Self Quarantine

Couch Surfing Club #17
西海岸ロードトリップ編

Self Quarantine

Contributed by Yui Horiuchi

Trip / 2022.11.24

海外へ何度行ったって、旅慣れなんてない。旅で出会う全ての人にフランクに接し、トラブルだって味方につける。着飾らず等身大で、自分のペースで旅を楽しむアーティストYui Horiuchiさんが、サンフランシスコからポートランドまでの旅の記録。

#17

はっきりとした症状があっても、日常生活を送るには支障のない程度なのはありがたい。
仕事はあまり捗らないけど、キッチンに立って自分の食事を用意することはできた。

自主隔離と言っても、友人の家にはサウナもジャグジーもある。買い溜めのお陰で不便を感じることもほぼなく、体調が芳しくないことは大前提だが、これと言って不自由な思いをすることはなかった。
夜は流れ星がいくつも見れるくらい、広く澄んだ空を眺めながら体を温めてから眠りにつけた。




ガロンで買った牛乳で、牛乳寒天、ヨーグルト、杏仁豆腐、痛む喉にも飲み込みやすいものをたくさん作った。
お腹が空いたら温めてすぐに食べられる作り置きも作った。
キッシュ、生春巻き、チキンカリー、ナン、唐揚げ、ビビンバ、だし巻き卵、ブレックファストブリトー。
甘いものが食べたくなったら、パンケーキ、キャロットケーキ、ピーナッツ粥。
そこかしこにポストイットを貼り付けて、アメリカンな冷蔵庫にそれぞれ小分けにして保存していく。



元農家の友人は免疫力にはやたら自信があるらしく

「どうだコロナ!いつでもかかってこい!」

くらいのテンションで、わたしが体調不良になってからもしばらく筋トレやサイクリングなどして、かなり元気に過ごしていたようだった。
だけど、陽性反応が出てから3日目にはついに、友人もホームテストで陽性に。

「思いの外あっさりうつっちゃった」

なんて言って風邪の諸症状はわたしより軽そう。

個別のベッドルームにそれぞれプライベートのバスルームを使っていても、同じ空気を吸ってるだけで感染するんだから、やっぱりうつってしまうのも仕方がない。

毎日何かしらキッチンで作っていたわたしは、嗅覚や味覚に障害が出ていることは無さそうで一安心していた矢先。

「そういえばご飯を見た時には美味しそうだって頭では分かっていても、食べた時に味がしない。今朝のコーヒーの匂いにも気がつかなった」

と、わたしと同じくらい食べることが大好きな友人。
長く症状が続かないことを願う。



たまには刺激療法も兼ねてお気に入りの寿司屋やタコトラック、IN-N-OUTのテイクアウトを利用する。
わたしたちは都度「どう?味する?」そんな会話を繰り返す。



しばらくは淡白な返事が返ってきていたが、食欲はあるみたいで少しほっとした。


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