Trinidad

Couch Surfing Club #18
西海岸ロードトリップ編

Trinidad

Contributed by Yui Horiuchi

Trip / 2022.12.01

海外へ何度行ったって、旅慣れなんてない。旅で出会う全ての人にフランクに接し、トラブルだって味方につける。着飾らず等身大で、自分のペースで旅を楽しむアーティストYui Horiuchiさんが、サンフランシスコからポートランドまでの旅の記録。

#18

なるべくひと気のないロケーションを選んで散歩に出かける。
トリニダッドはフンボルト郡の中でも有名な高級別荘地。
海を望む高台に並ぶ別荘に、学校の新学期が始まったタイミングで家を空けている人は多い。



柔らかい砂浜だけど、泳ぐには不向きなビーチで慣れた人だけがサーフィンにやってくるらしい。
港では、クラムチャウダーに使うホンビノスガイなどを獲る漁船やプライベートボートが停泊していた。
天気はあいにくの曇り空。



乾いた砂浜だと足を取られしっかり歩けない。
波が引いたあとの固くなった砂浜を探して歩く。
ビーチを歩いていると面白い形をした岩を見つけた。
写真の右奥の岩。

「あの岩、おばあちゃんが海を眺めているみたいに見えない?」
そうわたしが尋ねると
「あの岩まさにGrandmother Rockって呼び名がついてるんだよ」
「やっぱり!誰が見てもおばあちゃんだよね!」



おばあちゃん岩の背中側を通り抜けて、少しせり立つ岩場に息があがったまま腰を下ろす。
ビーチを歩いて重くなった足を休ませながら、波の音に耳を澄ませた。
来た道を帰らずに駐車場に戻るらしい。
岩場から高台までは斜面をジグザグ登っていくそうだ。
話を聞いてるだけでも少しハードそう。



高台まで登り終え、落ち着かない心拍数を元に戻すため立ち止まって景色を眺めた。
夏の終わりと秋の訪れを知らせるような、可愛らしい草花が咲いている。

家に戻ったら長い時間を過ごす空間に花を置こうと思った。
少し気分が良くなるかもしれない。



帰宅してから裏庭に行きタンポポとデイジーを摘んだ。
この花が枯れるまえに元気になりたいと思う。


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