To Me, Somewhere in the World #55
ときめきたい、ときめかない
Contributed by Yoko
Trip / 2022.11.30
未知なモノすべて知らないことを知りたい、欲望に忠実に生きるフリーランスのWebライター・編集者Yokoさん。日本国内の旅の話をリアルタイムで、時に振り返りながらつづる旅連載。
#55
朝、窓のカーテンを開けたら一面が雪景色(軽く絶望)。日常のなかでのそれはしかと受け止めるしかないが、旅先で立ち会う場合はなかなか受け止めたくないと思ってしまう。何が言いたいかって、つまり今北海道にいて、朝起きたら雪が降っていたという話(渋い顔)。
12月の準備万端。新千歳空港。
さて、ときめきとは愛や恋ではなく旅の話である。ここに行きたい、とふんわり思う気持ちはあれど、それを実現するためにお金も時間も体力も使って、本当に行く……となるまでの実行力、ハードルのようなものが最近上がりっぱなしなのだ。最近、いやここ1年くらい、長野に引っ越してからの話かもしれない。少し思ったのは目的地までの距離感。東京などの首都圏に住んでいた時は、たとえ「明日沖縄に行きたい」と思ってもLCCを使えば1万円以下で飛行機が予約でき、時間も1時間程度で空港まで行けた。それが今はまず出発するための場所(空港など)に行くための出発をしなければならず、またお金も時間も余計にかかる。はて。それでも本当に行きたい場所ならば、何の苦も感じないはずなのだけれど。
朝の成田第三ターミナル。
ときめかない、と言いつつも、人々の流れがそれほど激しくない深夜や早朝の時間帯に活動するのは悪くない。利用者が少ない夜行バスの中で生まれる謎の空気感(連帯感?)、朝日に照らされる飛行機や、飛行機までの連絡バスの乗降で冷たい朝の空気を感じるのも割と好きだ。ほんの少しでも人と違う体験をしている、と感じるときに「旅をしている」という実感が増す気がする。
夜の札幌。
行きたい、行ける、という状況を楽しむだけではなく行かなければ。時間は有限なのだから。と思うけれど、ときめかない、ときめきたい、と思うターンが続いている。ときめく動機を探すだけではなく、作りにいけばいいんだよなあ。と、しっかりしたビジネスパーソンのようなことを思ってみたりもすることもあるが。とはいえ単純に未踏の地はたくさんあるし、何となく再訪したい外国の地もたくさんあるわけで。何も考えずに、ただ行けばいいのだけれど。
新千歳空港では大体ここの豚丼を食べている。
誰に誘われようと何に誘われようと、行きたい時に行きたい場所に行く。だけど、それができる時間は限られている、ということを忘れてはいけないな。
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Yoko
長野在住、北海道出身。世界一周予定が新型コロナウイルスの影響で中止に。東京から葉山、長野へと拠点を移しつつ、国内外を自由に旅している。レバンガ北海道(#11)とアイスが好き。フリーランスのWebライター・編集者。