ブーツを手に入れた

Greenfields I'm in love #63

ブーツを手に入れた

Contributed by Aya Ueno

Trip / 2022.07.29

兵庫県神戸出身、東京在住のWriter/Photographer。学生時代に渡ったイギリス留学を機に、人や、取り巻く空間を魅せる表現に興味を持ち、現在Containerをはじめ、カルチャー、フードメディアにて発信中。

#63

ロンドンに帰ると、感謝祭後に行われるブラックフライデーというセールシーズンの真っ只中で、街中が活気付いていた。私たちは、そんな時期に最も混雑しそうなビスタービレッジ(アウトレット)へ行くため、オックスフォード行きの電車に乗った。
ロンドンに来て8か月、ヨーロッパ内であちこち旅をしたもののイギリス国内はあまり回れておらず、オックスフォードへ行くのは今回が初めてだ。ロンドンから電車で1本、1時間半も満たない小旅行。イギリス最古であり、また名門のオックスフォード大学を中心に40ものカレッジが集積したこの学生の街は、前に訪れたケンブリッジより少し落ち着いた雰囲気を感じた。

オックスフォードに着いてすぐ、タクシーに乗ってビスタービレッジへ行った。案の定とっても混雑しているが、依然としてすっかりお買い物モードの私たち3人。いいものに巡り会えたらいいな。

一通りお店を巡り、私はAcne Studioのワンピースと、初めてのTod’sのブーツを買った。ブーツはツヤツヤとひかっていい感じ。とっても気に入った! これからこの素敵なブーツを履いて、素敵な場所へたくさん訪れたい。



ご存じの通り、私はイギリスでの時間の大半をロンドンで過ごしている。本来ならこの国際都市こそ、イギリスの中でも最も異色なはずなのに、そこは私にとってイギリスそのものであり、オックスフォードの雰囲気は私に異国に来たような気持ちにさせた。

赤いバスはロンドンと同じ。


ロンドンに帰ってきた。今日からななこが帰国するまでの2泊、少し大きめの宿を取った。今日また、新しくモエギとさきという仲良しの2人がロンドンへやってくるからだ。私たちは5人で遊んだことこそないものの、大学が同じで仲がいい。もえぎとさきは今からロンドンを楽しむわけだが、まりかが明日の夕方にパリへ帰ってしまったり、ななこが翌朝帰国してしまったりほとんど入れ違いなのでそう時間は長くないものの、明日は、たった一日、5人でロンドンを巡ることができる。
モロッコからイギリスへ入国したもえぎ達と宿にて再会。8ヶ月以上会っていなかったのに、全くそんな感じがしないから不思議だな。
早速、近くのスーパーでスナックやピザを買って小さなパーティーだ! 先程買ったお気に入りのブーツを早速おろし、みんなでsainsburyというローカルスーパーへ行った。たった二日間の滞在なのに、目移りしてついあれもこれも買いすぎた。
重たいスーパーの袋をぶら下げて部屋に帰り、そのままキッチンへ行く。生活感に溢れ、何もかも日本よりビックサイズでいかにも海外のキッチンという感じで、なかなか物色しがいがありそう。
ここの冷蔵庫(とキッチン周り)には、これまでの旅人が置いていったのか、たまに家主が使っているのか、調味料をはじめ、基本的なキッチングッズはあらかた揃っていた。
そして、棚の中には案の定大量の種類のティーの箱。案の定、というのは、この国ならではのカルチャーなのか、イギリスで人の家に行くと、何種類もの紅茶が棚にズラーっと並んでいることが非常に多いのだ。そんなにたくさんいらないだろうと思うけれど、あれば意外に楽しい。私も日本で一人暮らしをしたら、たくさんの種類の種類のティーを用意して、どれの気分? っておもてなしをしよう。
こうして物色していると、昔、ママから「人の家の冷蔵庫は勝手にあけてはだめ」とくどく諭されていたされていたことを思い出した。それが理由ではないと思うけれど、確かに冷蔵庫ってすごくパーソナルな部分だと思う。いつか人の冷蔵庫の中だけを撮った写真集を作りたい。(母のしつけに反したような夢だ)
私たち5人は、寝る寸前まで取り止めもなくおしゃべりをして、最初で最後の5人での夜をおもう存分楽しんだ。
明日1日のスケジュールはみんなが私に託してくれた。連れて回りたい場所はたくさんある。どうか、素敵な1日になるといいな。

続く!


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