NY note dump

No Sleep Ever #6

NY note dump

Contributed by Chika Hasebe

Trip / 2022.10.07

「NYは毎日どこかで何かしら起きている、本当に忙しい街」
目標に向かって、自ら道を開拓し続ける会社員・Chika Hasebeさんが、眠れない街NYへ旅に出た。誰よりも好奇心に従順な彼女だからこそ感じる、NYでの新しい発見と、心揺らすできごと。


#6

2週間を超える長い旅。きっと後々まで覚えていたいはずなのに、すぐ忘れてしまいそう。そんな現地で気づいた些細なことをパスポートサイズの無印ノートに残していた。その一部を振り返ってみる。


Apr.30

チャイナデニムのアウターとクロップドパンツにブーツ@Whitney Museum.



これはWhitney Museumで見かけたファッション。チャイナ調のアウターとパンツのセットアップの生地はデニムだ。シルエットはゆったりしているがデニムのハードめな素材がスパイスになって、カジュアルすぎない美術館向けモードに仕上がる。この時はまだこっそり写真を撮る勇気がなかったので、ノートにその場でメモした記憶が懐かしい。(写真は美術館のエントランス)


May.02

「NYのスイーツって意外と甘くないのかも」って激甘特大のアメリカンパイを頬張りながら気づく。お菓子を食べていて、ポーションが小さいからか、物足りなくて何個もいっちゃう時、このくらいのサイズ感が欲しいかも。



これは風の噂によって日本にいる時から気になっていた「Pies ‘n’ Thighs」のパイをテイクアウトして部屋で食べていた時のこと。NYに来て数日経ち、既にいくつものスイーツにがっついてきたが、これほど甘いものはなかった。ここで初めて、これまでの甘さが普通レベルとするなら、意外と大部分のスイーツは甘くないのでは、という謎な結論にたどり着く。恐らく砂糖の摂りすぎだろう、思考が飛んでいる。ちなみにこのパイ、勝手に特大だと思っていたが、2スライス分を取っただけ。真ん中にはうっすらとカット線が見える。だがインフレがきついNY、そんなサービスよりも1スライスだけでいいから、その分安くして欲しいものだ。
お菓子を食べていてよくあるのが、ここで終わりにしようと思ってから何個もいっちゃうことだ。ただひたすらに意思が弱すぎるだけなのだが、それならもう潔く大きめサイズを食べて、追加のおかわりをせずに一回で満足できるぐらいにしたほうがいいよねという自分への戒め的な一文もあり。


May.05

女の子、赤いパンツが見えているのに、ひたすら気にしているのはクロップド丈トップスの方。何度もズドンとトートを地面に落としてしまっているあたり、PCで勉強していたな。



ニューヨーク公共図書館の建物の外にテーブルと椅子が並ぶスペースがある。そこで意気揚々と「The Halal Guys」のチキンオーバーライスを頬張っている時、前方に見えた女の子。トップスが短い上にデニムもローライズだからか、下着が見えちゃっている。でも本人が気にしているのは、短いトップスの方。さすがにお腹出し過ぎちゃったなとか考えていたのかな。椅子の後ろにかけていたバッグは、重さのバランスが取れないのか、何度も落下。かなり鈍い音がするあたり、PCで勉強していたのではないかと予想してみる。最近ってPCすら持ち歩かなくて、iPadとかにキーボードつけて授業受けるんでしょ? 便利だ〜。(写真は公共図書館の外)


May.06

ホテル近くに位置するDover Street Market New York(以下DSM)に足を運んでみた。銀座よりこじんまりしていて、当然セレクションも似ていた。一通り見てみて、6Fのお姉さんが一番暇そう&話しかけやすそうだったので、ちょっと話を聞いてみた。
「よく売れるのは、COMMEのPlayスニーカー。みんなこれ目当て。スニーカーに限らず、COMMEを買いにくる人が多いね」



COMME des GARÇONSをCOMMEと呼ぶのは日本人じゃあまりない感覚。お姉さんは話の最初からCOMME呼びだったので、何のことを言っているのか一瞬頭が追いつかず、時差で理解。布教してみようかな、COMME呼び。


May.06

どこかで聞いたのか読んだのか「Joe’s pizza」が有名だと知ったので行ってみた。でもそこのピザを焼いていたおじさんがNYイチ愛想が悪くて、モヤモヤ。$1ピザで有名なはずなのに、結局$5だったし。騙された感すらある。後から調べたら、わたしが来たところは偽物のJoe’s pizza。赤白の看板に行かないと意味ないのよ!



問題のおじさん。わたしがメニューを選ぶのに迷っていたら、お客さんも並んでないのに、何度も「I said "May I help you?"!」と注文を催促してきた。聞こえてるよ! 忙しいならまだ分かるけど、暇じゃんと言い返したくなるが、グッと我慢。味は美味しかったが、値段も$1じゃなくて拍子抜けしたのでおすすめしない。店名は一緒だが、本家と看板の見た目が違う。わたしが行ったのは緑。本家は赤。クリスマスか!
ちなみに本家も最安は$3〜。物価高で$1をキープは厳しいらしい。「2 Bros pizza」「99¢ pizza」はまだ$1を維持しているとのこと。頑張れ!


May.12

コーヒー豆専門店のお兄さんがkemioのブランドのニット帽を被っていた。わたしは最初原くんのLINEの好きなキャラが、ついにニット帽のモチーフになったのかと思っていた。その日の夜、部屋でたまたまkemioのInstagramを見て、「マジか!あのニット帽じゃん!」と一人興奮。翌日お兄さんにkemioが好きなのか聞いてみようかと思ったが、さすがにcreepyすぎると考え直してやめた。



サークル時代の大好きな先輩に、NY行くならここと言われて立ち寄ったコーヒー豆専門店「Porto Rico Importting Co.」で働くお兄さんが、カエルっぽいモチーフのワッペン付きオレンジニット帽を被っていた。最初、わたしのバイト先の元同僚が好きなちょっと謎なキャラクターがモチーフになっているのかと一瞬目を見張ったが、そんなはずはないので軽く流していた。ただその日の夜たまたま見ていたkemioのInstagramで、宣伝しているアイテムの中に例のニット帽があるではないか! かなりびっくりしたと同時に、突然湧き上がる「なぜ?」の嵐。そもそもこのお兄さんはkemioを知っているのか? kemioってどれだけNYで浸透してるのか? kemioをどこで知ったのか? なんで&どこでニット帽を買ったのか? となぜなぜは止まらない。その熱が冷めないまま翌日もお店の前を横切った。よっぽど中に入って声をかけようと思ったが、いくら日本人よりフレンドリーとはいえ、突然「それkemioですよね!?」って声をかけるのも気持ち悪いなと気が引けたのでやめてしまった。


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