雪国の短い秋と長い夜

To Me, Somewhere in the World #51

雪国の短い秋と長い夜

Contributed by Yoko

Trip / 2022.11.02

「世界一周がしたくて、思い切って会社をやめた」
未知なモノすべて知らないことを知りたい、欲望に忠実に生きるフリーランスのWebライター・編集者Yokoさん。日本国内の旅の話をリアルタイムで、時に振り返りながらつづる旅連載。


#51

雪国の秋は短い。北海道と本州は季節感がズレまくっていて、いまだに桜は5月に咲く気がしているし、10月だけが短い秋で、11月くらいには初雪が降るような気がする(私は北海道出身である)。今回もまた懲りもせず札幌からの道東旅を満喫中だが、さすがにレンタカー屋さんに「スタッドレスタイヤですか?」と聞いた。平地では問題なくとも、通る道によってはもう危ない時期なのだ。


札幌・大通公園。




六花亭のお菓子も秋めいている。


街並みも食べ物も秋めきまくっている札幌を経由して、いつもの道東へ。札幌だけならまだしも、より寒い道東へ行く予定だったので、防寒着はフル装備(冬コート+フード付きのウルトラライトダウン)。北海道のあとはやや暖かい東京や金沢も行く予定なので、服装がおかしい人になるかもしれないが背に腹はかえられない(風邪をひきたくない)ので後悔はなし。とはいえ思った以上に本当に寒い……。そして日没時間はなんと本州より30分早い。あっという間に夜になってしまうのも困り物だ。ここは秋も短いし日も短い。


ウインドヒルくしろスーパーアリーナ。




裏は釧路湿原という立地……。


北海道の短い秋、そして短い昼に何をしに来たかというと、バスケを見に来た。アリーナの真裏はだだっぴろい湿原が広がる、という立地の釧路大会を。お昼すぎに始まった試合、終わって帰る頃には夕暮れなのだからびっくりする。


インカのめざめ、という名のじゃがいも。超美味。




珍しく魚を食べました。@minato.buu.0209


さて、すぐに来てしまう夜には美味しい食事を。1日目に思いがけず大将と意気投合し、3日間連続で通ったお店も。いつものお店も。美味しい全てを堪能する。いつもは一緒に出かけるタイミングのない宿のスタッフさんとも一緒に出られる日があって、お店のハシゴも。末広の夜を堪能して、宿だけではなくご飯屋さんのスタッフさんともコミュニケーションをとって、顔見知りが増えていく。つまりまた訪れる理由が増えていく。きっとまたここに来るんだろうなあ。



知らないお客さんのバースデー祝い。@tavola1212


2軒目に訪れたお店は、みんなそのお店が大好きなお客さんばかり。このお店が一番、この食事が一番、と何回聞いたことか。そういう空間は最高である。ラストは今日がお誕生日というお客さん連れの方の音頭のもと、その場のお客さん全員でハッピーバースデーを歌い、クラッカーを鳴らしてお祝い。シャンパンとケーキのお裾分けもいただく。今回は本当にお裾分けしてもらうことが多く、甘やかされまくってたくさん食べてしまった(美味しい嬉しい+要運動)。


雪国の秋は本当に短いし、冬もすぐそこ。寒さには本当に辟易するけれど……出会う人たちが暖かすぎて楽しすぎて。こうしてびっくりした夜に出会うこともある。

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