海の中から眺める満月

Between the waves #43

海の中から眺める満月

Contributed by Miki Takatori

Trip / 2022.08.29

ひとつの場所に留まることが苦手で、さまざまな国を転々と旅してきた高取美樹さん。それぞれの場所で、暮らすように旅を続ける彼女が切り取る、何気なく、そして特別な瞬間。

#43

アラームを5:50AMにセットして6時に海にジャンプイン。

サーフィンをしているとタイドの変化に敏感になってくる。

満潮と干潮の差が激しいと、もうすぐ新月か満月だな〜っと自然を通してわかってくる。

今日は今まで見た満月の中で、一番綺麗な月を海から見た。





朝日が登ってくる前に存在感をアピールするように、黄色に輝く満月が海に溶けるように沈んでいった。

夜に見る月とは違った輝き方をしていてみんな波に乗るより月を眺めていた。

海から上がって駐車場のシャワーを浴びてると最近失恋した私を気にかけてくれるいつものサーフスポットのサーファーが「コーヒー飲もう!」と部屋のバルコニーから声をかけてくれた。

いつも2人でサーフィンに行ってたこともあって「最近彼見ないけどどうしたのー?」と聞かれ、最近の一連の話をすると「ビールでもなんでも奢るから元気出しな!」とコミュニティーのみんなが慰めてくれる。

とにかくみんな優しくて、波まで譲ってくれて相変わらず温かすぎる。その気持ちだけでも嬉しくなる。


「People come and go for a reason」

人生に訪れる人も去る人もみんな理由を持ってやってくる。

あなたに何か人生のレッスンを教えるため、あなたに今なにが足りないのか気付かせるため、逆にあなたがその人に何かを与えるためかもしれない。

だからいつかMikiはきっと彼に感謝するし、彼もMikiに感謝するよ」


いつも笑顔で声をかけてくれる60歳のサーファーがこう言ってくれた。

すごく納得したし腑に落ちた。

よく聞く言葉だけど、この状況になるともっとこの言葉の意味が分かる気がする。







オープンと同時に一番乗りする近所のヴィーガンカフェ。

誰もいないこの時間がお気に入りでどんな作業でも集中して出来る最近のホットスポット。




ビザの延長も無事に終わり帰り道に日本の食材が売られているPapaya Supermarketに行ってきた。

そうめん、出汁、お好み焼きの粉、一瞬日本にいるかと錯覚するくらい日本のもので溢れていた。

そして、惣菜パンが美味しくて大人買い。バリでは美味しいクロワッサンやペイストリーはよく見かけるものの、ソーセージパンや、卵サンド、ピザパンは見かけない。

普段朝はフルーツしか食べないのに、調子に乗って買ったパンを食べすぎて、気分が悪くなってしまった(笑)

身体は内側に入ってくるものに正直。そして異常サインを躊躇なく出してくる。


さて、ハイタイドも過ぎたことだし、仕事まえにもうひとサーフィンしてこようかな〜。


Miki


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