
Couch Surfing Club #19
西海岸ロードトリップ編
Blue Lake
Contributed by Yui Horiuchi
Trip / 2022.12.08
#19
カウボーイのための馬や、ペットとして飼われている馬の散歩ができるBlue Lakeの公園に散歩にやってきた。
少し内陸部に来ただけでとても暖かい。
同じカリフォルニアでも北西に位置する海岸沿いの街は、山火事などどこ吹く風、一年中ひんやりと吹く潮風で涼しく過ごせるらしい。
酷暑の東京から来た身にとってはありがたかったが、夏物ばかり持ってきてさらに体調を壊してしまい、友人宅に滞在することになったわたしは、予期せぬ凍える日々を過ごしていた。

ハイキングコースやトレイルが充実している北カリフォルニア。
けれど、体調を崩しながら寒い中の散歩はまだ自信がないので、平坦で暖かい地域に散歩に来た。

まだ実際に馬の散歩に出くわしたことはないけど、よくトレイラーの荷台で干草を食べている馬を見かけることはあった。
街中のだだっ広い牧草地や家の庭でも、老いた馬やポニーを見かけることがある。
散歩の途中、立ち寄ったグラウンドで
「あれ、奥の売店開いてるみたい」
「確かになんかサイン出てるね」
「売店あるのは知ってたけど開いてるの見たことないよ」
「見にいってみよう」

ホットドッグの専門店らしい。
店名はその名もThe Dog House。
散歩は切り上げ、早めのランチとすることにした。

キムチや旨味ケチャップなどなんだか気になるメニュー。
手間をかけて自家製で作っているらしい。
小さいけれど、なかなかこだわりの強いホットドッグ屋に偶然だけど巡り会えて嬉しい。
飲食も屋外なので、体調のことを気兼ねしなくて良かった。

わたしはUmami Dog、友人はWindy City Dog。
Windy Cityとはa.k.a.シカゴの別名らしい。
シカゴ風のホットドッグというところだろう。
わたしが日本でいう瓶ラムネの味がするソーダSquirtでホットドッグを流し込んでいると
「ひと口ちょうだい」
そう言ってひと口で終わるはずだったSquirtだが、友人の古い記憶を呼び起こしたらしく、そのまま立ち上がり席を離れ
「子供の時に飲んでいたの思い出しちゃってたまらなくなっちゃった。もう一本買って飲んで帰らないと、っていうこの衝動にはあらがえなかったです」
そう話しながらレジでもう一本Squirtを受け取っていた。

味覚や嗅覚の記憶は、遠い記憶や懐かしさに直結することが多い。
ホットドッグと炭酸飲料。
まだ味覚に自信がないと言っていた友人にも、今日のランチはいい刺激になったみたいだ。
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Yui Horiuchi
東京を拠点に活動するアーティスト。幼少期をワシントンD.C.で過ごし、現在は雑誌のイラストや大型作品まで幅広く手掛ける。2015年に発表した「FROM BEHIND」は代表作。自然の中にある女性の後ろ姿を水彩画で描いた。自然に存在する美や豊かな色彩を主題にする彼女の作品は海外でも評価されている。









































































































































