体も心も、愛せそう

To Me, Somewhere in the World #42

体も心も、愛せそう

Contributed by Yoko

Trip / 2022.08.31

「世界一周がしたくて、思い切って会社をやめた」
未知なモノすべて知らないことを知りたい、欲望に忠実に生きるフリーランスのWebライター・編集者Yokoさん。日本国内の旅の話をリアルタイムで、時に振り返りながらつづる旅連載。


#42

3年振りにハワイへやってきた。


Waikiki Beach, Honolulu.



コロナ以降、初の国際線。飛行機が飛ぶまではとてつもないエネルギーをみなぎらせるくらいにワクワクしていたけれど、着いてみれば、なんと拍子抜けするくらいにいつも通り。空港で後から来る友人を待つ間も、パソコンを開いて作業するくらいには日本と同じ通常運転。
それでも何日か過ごすうちに色々とわかってきたことがある。

*

KCC Farmers' Market.



ハワイには、というか行く先々の土地でいつも思うことだが、世界には本当に色々な人がいる。体形、身長、ボディーカラー、ファッション、アクセサリーなどのすぐに見てわかる外見はもちろん、発する言葉や声のトーンも、歩き方や立ち居振る舞いさえ本当に多様だ。

Waikiki.



ハワイは特に、服装が自由。ビーチが近いため、街中でも水着で歩いている人が少なくない。普通の服を着ていたとしてもレギンス一枚だったり、薄いワンピース1枚だったり、派手な柄の服だったり。どこでどんな服を着たって良いはずなのに、東京で着るにはなぜか躊躇してしまうような服もハワイなら着られる、と思ってしまうから不思議。でもそんな考えがちょっと恥ずかしく思えたりもする。

*

Beach.



ここは本当に自由だ。そして本当はどこに居たっていつでも自由だ。それなのに、日本だから、東京だから、長野だから……と着たいものを着なかったり(もちろんTPOを守ることは別として)、子供を産んでいないから、大したことをしているわけではないから……など、一つの事実だけを取り上げてなぜか自分を卑下していたりする。

Suntan.



もっと好きになればいいのに。勝手に、自分で。
もっと好きにすればいいのに。好きなものを着て、好きなものを食べて。

Friday Night Fireworks at Hilton.



とにかく、そんな日常の全てがとてつもなくダサくて、でもその原因は全部自分の心にある、ということを8時間かけてハワイ(海外)まで来ないと気づけないのは何故だろう。日本では素直にそう思えない。ハワイに来たら、もっと好きなことを好きなだけしたらいいじゃない……と思う日々。そうやって生きていく全ての延長線に、嬉しい出会いも悲しい出会いも、全てがあるのだから。

*

Sunset.



青い海越しに大きな雲。その雲に隠れていつまでも落ちない夕日を見つめながら、そんなことを思った。そこに居る全ての人たちが、ハワイという場所を楽しんでいて、自分という人を愛しんでいるように見える空間で。
海を楽しむ常夏のリゾートは、たぶん全てを寛容にする。


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