またね。そしてはじまり。

As I Like It #1

またね。そしてはじまり。

Contributed by Utano Katayama

Trip / 2022.12.05

子供の頃から漠然と「海外に留学したい」と考えていたUtano Katayamaさん。そんな彼女が綴るイギリス、Brightonでの留学日記。憧れの海外生活をスタートした彼女の、小さいけれどずっと大切にし続けたい思い出。

#1

大好きなanna magazine編集部が運営するウェブメディアContainerで連載できるなんて、私にとって夢のような機会。ただただ嬉しい!
いま私はイギリスのBrightonという海沿いの街にいる。ここで生活するのはあと数ヶ月だけれど、この留学の始まりから振り返ろうと思う。夢のようなイギリスでの生活、ぜんぶひっくるめて書いていけたらいいな。



私はずっと普通の大学生だった。
でも小学生くらいのころから何となく、ほんとにぼんやりだけれど「海外で暮らしてみたい」という思いがあったことは覚えている。
大学生活は「授業、遊び、バイト」と典型的な大学生活のパターンで予定は埋まっていたし、それなりに充実しているとも思っていた。だけどいつしか「このままでいいのか?」と思うようになった。気づいたらどんどん時間は過ぎていたし、思っていたよりずっとずっと大学生活は短いのだ。もっといろんなこと、いろんな人を知りたいし、今まで生きてきた世界とまったく違う世界での暮らしを見て、感じてみたい!

そこで私は思い切って1年間ギャップイヤーを設けることにした!
簡単そうに言ったけれど、実際は全然そうじゃない(笑)。実は
私はこれまでに海外に行けるチャンスを2回も逃していた。1回目は大学の交換留学でアメリカの大学に行けることになっていたけれど、コロナで白紙になってしまった。その次の年にも1年間留学しようとしたけれど、準備不足とコロナの状況もまだ悪く、親に猛反対されたのだ。

今回イギリスに行くと決めたのは三度目の正直。1年前親に反対されて泣いたのを今も覚えているから、今回はできる限り入念に準備して、お金もある程度貯めたあと、親にプレゼンテーションした。資料とか、目的とか、あれほど一生懸命準備していたのに、いざ2人の前で話すとなると緊張してまったくうまく話せなかった(笑)。ただ「行きたい」と頑なに言い続けて、それはもうぼろぼろの説得だった。それでも、去年から準備していたことを知っていた両親は最終的に許してくれたうえに、私の背中を押してくれたのだった。
「寂しいけれど頑張ってね!」と言ってサポートしてくれた父と母は本当に偉大だし、本当にありがたかった。(もちろん姉もたくさん支えてくれた(笑)。)
だから「将来は絶対親孝行するんだ」って心に決めたし、2人に認めてもらえるように頑張りたいと思っている。

そんなこんなでBrightonへの留学が決まった! ここはイギリスのリゾート地と言われていて、天気のいい週末には各地から(もちろんイギリス人も)ここぞとばかりにたくさんの人が訪れる。この街を選んだ理由はただ海が大好きだということと、様々な人種、文化が混在していると聞いたからだった。
Londonへ電車で1時間と少しでいけるのもお気に入りポイントのひとつだ。

さて、どきどきのスタートを切る前に、大好きな家族や愛しい友達とお別れをしなければならない。最初は「またすぐ会える」と思っていたけれど、みんなといるとだんだん寂しくなって、堪らなかった。
手紙を書いてくれたり、泣いてくれた友達もいた。みんな愛しくて大好きで仕方がない。


メッセージ付きの思い出が全部詰まったアルバムや手紙をくれた。



友達と別れて号泣したあとは1時間近くボーッとしていた(笑)。


出発当日、荷物を詰め込み準備万端で空港へ向かう前、突然家のチャイムが鳴った。外へ出てみると、遠いのにもかかわらず高校の友達たちが集まってくれていた。
「嬉しいけど寂しくて行けなくなっちゃう」って心の中では思った。
みんな「頑張って来てね」とか「写真撮って見せてね」「電話かけるね」と言って笑顔で送り出してくれた。
こんなにいつも側に居てくれて、励ましてくれる友達がいて、私は本当に幸せ者だ。
みんなと「お互い成長して来年会おうね」と約束してばいばいした。
いつもありがとう。待っててね!


ついに日本を出発!何気に1人だけで飛行機に乗るのは初めてだった。



機内食とハリーポッター。(少しでもイギリス気分を高めるためだ)


飛行機ではたまたま隣の席に座っていた女性が誕生日だったようで、私にスイーツをお裾分けしてくれた。彼女はとっても素敵なヒジャブを巻いていて、淡いピンク色は彼女の雰囲気にぴったりだった。
とても嬉しかったのに、まだうまく英語が話せなくてもやもやした。
頑張らないと。次もしもう一度会えたら、その時は上手く話せているといいな。


彼女がくれたバクラバというアラブ系のスイーツ、とっても甘くて沁みた。


寝て食べて、また食べて寝て。そんなことを繰り返していたら長時間のフライトももうそろそろ終盤に差し掛かっていた。
もうすぐLondonに着く、どうしよう、大丈夫かな。頑張るしかないな。
不安とどきどきが入り混じった変な気持ちのまま、私はついにLondonの空港に到着した。


アーカイブはこちら

Tag

Writer