たった1日のロンドンツアー

Greenfields I'm in love #64

たった1日のロンドンツアー

Contributed by Aya Ueno

Trip / 2022.08.12

兵庫県神戸出身、東京在住のWriter/Photographer。学生時代に渡ったイギリス留学を機に、人や、取り巻く空間を魅せる表現に興味を持ち、現在Containerをはじめ、カルチャー、フードメディアにて発信中。

#64

遂に12月に突入した。ついに、突入してしまった。帰国まで、あとちょうど25日。アドベントカレンダーは、私の帰国までの日数のカウントダウンと同じだ。

今日は、日本から来た ななこやもえぎ、さきと、パリから遊びに来たまりかと、5人揃って遊べる奇跡的な日。この日が来るのをずっと楽しみにしていた。今日は1日、わたしがツアーガイドをする。連れて行きたいところはたくさんあった。

ブランチは、ふわふわのパンケーキを口にして以来、愛してやまないGranger's & Coへ。パンケーキに限らず、何をとっても美味しいオーストラリアンレストランだ。ロンドンに数店舗あるうち、特にお気に入りのNotting Hillのお店へ行った。前にママといった時は長蛇の列だった。今日は少し早めに家を出たら、運良くすんなりと入れてもらえた。

5人でシェアするから、いろんなものをオーダーすることができた。ここのメニューはコロコロと変わる。前はなかった、キムチのオープンサンドというコリアンメニューがあって、とても美味しかった。

後々知ったのだけど、billsの系列店だった。



残念ながら今日は日曜日、Notting Hillで毎日のように開かれるポートベローマーケットの唯一の休業日だ。だが、マルシェなどの出店がないだけで、通常のお店はオープンしているからそんなに問題はなかった。ななこが行きたがっていたSister Janeというファッションブランドにも立ち寄った。白い建物の二階にあるそこは、階段の上を見上げると、藤が連なってできた立派な屋根があった。

sister janeへこれて、よかったね!



この後は、これまた大好きな大好きな、テイトモダンのOlafur Elliassonの展示へいこう。
彼の展示が行われることを知った時から、アートや音楽の趣味がよく合うモエギと、「絶対いこう!」と約束していた。

デンマーク生まれ、アイルランド育ちの彼は、幼少期から氷や雪を日常的に目にしながら生きてきたという。彼の神秘的かつ壮大なインスタレーションアートがそんな自然からインスピレーションを受けていることは明らかだ。彼はアートと科学とを織り交ぜて、アイルランドで感じた地球温暖化への危機感を胸に、美しい地球の守るべき姿を表現する。アーティストであり、また、環境活動家でもあるのだ。

オラファーは、ミラーなどを駆使して光を扱うのがとっても上手だ。



インスタレーションアートにハマったのは、紛れもない、この作家のおかげだ。目や耳、匂い、触れた感触、食べ物はないけど、こんなにたくさんの感覚を使って浸るアートの世界は刺激的で楽しい。

歪んだ鏡で遊んだ。



この展示の目玉の一つでもあるカラフルな壁。



さきはいつも赤リップがよく似合うんだ。



テイトモダンを出たら、歩いてボローマーケットへ行った。さっきブランチを食べたばかりだけど、少しおなかが空いていたし、何よりここはいろんな国の食べ物があって楽しい。私たちはポルチーニ茸のリゾットをシェアして、チャイをオーダー、お持ち帰りした。
その後V&A museumへ行って、パリへのフライトを目前にしたまりかと一足先にお別れした。

これで、ヨーロッパで彼女と会うのはとりあえず今回最後になる。ロンドンとパリ、離れた場所で留学しながら、毎月毎月いろんな場所に会っていた私たちの一緒に過ごした合計日数は31日、丸1ヶ月だ。この一年、心境の変化、恋愛、将来のこと、2人して本当にいろんな壁にぶち当たり、その度にそばにいて、支えあった。出会って10年近くの彼女をもう十分に知ったつもりだったのに、まだまだ新しく知ることは多かったし、もう十分に親友だったけど、前よりもっともっと親友になった。
そんなまりかとのお別れは、わたしにとってとても寂しいものだった。日本ではなくて、ヨーロッパで、ずっと彼女と一緒にいたかった。わたしは、ヨーロッパにいるまりかがいつもより好きだったのだ。

リッツのリース。確か、モエギが撮った。




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