だった。

そして、別の日。

「Ciao,Aco、今週末何やってる? ピアチェンツァまで会いに行こうと思うんだけど」
と、友人から連絡がきた。

ミラノのど真ん中に住んでいる彼女は、パンデミックが収束して人が溢れかえるミラノに疲れて都会から離れたいということだった。ロックダウン時の街並みに慣れてしまったせいか、街に観光客が溢れかえるこの状況に今まで以上にストレスを感じるらしい。

それもそのはず、イタリアでは数週間前から外出時もマスク不要になって、今まで以上に観光客が増えたのだ。

なので、今回はピアチェンツァを案内しながら、美味しいものを食べてゆっくりすることに。5月末だというのにこの日はちょっと寒かった。

TATAと半年ぶりのランチは、お気に入りのレストランで美味しいものを食べようということに。



街中へ向かう途中の商店街のような通り。PACEは英語で言うPEACE。



ランチの後、バールでプロセッコを飲み、その後は、どこを目指すわけでもなく、たわいもない会話をしながら美味しい空気を吸ってひたすら歩いた。



グリーンって見ているだけで心が浄化される。人混みに疲れた様子のTATAにもこの景色をシェアしたいと思ってここへ。



「会いたい」っていいな。
そして、現実的にその言葉が叶う距離にいるっていいな。

人を喜ばせる「会いたい」って言葉、貰うだけじゃなくて、私も誰かに贈りたい、そんなふうに思った。


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