
To Me, Somewhere in the World #48
重なる「いただきます」の尊さと喜び
Contributed by Yoko
Trip / 2022.10.12
未知なモノすべて知らないことを知りたい、欲望に忠実に生きるフリーランスのWebライター・編集者Yokoさん。日本国内の旅の話をリアルタイムで、時に振り返りながらつづる旅連載。
#48
コロナ禍で国内を旅行するようになり、幾度も通うことになった宿がいくつもある。北海道はもちろん、本州から沖縄までいろんなところに。
その一つが今庄にある。今庄、その宿を知らなければ一生行くことはなかったかもしれない場所は、南越前町という福井県の敦賀の少し上あたりに位置する。まだ利用したことはないが、北海道と本州を結ぶフェリーの一つが敦賀発で、いつか乗って旅してみたいルートだ。



今庄駅と、玉村屋。
今庄のゲストハウス・玉村屋への訪問は、1年ぶり5回目。行きたい気持ちを募らせながらも距離ができていたが、久しぶりに訪問できた。直前に豪雨の影響もあって、連絡したばかり。一度予約して行けなかったこともあり、今回は行こう、と心を決めてきた。
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夜ご飯会の食卓と、買ってきてもらったアイス。
はじめましてのゲストハウスの新・番人との顔合わせを済ませて、いつものメンバーを待つ。(5回目ともなると、「お腹すいたから早く来て!」とメッセージを送る距離感)
ここは本当に和の空気感漂う雰囲気がよい。たたみがあって、こたつがあって、たくさんの本があって。そして人がよい。お願いすると企画してくれる地域住人の方々との夜ご飯会は、ゲストハウス内だけにとどまらず、住人の方のお宅まで訪問して開催されることも。
出会う人はみんな旅人に優しいのだけれど、食卓を囲むからか、そこでは「ここで暮らす」ことのリアルな部分も垣間見える。平和、楽しい……だけじゃない話を、同世代や上の世代と話せる食事の時間は、案外気に入っていたりする。深夜まで続きがちなボードゲーム大会も。
今庄は、自然体でありつつも街全体で迎えてくれるような雰囲気があって、何度も足を運びたくなるような気持ちになる場所だ。車で来たことがないため、特に観光することもせず、こじんまりした集落の中でぼうっとするだけなのだが、とてつもなく心地良い。
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玉村屋のエントランスと朝ごはん。
ここは福井の南側ということもあり、関西色がやや強い。今回は大阪出身者が一人増えていて、あやしい大阪弁の言葉がさらに増してしまう。ボケのノリが激しいご飯担当くんに夜ご飯も朝ご版も作ってもらったが、さすがの料理好き、全部美味しかった。
作ってもらう最中に「お腹すいた〜〜〜(笑)」の子供役に徹すると、「ちょっと待ちなさい(笑)」「これ食べなさい(笑)」と本人いわく「母の真似」らしい関西ママのノリでボケ倒しながらも応えてくれる。終始、本当に面白かった(笑)。それにしても、作ってもらうご飯はなぜこんなにも美味しいのだろう。そしてみんなで食べると、さらに美味しい。
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今庄駅、ホームまでの通路。
実家よりも実家みたいな場所にある、ある意味他人だからこそ実現できる空気感。それを感じられる尊い場所はいくつもあるが、街まるごとの「おかえり」を感じられる気がする今庄は、間違いなくかけがえのない場所だ。
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Yoko
長野在住、北海道出身。世界一周予定が新型コロナウイルスの影響で中止に。東京から葉山、長野へと拠点を移しつつ、日本国内を自由に旅している。レバンガ北海道(#11)とアイスが好き。フリーランスのWebライター・編集者。











































































