Hit the road

Couch Surfing Club #13
西海岸ロードトリップ編

Hit the road

Contributed by Yui Horiuchi

Trip / 2022.10.27

海外へ何度行ったって、旅慣れなんてない。旅で出会う全ての人にフランクに接し、トラブルだって味方につける。着飾らず等身大で、自分のペースで旅を楽しむアーティストYui Horiuchiさんが、サンフランシスコからポートランドまでの旅の記録。

#13

「ちょっと一杯やろうぜ」

そんな声が聞こえてきた。

「飲んでる場合かよ。さっさと行こうぜ」

「いいからいいから一杯だけ。ほらもうビール買ってきちゃったしよ」

「まったく、これ飲んだら行くからな」

お昼に立ち寄った店で見かけた、ツーリングのおじさん達の陽気な会話だった。



一刻も早く旅へ出て目的地へと向かいたい人、またその工程も含めて楽しみたい人。
ここにもいろんな人間模様が描かれていて面白い。


いざ出発。
旅路に着いた彼らはまるで、わたし達を先導するかのようだった。



好き好きに立ち漕ぎしたり、空に両手を広げたり。
むき出しの体で感じる風、内陸部から漂う煙、太陽で蒸発していく水蒸気、耳元をすり抜けていく轟音。
彼らが感じているものを想像したけど、これらはただの体感にすぎない。
きっと彼らは今まさに自由、アメリカそのものを感じているのかもな。
そんな感じがした。

わたし達も車を進めて1時間。赤杉の巨木を通り抜け、その名もレッドウッドという一帯を通り抜ける。

製材業や広大な敷地で羊を飼って羊毛で栄えた地域だ。
いよいよ北カリフォルニアまでやってきた。



海岸沿いに出て窓を開けた。
潮風が車内を一掃する。

一時中継地点の港町までもうすぐだ。


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